クリエイティブに関わる人とって”あるある”すぎて涙なしには読むことができない。デザイン事務所の仕事を描く『鴨の水かき』 取引先のムチャな注文も、厳しい納期も、日常茶飯事。そんな彼らの一喜一憂の日々を描く、涙と笑いのお仕事ドラマ。

筧 将英2016年05月16日 印刷向け表示
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鴨の水かき 1<鴨の水かき> (ビームコミックス(ハルタ))
作者:空木 哲生
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
発売日:2014-03-28
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広告会社で働いているので、クライアントから制作作業を請け負うことがあります。もちろん私はアートディレクターでもデザイナーでもないので、自分で手を動かすことはないのですが、外部の制作会社やデザイン事務所と一緒に広告をつくることがありました。

制作作業の大変さと価値についてはある程度は知っているつもりですが、その大変さと価値について、わかりやすく書かれているのが今回紹介する『鴨の水かき』です。 

デザイン事務所「デザインプラス」で働く3人

仕事はできるが性格きつめのチーフデザイナーの前原良子(32歳・女)

のんびりふんわりポジティブ思考のデザイナー1年目の沖雅美(24歳・男)

優しいけれど少々マヌケな社長の渡辺敏之(42歳・男)

この3人がある街の商店街、マンションの一室にあるデザイン事務所「デザインプラス」で働いている。
 

この漫画はデザイナー稼業に勤しむ彼らの日々が描かれるお仕事系の作品。

ここからは、制作作業に携わったひとであれば「ああ・・・経験ある・・・」と確実思ってしまうシーンを紹介します。デザインの作業は大変だよ、ということを言いたいわけではないですが共感する部分がかなりあります。

比喩での指示(が全然意味がわからない)

ここまでわかりにくい指示はあまりないですが、「もうちょっと勢いが欲しい」とかはこれまでにありましたね。そんなときは「もうちょっと具体的に教えてください」と聞くと同時に「デザイナーさんがんばってー」って思ったりしていました。

複数案みたい(ってそれ何案つくればいいの)

これが正直一番しんどい。自分がデザインをしなかったとしても、デザイナーさんに頼みにくい。複数案から選んでもらえるようにA,B,C案だしてるのに、D,E案も出してほしいとか。その中でもAとEの折衷案はほんとにやばいです。でもこの折衷案が見たいっていうのはほんとによくあるなぁ。。。。

とりあえず見たい(から作って)

これもきつい。「とりあえずつくって」に答えて持っていったのに、発注にならないとかありますねぇ。こうゆうときに間に入って、デザイナーさんに仕事にならない仕事をさせてしまった経験を今思い出して苦しいです。本当に申し訳ないと思っています。

人がつかまらない、足りない

優秀なひとほど忙しくてつかまらない。最終的には、「あれもこれもこのメンバーでやるしかないよね。。。」となっていきます。そんなときは、こうやってスキルって広がっていくんですね、と前向きにとらえるようにしています。そもそも、最近どこの会社も部署もひと足りないっていっている気がします。

偉いひとが途中から参加(そしてひっくり返る)

現場で進めていて「これでいこう」ってチームが一致団結してからの偉いひとの登場。その方もそのまま通したら、自分がいる意味がないので、何か意見は言いますよね。自分の経験だと、よく社長でひっくり返ってました。

納期忘れてた

これは忘れている自分が悪いんですが、忙しいと忘れてて「やばい」ってことはありますよね。そのときにどう対応するかが社会人としてのスキルのひとつなんじゃないでしょうか。いや、ほんとは余裕もってやりたいです。やりたいんですよ。

 電車の寝過ごしと忘れ物

徹夜明けの電車は絶対に座ってはいけません。僕は寝過ごしよりは、朦朧として地下鉄逆方向に乗ったことが何回かありました。あとカンプは大事なものなので網棚においてはいけません。

以上、いかがでしたでしょうか。広告やデザイン、制作に関わる方は概ね全て経験しているんじゃないでしょうか。

この作品で語られているのはデザイン論ではなく、上記のアクシデントを通してデザイナーがクライアントに対して何が提示できるのかという精神論です。物語のテーマ・設定は地味な印象を受けがちですが、ドラマ要素があったり、仕事をしている人は共感できる部分が多い作品です。おすすめの読み方ははこの作品を囲みながら複数人で「仕事論」を語る、だと思います 

鴨の水かき 1<鴨の水かき> (ビームコミックス(ハルタ))
作者:空木 哲生
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
発売日:2014-03-28
鴨の水かき 2<鴨の水かき> (ビームコミックス(ハルタ))
作者:空木 哲生
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
発売日:2015-06-15
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スナップガール<スナップガール> (ビームコミックス(ハルタ))
作者:空木 哲生
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
発売日:2014-03-28
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