中二病でもそうじゃなくても美麗な世界に惹き込まれること間違いなし『ヴァニタスの手記』

関段 曜2016年05月22日 印刷向け表示
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突然ですが、「中二病」をご存知ですか?元々は「中二くらいの思春期にありがちな背伸びした行動や思考」のことでしたが、最近だとネットスラングで聞くことが多いのではないでしょうか。ライトノベル作家の塞神雹夜(さえがみひょうや)さんによると、中二病は大きく3つのタイプに分かれるのだそうです。その中でもいちばん中二病という単語にすぐ結び付きやすいだろうなと考えられるのが「邪気眼系」です。
ざっくりいうとこのタイプは、「普段は人間に紛れて生活しているが本当は隠された力を持っているんだ…!分はほかの人とは違うんだ…」と本気で考えたりするタイプの人のことです。まあ、傍から見るとかなり「イタイ」人のことですね。とはいえ、実はわたしもまだまだ中二病患者であったりします(さすがに魔法とかが使えるとは思ってないですけど)。それが顕著に表れているのがわたしのマンガの好み。そして今回はそんなわたしと同じ中二病患者に読んでいただきたいマンガをご紹介します。
まずはこのページを見ていただきたい。


望月淳『ヴァニタスの手記』第1巻

吸血鬼と書いてヴァンピールと読む。ああ、中二心が疼きますね…!ヴァンピールというのは、フランス語で吸血鬼という意味です。ですがこうやってルビがふってあるだけでなんかこう、「自分はこの単語をヴァンピールと(かっこつけて)読むことを知っている…!」という気持ちになりませんか。わたしはなります(迫真)。この作品にはほかにも魔導書をグリモワール、狩人をシャスール、処刑人をブローなどといったフランス語のルビがあてられていることが多いのです。なぜなら、この作品の舞台はパリであるからです。…わたし西洋って大好きですよ、執事とか舞踏会とか魔術とか魔女とか♰十字架♰とか天使とか…中二心をくすぐられる単語いっぱいですからね!
そんなルビがふられているこの作品ですが、中にはフランス語読みでないルビがふられている単語があります。それは、「蒼月の吸血鬼」。これには「ヴァニタス」というルビがふられています。


望月淳『ヴァニタスの手記』第1巻

作品に出てくる童話の中で、蒼い満月の夜に生まれてきた吸血鬼は「ヴァニタス」という名前で呼ばれます。そして、この作品の主人公の名前も「ヴァニタス」。彼の名前は蒼月の吸血鬼から受け継いだそうです。しかし実はこのヴァニタスは人間。


望月淳『ヴァニタスの手記』第1巻

さらに「ヴァニタス」とはラテン語で「空虚」や「むなしさ」を意味する言葉でもあります。さて一体、この作品ではどうして「蒼月の吸血鬼」が「ヴァニタス」と呼ばれているのか。そしてどうして主人公はその名を受け継ぎ名乗っているのか。まだ始まったばかりのこの作品には多くの謎が隠されています。こういうことを考察したりするのもとても面白いとわたしは思います。
ところで話は中二病から逸れますが、美しくて緻密な作画は好きですか?好きですよね?好きだと言ってください!(必死)この作品は、そんな方にもおすすめです。

 


望月淳『ヴァニタスの手記』第1巻

ああ、なんて美しい画面でしょうか…おもわずため息が漏れますね。え?最近はデジタル作画の普及でこのくらい美しい画面は簡単に描けるって?いいえ、実はこの作品フルアナログなんです。一切デジタルを使っていない、まさに芸術作品。ぜひ、この美麗な世界に没頭し酔いしれてみてはどうでしょうか。もしかしたら世界に惹き込まれていくうちに、あなたも吸血鬼になっているかもしれませんね。
 

ヴァニタスの手記(1) (ガンガンコミックスJOKER)
作者:望月 淳
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2016-04-22
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