「身も心も乾燥が気になる…!」という時は、少女マンガ『椿町ロンリープラネット』でドキドキして潤いを補給しちゃいましょう♪

中原 由梨2016年06月13日 印刷向け表示
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 わたくし事で恐縮ですが、まもなく 40 歳をむかえるにあたり、気がついたら「素敵な40代の過ごし方(女性)」「女の40代は素晴らしい!」みたいな本を最近よく読んでしまって ました。「しまってた」という書くあたり、はい、完全に無意識です(ちーん)。しかも、 読み漁ったアラフォーの本達に「40代は身体の中から乾く」なんて書かれてて、戦慄。。。だだでさえ、これから夏になって日焼けや乾燥やらが激しくなるのに、一体どーしたら…。

そうだ、こんな時は少女マンガを読んで潤い補給しよう。

と言っても、あまりにあまりの少女マンガには、正直感情移入が出来ないのは事実。大人な少女マンガ(アラサー女子マンガ!?)も欲しくない。なぜならリアルは欲しくないから。そんな気分の時は、ほどよく奇想天外で、展開が速すぎず、かつ感情移入できるもの…ということで、今回選択したのは椿町ロンリープラネットです。そして、その選択は結果的に「当たり」でした。 選んだポイントを、どんな風に『椿町ロンリープラネット』が満たしてくれたかというと…

■ほどよく奇想天外
主人公の「ふみ」ちゃんは、父親の 600 万円の借金を返すため、高校に通いながら小説家の家で住み込みで家政婦をすることになります。時代小説家である木曳野暁先生の家に来たふみちゃんは、初めて、先生が若い男性(しかもイケメン)であることを知るのです-。
…ね、まったくリアルじゃないでしょ?父親なんてマグロ漁船に乗り込みますし、女子高生が住み込みで家政婦っておかしくないですか?? 借金取りがウシジマ君なら確実にソープにぶちこむはず。でも、リアルを求めてないので、この位でちょうど良いのです。

■展開がスロー
かなり私見ですが、最近の少女マンガは、最初から恋の相手が決まっていて(ブサイクで根暗な自分を見つけて綺麗にしてくれる、物語冒頭に登場するイケメン)だいたい 4 巻ぐらいでは付き合って、その先をどうするの…?みたいな話が多いように感じます。そんな中、『椿町ロンリープラネット』では、お互いが恋心を意識したのは(先生はまだ“気づく兆し”程度ですが)、最新刊である 3 巻ですからね!どんなにスローなんだよ!! でも、そのジリジリ加減が逆にくぅ~~~~っと切なくて堪らんです。

 

■感情移入
作者のやまもり三香さんの大ヒット作『ひるなかの流星』でも登場人物に感情移入しすぎて「どっちの男子を選ぶの!? いや選べない!全員幸せになって欲しい…」とヤキモキさせられましたが、その手腕はもちろん健在。むしろ今回の方がパワーアップしてるかも⁉ 先生に対して心を開いていくふみちゃん、ふみちゃんのいる生活に少しづつ心がほぐれていく先生、という二人の心の動きをとても丁寧に紡いでくれています。主人公のふみちゃんは名前の通り(先生談)ちょっと古風なせいか、いじらしくて可愛くて応援したくなりますし、先生が幸せについて語る部分なんか不覚にもホロッときてしまいました。若い頃、彼女への誕プレ(=誕生プレゼント)が延長コードだった男がよくぞここまで…(涙)。あと、先生はご友人いわく「天然女殺し(ジゴロ)」なので胸きゅんシーンも満載です。

『椿町ロンリープラネット』には、基本的に不器用なキャラクターしか出てきません。主人公のふみちゃんも、転校生の一心も、全員不器用です。まぁ最高に不器用なキャラは先生だけど(年齢的にはおそらく一番大人なのに)。
だけど誰もが真っすぐに幸せになりたいと願っています。 その素直さともどかしさと恋に落ちる様子にドキドキして、読みながら切なく悶えてしまいます。さらに、説明したように少女マンガとしてのポイントはしっかり押さえてあり、エンターテインメントとしてしっかり楽しめる作品なので大人女子も、いやもしかしたら大人こそ!かなりオススメです。


完全に余談ですが、作者のやまもり先生が描く男性って全員カッコよくて、特に今作の木曳野先生は「骨!」「ゴツゴツした節々!」「折れそうに細い!」と女性が好きな要素が満載すぎまマスヨ。それをみるだけで眼福です☆ 私なんて「現実に木曳野先生みたいな時代小説家がいたら「娘!」と言われたいな…。いや“娘”の年齢じゃないから「女!」って言われるのか。それはそれで…良い」 なんて妄想爆発させちゃったり…って言えるうちはまだ潤ってますな、うん(断言)

 

(画像はすべて『椿町ロンリープラネット』/やまもり三香より引用)

椿町ロンリープラネット 1 (マーガレットコミックス)
作者:やまもり 三香
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作者:やまもり 三香
出版社:集英社
発売日:2016-03-25
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