アラフィフ狂喜乱舞の『ポーの一族』新編、ポーの魅力を考えてみた!

和久井 香菜子2016年06月12日 印刷向け表示
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雑誌が売れない売れないようと言われている中、『月刊Flowers』7月号が異例の重版されましたね。

月刊flowers 7月号 [雑誌]
作者:flowers編集部
出版社:小学館
発売日:2016-05-28
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 理由は、40年ぶりに新編が掲載された『ポーの一族』です。

ポーの一族 復刻版 1 (フラワーコミックス)
作者:萩尾 望都
出版社:小学館
発売日:2016-05-10
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 もう、普段冷静な周りのアラフィフ女子たちが狂ったように騒いでました。書店を回っても手に入らないとか、買った買えないの大祭り。6月11日、本日『月刊FLOWERS』の重版発売日なので、なんでこんなにみんながポーポー言ってるのか、独断でその魅力を考えてみます。

 

1. エロい、アンニュイ、アンチエイジング
『ポーの一族』の前にまず吸血鬼ネタは少女マンガ界で大人気です。首筋に噛みつくって、もうそれだけでなんかわかりやすくエロいですよね。これが「脇の下に噛みつく」とかだったら、一部の人にはたまらんでしょうが、たぶんここまで人気は出なかったと思います。永遠に生きることの苦悩なんかも少女マンガでは大好きなネタですね。悩んでる人が好きなので、少女マンガは。そして女子の永遠の憧れ、アンチエイジング。年を取らないとか、マジで裏山です。吸血鬼が実在したらマジモンのアンチエイジングとして希望の女子が殺到するんじゃなかろうか。

2. エドガーとアランが腐女子萌え
クールで知的なエドガーと、子どもっぽくてワガママで女子には弱いアランの少年ペアはたいへん腐女子心をくすぐります。2人がバラの咲き乱れる公園でキャッキャはしゃぎ回るんですよ。公園の建物の中で紅茶でも飲みながら2人の姿をにんやり眺めていたいです。

3. エドガーのシスコンっぷり
エドガーにはメリーベルという妹がいるのですが、まあ彼女をかわいがってること。こんなお兄ちゃんがいたら彼氏とかいりませんよ。シスコンイケメン兄さんも少女マンガ頻出キャラですね。で、たいてい「血のつながってない」疑惑が持ち上がるんですが。ただしエドガーとメリーベルはガチもんの兄妹です。 余談ですが、エドガーとメリーベルが捨てられるところ、『マリーベル』のフロレル兄さんとマリーベルが捨てられるシーンとそっくりです。作者の上原きみ子先生にも与えた影響大だと踏んでます。

マリーベル (1) (講談社漫画文庫)
作者:上原 きみ子
出版社:コミックス
発売日:2000-12
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4. 序盤でいきなりクライマックス感
連載時の事情により、1巻の1話目からすでにガタガタ問題が起こってクライマックスの様相です。これがたいへん衝撃的で、ポーの魅力をひときわ強くしています。そこから一転して穏やかな話が続くのですが、読者はすでに心を揺さぶられているので、何を見てもハラハラしてしまいます。ポーの第1話、キーポイントです。

5. ミステリ調のハラハラ感
エドガーたちバンパイアは、数日~数年ごとにヨーロッパ各地を転々としながら生活しています。そうしていく中で、彼らの存在に気がつく人たちが出てきます。物語はショートストーリーの積み重ねになっていて、個々のストーリーで各年代の人々とエドガーたちの交流が描かれています。その上で全体としてはエドガーの存在を人間たちが追っていくチェイスものの展開になっているのです。ちりばめられた情報を集め、エドガーを追う人間たち。悪気があって追っているわけじゃないんだけど、「やめて放っておいて!」とモンモンします。ファンタジーは生活のすぐ側にあるんだなあとワクワクもします。

6.ラストの喪失感
ストーリーの中で、少しずつ捨て子のエドガーやメリーベルの出生が明かされます。そしてその子孫たちと関わることにもないる。自分のご先祖さまとお話しするとか、ちょっとドキドキするじゃないですか。そして5巻のラスト、「えっ? それで!?」と、真実を知りたくて仕方がない終わり方なのです。

 

冒頭で引き込まれ、ラストで心を物語の中に持って行かれたまま40年ですよ。そりゃお祭り騒ぎをしますよね。 もともと『月刊Flowers』は、少女マンガらしいあまあまスイートな話ではなく、割と硬派な作品が多くて好きな雑誌です。久しぶりに購入しましたが、いろいろ楽しみました。
7月号では、萩尾望都先生と山岸凉子先生の対談も掲載されてます。おふたりがお互いの作品をよく読んでいるようで、愛と尊敬を感じるステキな対談でした。これのライターやりたかった……!!!

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