ジョジョ初心者へのオススメは第何部が正解か?

苅田 明史2016年06月23日 印刷向け表示
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ジョジョの奇妙な冒険。

「そこにシビれる!あこがれるゥ!」「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」「だが断る」など名言もたくさん。
目にしたことのないマンガファンはまずいないハズ。

 

汎用性高。パンだけでなく他のものに言い換えても使えます。
『ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド』より

 

1986年からもう30年にわたって長期連載されているこの作品は「第●部」とか「Part ●」という形でいくつかの章に分かれています。
ジョジョ好きが集まれば「何部が好き?」というネタだけでも、1時間はゆうに話せてしまうかと。

そして、「何部が好き?」と同じくらいによく聞かれる言葉が、「初心者にオススメするなら?」というもの。

布教活動にも熱心なジョジョファンとしては、もちろん最終的には第1部から最新作まで全部読んでもらいたい!!
でも、通算100冊以上もある巨編なので、「まずはお試しから」っていう気持ちもわからなくはないわけで・・・

というわけで、今回は初心者にオススメしたいジョジョは第何部か?というのを考えてみたいと思います。

 

 

ズバリ言っちゃいましょう。

 

 

僕のオススメは第5部(Parte5)「黄金の風」です。

 

ジョジョの奇妙な冒険 第5部 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
作者:荒木飛呂彦
出版社:集英社
発売日:2005-03-18
  • Amazon Kindle

 

今回はその理由を述べてみたいと思います。

 

 

 

全シリーズが面白いジョジョ

数えてみれば100巻以上もある『ジョジョの奇妙な冒険』。

よく、荒木先生は老けないなとか、むしろ若返っているとか、石仮面を被ったに決まってるとか言われていたりしますが(初心者向けに解説すると、ジョジョでは石仮面をかぶると不老不死の吸血鬼になれる)、それよりももっと驚異的なのは、正直全部オモロイこと。

僕の場合、読み返すときはいつも「今回は第●部読もう」ってな感じで、そのシリーズごとに読み返します。
で、よく考えてみると、自分でもびっくりするくらい偏りなく読み返しているんですよね。
第1部から第8部まで、たぶんどれも5回ずつくらいは読んだと思う。どのシリーズにもそれぞれの魅力があります。

 

僕は1~6部まではハコ目当てで文庫版、以降は電子版で読んでいます。


「ジョジョ」と名の付く主人公らが織りなす「人間賛歌」のドラマは変わりません。
でも、主人公の境遇や旅の目的がそれぞれ異なっていて、さらには作風まであえて変えているのがわかります。

よく、”成功している会社は「自らを破壊している」”と言われます。
クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』には、過去の偉業に固執した大企業が新興企業のイノベーションに負かされることを述べています。

ジョジョもマンガ史に残る偉大な作品であるにもかかわらず、過去の栄光にとらわれずに新たな切り口で巻数を積み上げているのです。
これは本当にすごい。

 

でも、ここで大きな問題が生じてくるんですよね。
巻数が多い一方で、適度にシリーズが分かれているために、ある意味で別作品のようなとらえ方もできるジョジョ。

高橋留美子なら、

・やっぱり『めぞん一刻』でしょ
・初めて『うる星やつら』読んだときの衝撃たるや
・長期連載の『犬夜叉』が代表作に決まってる
・いやいや『境界のRINNE』は最新作にして最上

とかいろいろと意見が出る(僕はやっぱり『めぞん一刻』)ように、ジョジョもまた、どの作品が良いのかがいつも議論の的になってます。

もう、「あえて俺の好きなのと違うシリーズ選んだでしょ!」っていうくらい、みんなバラバラ。
まぁ、それだけどのシリーズにも人気があるってことですね。

 

 

まず、4・6・7・8部は初心者向けではない

というわけで、ジョジョファンたちはしだいに宣教師として布教活動に励むわけですが、そのときに問題になってくるのが、

初心者にはいったい第何部をオススメするのが正解なのか?

ということ。

そりゃーもちろん、第1部から読んでくれればいいですが、なんせ100巻以上もあるわけで。
「お試し版」として数冊読んでもらうところから始めることを考えると、これが非常~に頭を悩ませるわけですね。

 

で、初心者向けの基準として、すぐに考えられるのは「他のシリーズを読んでからのほうが楽しめるやつは除く」です。

ジョジョは微妙にそれぞれの話がつながっていたりするので、「お、これ第●部のあれが伏線になってるんだな( ̄ー ̄)ニヤリ」となっちゃうシーンなんかがあったりするわけ。
やっぱりそういうのは、もれなく味わっていただきたい!


この理屈で言えば、第4・6・7・8部を最初に読むのは止めた方がいいです。
これらのシリーズを最初に読むべきでない理由は下記のとおり。


第4部:舞台は荒木先生の出身地である仙台をモデルにした杜王町。バトルだけでなく、トニオさんのイタリアンレストランなど、街を散策していくかのようなストーリー展開が面白い。主人公は東方仗助ですが、第3部の主人公である空条承太郎が引き続き大活躍します。よって先に第3部を読みましょう。

第6部:刑務所に収監された承太郎の娘、空条徐倫(ジョリーン)が主人公。ジョリーンのスタンドはあまり強くないので、他シリーズよりも頭脳バトルが豊富。ラスボスは3部・4部と同様に「時」を操りますが、さすがに3人目となるとコンセプトも複雑で、初心者にはちょっと分かりにくいかも。よって先に第3・4部を読みましょう。

第7部:第7部の終盤でなぜこの世界にもディオ(ディエゴだけど)がいるのかが明らかに。スタンド「THE WORLD」の登場に、読みながら心の中で「荒木やりよった!!(失礼) 最高!」と叫んだのは僕だけではないはず。よって先に第3部を読みましょう。

第8部:現在連載中。舞台は第4部と同じ杜王町で、同名のキャラもいる。物語が徐々にノッてきたところであり、第7部が終盤で激アツの展開を迎えたことを考慮すれば、本作も第4部を前もって読んでおいた方が楽しめそう。よって先に第4部を読みましょう。

 

まとめると、上のような感じでしょうか。
いろんな人の意見を聞いてみると、僕の周りでの一番人気は第4部かも。
なので、初心者の方は早くほかのシリーズを読んで、ぜひ第4部まで到達してみてください。
(このなかだと、僕は第7部が好きかな)

 

 

1・2部は「トールキン理論」で除外

というわけで、残るは1・2・3・5部。

「作品は全部読んで初めて評価できる」と思っているまじめなアナタは、悩むことはありません。
そのまま第1部から読んでください。
時系列的にもはじまりは1部だし、シリーズ全体を通した宿敵・ディオの誕生は見逃せないでしょう。


でも僕としては、1・2部は3部以降とはやっぱり別の作品なんですよ(異論は認める)。
主人公が「ジョジョ」、というのは変わらないのですが、第3部以降に登場した「スタンド」ではなく「波紋」というエネルギーを使ったバトルが中心なので、1・2部でハマった人が3部以降に同じような内容を期待すると、むしろ失敗しちゃうかも。


たとえば、こういう風に解釈するのはいかがでしょうか?
1・2部は、J・R・Rトールキンの『ホビットの冒険』であり、3部以降が『指輪物語』(映画版のロード・オブ・ザ・リングのほうが有名かも)という位置づけなんだと。

ちなみに僕は『指輪物語』は全部読んだのですが、『ホビットの冒険』は読んでません(映画は見た)。
『指輪物語』で語られる世界は、『ホビットの冒険』という作品によって描かれたもの、ということは当然知っていますが、正直とっつきやすいのは『指輪物語』のほうです。
※ちなみに『ホビットの冒険』はビルボというホビットが、ドラゴンに奪われた財宝を取り戻そうとする旅の物語。『指輪物語』はビルボの養子であるフロドが、世界を支配する力を持つ指輪を破壊する旅の超大巨編です。


同じく、1・2部はジョジョの起源であり聖典ではありますが、「スタンド」が出ていない前日譚として楽しんだ方がいいと思います。
こういう歴史があってジョースター一族とディオとの因縁が生まれたんだなっていうね。

 

命名:トールキン理論

 

反対意見も多そうでビクビクしてしまいますが、時間がない方は、1・2部よりも先に3部か5部を楽しみましょう!(強気)

 

 

なぜ、5部なのか?

これまでロジカル(?)に初心者向けでない作品を選んできましたが
いよいよ、2択です。

初心者にオススメなのは、3部か、それとも5部か。
答えは冒頭ですでに明かしたとおり、僕のオススメは第5部。

それはなぜか。

 

それは・・・

 

なぜなら・・・

 

3部よりも5部が好きっていう人のほうが、ほかのジョジョも好きになってもらえそうだから。(THE★布教活動)

 

第5部「黄金の風」は、イタリアを舞台にジョルノ・ジョバァーナがマフィアのボスを目指す作品なんですが、過去作の承太郎、広瀬康一、ポルナレフが登場するものの、過去作との関連は薄いため、独立した物語として楽しめます。
だから、ほかのシリーズを読んでなくてもあまり問題ないです。


それから、第5部が素晴らしいのは、大人向けのジョジョっていうところ。


敵も味方もパワー型が多いなかで、主人公のスタンドはパワー型ではなく、どちらかといえばサポート型(触れたものに命を吹き込み、動物や植物に変化させる能力)。なので、自然と頭脳バトルが多いんです。
ジョジョってほかのシリーズでも頭脳バトル多めなので、第5部が好きな人は、ほかのシリーズも楽しめるハズ。


第3部に比べると第5部はギャグ要素控えめだし、一人ひとりの仲間の死にドラマがあって泣けるんですよ。
ジョジョでは必ず仲間の誰かが死んでいくんですが(それがまた感動を呼ぶんです)、第5部の演出が僕としてはベストですね(これはみんな異論あるの知ってるよ!ツェペリとかイギーとか!)
あぁ、こういう展開もあるマンガなんだって思ってもらえたら、きっとほかのシリーズも読みたくなるのではないでしょうか。


さらにさらに、主人公らが全員イケメンだし、かっこいい。
最近のジョジョの特徴でもある奇抜でおしゃれなファッションになったのも5部からです。


とまぁ、いろいろ書きましたが、結局はジョジョ第5部が個人的にベストっていうだけなんですけどね。

「ジョジョ第5部をオススメしたい・・・」と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!
by 記事をここまで書き終えた俺

・・・すいません、もうここまで来たら、どっちが好きか、っていう軸しかありませんでした。。。

アリーヴェデルチ!(さよならだ)(第5部の名言の一つ)

 

ジョジョの奇妙な冒険 第5部 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
作者:荒木飛呂彦
出版社:集英社
発売日:2005-03-18
  • Amazon Kindle

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
作者:荒木飛呂彦
出版社:集英社
発売日:2002-06-18
  • Amazon Kindle

めぞん一刻 (1) (小学館文庫)
作者:高橋 留美子
出版社:小学館
発売日:1996-12
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新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)
作者:J.R.R. トールキン 翻訳:瀬田 貞二
出版社:評論社
発売日:1992-07
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