森と癒しと不思議に触れてみませんか?『星が原あおまんじゅうの森』

関段 曜2016年06月27日 印刷向け表示
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(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) 星が原あおまんじゅうの森 1
作者:岩岡 ヒサエ
出版社:朝日新聞出版
発売日:2009-12-04
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最近、疲れてませんか?

癒されたいと思いませんか?

自然に触れたいと思いませんか?

不思議な世界に迷い込んでみたいと思いませんか?

どれかにイエスと答えたあなた。特効薬なマンガがありますよ。

 

 『星が原あおまんじゅうの森』第1巻 岩岡ヒサエ

森が印象的な町に住んだことがありますか?わたしは特にはありません。といいつつも、いわゆる都会に住んでいたわけではないので、田舎出身です。そこそこ森はありました。そんなわたしでもこの作品に出てくる森は、どこか懐かしさを感じさせ、まるで自分がこの町に住んでいるような感覚を呼び起こさせます。

それはきっと、このマンガの森がとてつもなく緻密に描かれており、まさに「森」がそこに存在しているからだとわたしは思います。ただ、緻密といえど重たい感じはなくまさに見るだけで癒される。現実世界の森とおんなじ役割をしてくれるような気がします。

この作品には、「人ではないモノ」がたくさん出てきます。それはニワトリであったり、立て付けの悪い扉の精霊であったり、百科事典の精霊であったりとさまざまです。この「人ではないモノ」たちは、ある森では人間とお話しすることができます。それが、あおまんじゅうの森なのです。

 

『星が原あおまんじゅうの森』第1巻 岩岡ヒサエ

この森にぽつんと建つログハウスには、「人ではないモノ」に良いことをしてスタンプカードにハンコを集める人間、蒼一さんが住んでいます。蒼一さんはハンコを集めることで、風の精霊である科子さんと同じ存在になるという目的を達成しようとしています。しかし、それを邪魔するのは同じく風の精霊である野分。蒼一さんは科子さんをとても大切に思っていて、実は野分も科子さんをとても大切に思っています。昔は科子さんが見えていた蒼一さん。しかしなぜか、今は見えない。とても、かなしい。蒼一さんはまた科子さんに会いたい、とその一心でハンコを集めています。

 

『星が原あおまんじゅうの森』第1巻 岩岡ヒサエ

この蒼一、科子、野分の関係性は読んでいて胸がきゅうっとなります。でも苦しいかと言われれば、そうではなくて。どのキャラクターにもそれぞれの事情があって、結果それは優しいものに変わっている。わたしはそれも癒しと呼ぶのではないかなと思っています。もちろん、すべてがすべて癒しになるとは限りません。ですが、たとえば一人のキャラクターに感情移入して、とてもさみしくなって涙ぐんでしまったとき、その涙に癒されている自分もきっといるはずだと、わたしは思います。

じゃあこの作品は、笑えない(=寂しい)作品なのかというと、そういうわけではありません。ニワトリがお母さんを探したり、カエルがお母さんになろうとしたり。小石の精霊が神様になりたいと悩んだり。ほっこりとした笑いもちゃんとあります。ご安心を。

 

日々の生活に疲れてしまったあなたへ、特効薬、出しておきますね。

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