ポップな4コマにだまされるな!もはや三国志マニアへの挑戦状 荒川弘と杜康潤のガチすぎる解説も楽しめすぎる『三国志魂』

佐藤 茜2016年07月05日 印刷向け表示
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三国志魂 上
作者:荒川 弘
出版社:光栄
発売日:2012-03-28
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 問い:張松(ちょうしょう)の身長は五尺未満と記載されているが、後漢〜三国時代の尺で計算すると120センチ以下になってしまう。正しいとされる身長と、理由を推察せよ。



わかるわけねぇ!!!

しかしそんなマニアも裸足で逃げ出す問いも、すっと楽しくさりげなく理解させてくれるのが、本作『三国志魂』です。作者は『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』の荒川弘先生(コミック・イラスト・トーク担当)と、『孔明のヨメ。』『坊主 DAYS』の杜康潤先生(テキスト・トーク・一部コミックの原案・自画像イラスト担当)。内容は、全120話の『三国志演義』1話ごとにお二人の先生方の解説+その話の4コマ2つで紹介するものを主として、プラスαで三国志の時代の文化を解説するコラムマンガで構成されています。上下2巻(ワイド版は1冊にまとまっています)。

しかしこの本、面白そーと思って気軽に手に取ったら密度がヤバくて窒息するかと思いました…。もー、三国志のキャラクター並みに、1話ごとの解説が、濃い…!

 
 

解説+4コマ。これで1話の解説分です。『三国志魂』荒川弘 (著), 杜康潤 (著) 出版社:コーエーテクモゲームス 100〜101P

解説を読んでいただくとわかるように、単純に「○○かっけー!」で終わるのではなく、
・中国の考え方について
・簡単な話の流れのまとめ
・この話のハイライト
・登場人物の解説
がぎゅぎゅっと収まってるんです。

もちろん、4コマはキャラとらえまくりで圧巻の面白さ!なんて豪華なんだ!!

ちなみに、今手元にあるワイド版を見ると、解説ページの枠外には初登場のキャラクターのアイコン、4コマページの枠外にはその話でお亡くなりになってしまうキャラクターのアイコンが(「お悔やみ」として)表示される親切設計(すみません、上・下巻は電子版で買ってしまったので紙の本にあるのかはわかりません)。

『三国志魂 ワイド版』荒川弘 (著), 杜康潤 (著) 出版社:コーエーテクモゲームス 98P
 
 

キャラクター解説ページへの誘導もばっちりで、これで誰が誰だか分からなくならない!小学校のときに、増え続けるキャラクターがごっちゃにならないように関係図を手書きしながら読み進めた記憶がよみがえります。ああ、あの当時にこの本があれば…

三国志は、日本のことわざの由来(「苦肉の策」「破竹の勢い」「三顧の礼」「泣いて馬謖を斬る」とか)になるなど、もはや一般常識的な側面も持っています。ビジネス向けの記事でも、「理想の上司は三国志だと誰だろう?」みたいな特集があがるなど、ちょっと知っていないといけない雰囲気も。

でも実は読んだことないんだよな〜、という方。
でも、最初から『正史 三国志』や『三国志演義』を読むのはちとつらい…という方。
もちろん、吉川英治氏『三国志』や、柴田錬三郎『英雄三国志』といった小説から入るのもいいですし、三国志マンガといえば!な横山光輝『三国志』を読むのもいいと思います。

けれど、全編ではなくて拾い読みで気が向いたときにさくっと知りたい。はたまた、一通り読んだけどより深く知りたいという方。

本作品は初心者からマニアまで、必ずニーズに答えてくれます。
オススメです。


(ちなみに最初の問いの答えは「約155cm。演義初出。たぶんこの人だけ明時代の尺(明の尺:31.10cm/新・後漢の尺:23.04cm)」。なんで両先生ともこんなことまで…。ちなみに解説の龍谷大学経済学部教授の竹内真彦先生も「『演義』と正史を叮嚀(ていねい)によんでいないと、なかなかこういうことは言えません。」とのこと。うーん、先生方、すごすぎるぜ!)

三国志魂 下
作者:荒川弘
出版社:光栄
発売日:2012-03-28
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三国志魂 ワイド版
作者:荒川 弘
出版社:コーエーテクモゲームス
発売日:2016-01-30
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銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)
作者:荒川 弘
出版社:小学館
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孔明のヨメ。 (5) (まんがタイムコミックス)
作者:杜康 潤
出版社:芳文社
発売日:2015-09-07
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
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