「一発屋だろ」と思って見ていたらエンタメの連発花火師でした…現役マンガ家も嫉妬したSNS発の新星が描くボーイ・ミーツ・ガール『左ききのエレン』

こしの りょう2016年07月21日 印刷向け表示
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 「twitterでバズる漫画はしょせん一発の打ち上げ花火だろ」
漫画制作作業中、つけっぱなしのパソコン画面をみてつぶやく。

流れるTLに「面白い漫画」が次から次へと流れてくる。

「でも、漫画でメシを食う漫画家は毎週花火を打ち上げなきゃ」

明らかに嫉妬である。
私もネット漫画をしばらく描いていたが1回もバズることなく停滞中。

凡人漫画家のちっぽけなプライドのせいでついついでてしまう本音だ。

だから「かっぴー」さんの「フェイスブックポリス」を読んだ時も
そう思っていた。

スタッフに「すげー面白い漫画あるぞ」と紹介しながらも
こころのなかでは「一発屋で終わってくれ・・・」と。

だが「かっぴー」さんは次々と花火を打ち上げてきた。
「snsポリス」、「おしゃ家ソムリエ!おしゃ子!」「裸の王様VSアパレル店員」「バズマン」などなど・・・タイアップ広告、雑誌での連載
どれもおもしろい!!

「やべー!すげー!この人本物か?!」
「本物」がなにか、よくわかってないくせにそれっぽくつぶやいてしまう。

そして、「左ききのエレン」に出会ってしまう。

 

 


漫画作業中でも、cakesで連載されてるこの作品の更新をまだかまだかと待っている自分に気づく
「面白がって読む」読者から「ファン」に落とされたていた。

最近は漫画を「漫画を描く」ために読むようになっていた。
「こんな漫画が受けてるんだ・・・」
「こうゆうキャラが人気か・・・」などなど。

でも、この漫画はそういう意識をフッ飛ばしてくれた。

私の場合「ファン」になる漫画は「おもしろさ」の質が違う
「笑える」「感動する」おもしろさだけでなくはなく
「心臓をわしづかみにされる」何かが必要なのだ。



主人公は朝倉光一
高校時代はこんな感じ

 


世間を知らないくせに、自尊心だけは高い、ようは「あまちゃん」である。

私も20歳そこそこでデビューしたてのころは「いつか江口寿史さん」みたいになってやると本気で思ってた。

そんな彼に次々と辛辣な言葉が浴びせられる

同級生でもう一人の主人公「天才・左ききのエレン」から



彼は美術学校を卒業し、広告代理店に入社し、先輩から



痛い、痛い。

広告と漫画の違いはあるが
どれもデビュー前に編集さんから言われた言葉である。


「共感」というか・・・
自分の心に突き刺さった棘をさわられ「痛い」の通りこして
「痛気持ちいい」感じである。

作品の中にはもっと辛辣な言葉も多くでてくる
私はあまりの「痛気持ちよさ」に昇天し
にやにやしながら涙ぐむ。

なんで、こんなにすがすがしく気持ちよく読めるのだろうか?・・・・・と考えた。

私自身がM体質だというのもあるが

おそらく、かっぴーさんの「創作にたずさわる人達」に対する尊敬と深い愛情から成り立っている漫画なんだろうな・・・と。

だから厳しくても、悲しくても、さみしくても、その中にあたたかさがにじみ出いている。

私の心に深くしみ込んでくる。

かっぴーさんが描かずにはいられない「魂の作品」であることを強く感じ、自分の創作に対する姿勢を問い直してくれる。


ストーリーは
「凡人・光一」と
目が出ない画家の父が
自分の才能のせいで自殺したのではないかっというトラウマを持ち
絵が描けなくなった「天才・エレン」を軸に
過去と今をリンクしながら話は進む。
2人はお互い意識しながら、無意識のうちに影響しあい
周りの人と関わりながら少しづつ成長していく。


各回ごとの読書感は爽快で
特に13話目のラストの美しさはちょっと尋常ではないくらい感動してしまった。

蒸し暑い夏の夜に、暑さを忘れさせてくれる花火のように。

「光一」初めてが「エレン」の絵を観て今までの世界観が変わってしまった時のように。

 

本当は単行本化されてからレビューしたほうがよかったのでしょうが
あまりにもわたしにドンピシャ過ぎて、書きたい衝動が抑えきれませんでした。
一気読みおすすめです!!


漫画はcakesで連載中(第一話はこちらから読めます)
もうすぐ電子書籍化で発売です。

7月29日には
「snsポリス」、「おしゃ家ソムリエ おしゃ子!」は書籍化同時発売
只今予約受付中!!

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もうすぐ花火大会全盛、
ネットという大空にどれだけ楽しい花火を打ち上げてくれるのか、楽しみでしょうがない!
「夏だ!花火だ!かっぴーだ!」

 

「かっぴー」さんの夏が来る!!

そういえば。かっぴーさんの会社「なつやすみ」って会社だったっけ。




・・・さて私も花火しこまななきゃ。

 (画像はすべて『左ききのエレン』/かっぴー より引用)

 

タイトル
著者:かっぴー

 

 

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