前世って信じますか?生まれ変わりを信じていなくても読んでほしい輪廻転生感動スペクタクル『スピリットサークル』 水上悟志作品は隠れた王道少年漫画だ!

筧 将英2016年07月22日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スピリットサークル (1) (ヤングキングコミックス)
作者:水上悟志
出版社:少年画報社
発売日:2012-12-10
  • Amazon Kindle

いきなりですがあなたは生まれ変わりや前世って信じますか。私は信じていません。いや細かくいうと、あってもなくてもいいけど、覚えてないし関係ないよね、というタイプ。

レビューを書くにあたって、WEBで簡単に前世と来世が調べられるサービスがあったのでやってみたら、前世は「浅草観音の金魚すくいの金魚」で、来世は「冥王星人が地球に攻めてきたときに、命を懸けて世界を救う人」らしいです。全然興味ないですが、こうやって結果が出るとちょっと楽しいですね。ちょっとだけど。

今回紹介する『スピリットサークル』は輪廻転生を信じていても、信じていなくても読んでほしい作品です。あらすじは、 

中学2年生の桶屋 風太のクラスに転入生がやってきた。霊が視える風太は、転入生・石神 鉱子にイーストという背後霊が憑いていることに気づく。風太はイーストに話しかけないようにしていたが、その日の放課後、鉱子と別れる際にイーストに話しかけられ、つい返事をしてしまう。風太にイーストが視えていることに気づいた鉱子はそれまでと態度を一変、スピリットサークルで風太を殴りつけ、過去生を視させる。”(wikipediaより)

簡単に言うと、主人公の中学生の男女二人が呪われた因縁で結ばれてしまって、生まれ変わっても殺しあう関係になってしまっている、それを現代に生きている主人公が7回生まれ変わりを体験しながら、因縁を断ち切っていく、という物語。

主人公は7回の前世を体験する

主人公は現代にいながら、スピリットサークルという道具を使って7回自分の前世や来世を体験していきます。

現世は普通の中学生の男女。鉱子からいきなり嫌われる風太。

1回目の生まれ変わりは、靴屋の息子と神官。画像の女の子は彼女ですが、神官である鉱子に生贄として殺されます。

2回目の生まれ変わりは騎士と魔女。騎士は魔女を退治するために殺しますが、そのときに魔女から呪われます。

3回目の生まれ変わりは建築家と占い師。

4回目の生まれ変わりは領主の息子と幕府の使者。殺し合います。

5回目の生まれ変わりは未来の墓場施設の同僚。結婚もします。

6回目の生まれ変わりは男女が入れ替わる。

最後の生まれ変わりは死霊王と英雄。最後といっても前後関係はなく、事の発端(呪われた因縁)はこのときにつくられました。

主人公はそれぞれの人生を追体験していくわけですが、さまざまな伏線が隠されています。あそこで出てきた猫がここで出てくるとか、あの人はずっと酒飲んでるなとか。そんな中で読み進めていくと、いろんな人生が複雑に絡まりあっていくので、長い小説や海外ドラマをシーズン1から3まで見たくらいに内容が濃く感じます。全6巻なんですが、この内容を6巻に押し込めるものなんですね、、、

全て読み直した後に、最初の1話を読み直してみると「4年間連載してて最初の時点で最後まで考えてたのかよ。漫画家ってすごい。」ってなります(なりました)。

今関係性の深い人は、次の人生でも関係が深い、という考え方

この漫画を読んだあとに思った感想としては、「(子供いないけど)子供に読んでほしいなぁ」でした。小学校の道徳の授業とかで読ませてほしい。

主人公の風太と鉱子は7回の人生で立場が入れ替わって登場するのですが、それだけではなく、まわりの親や友人なども、立場が変わりますがずっと二人のそばにいます。現世では友人だった人が、他の人生ではや奴隷やアサシン、叔父などに登場するのですが、どの人生であっても、主人公の風太とは仲が良いのです。つまり、今の人生で仲の良い人は、前世や来世でも近くにいて仲がよいということです。

生まれ変わりや輪廻転生を信じていない私でもこの考え方はすごく好きです。小さいころに「友達には優しくしようね」ということを親や教師から言われるわけですが、子供心としては理由もなく言われるのは少し納得がいかなかったりします。そんなときにこの漫画を読んでみれば理屈は納得はできなかったとしても、気持ち的には納得できる部分はあるかもな、と思いました。

水上悟志作品は隠れた王道少年漫画だと思う

私は水上悟志さんの作品が大好きで、『スリピットサークル』は隠れた名作だと思っています。wikipediaなどでは『スピリットサークルは』青年漫画と書かれていますが王道の少年漫画だと思っていて、子供のころに読みたかったですね。もちろん大人になったときに読んでも面白いけれど。

今回紹介した『スピリットサークル』は2016年5月完結、同時期に連載していた『戦国妖狐』も2016年5月に完結したので、読んでいない方は水上作品の代表作の『惑星のさみだれ』と一緒に読むのがおすすめです。

『戦国妖狐』は、戦国時代の闇(あやかし)・武士の話ですが、サブキャラとして出てくる兵頭真介の成長と名言が逸品。『惑星のさみだれ』は、指輪の騎士が悪の魔法使いから地球を守る話ですが、裏側で『スピリットサークル』ともつながっています。

熱くて切なくて幸せな気持ちになれる漫画がお好きな方には、水上作品はおすすめです。

スピリットサークル (1) (ヤングキングコミックス)
作者:水上悟志
出版社:少年画報社
発売日:2012-12-10
  • Amazon Kindle
戦国妖狐 1 (コミックブレイド)
作者:水上悟志
出版社:マッグガーデン
発売日:
  • Amazon Kindle
惑星のさみだれ (1) (ヤングキングコミックス)
作者:水上悟志
出版社:少年画報社
発売日:2006-01-27
記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事