マンガ界の三ツ星かよ…ダークファンジーの皮をまとった骨太社会派ミステリ〜アクションとラブを添えて〜『デビルズライン』

佐藤 茜2016年07月25日 印刷向け表示
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デビルズライン(1) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2013-09-20
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 なんて一言で説明するのが難しい作品なんだろう!

ストーリーの要素が多い上、すべて極上で、それを料理する作者の腕も最高ときている。どこにスポットライトを当てても成り立っちゃうから、どう紹介していいのか悩んでしまう…。例えるなら、アルマスキャビアと白トリュフとフォアグラとA5熟成肉と鯛と純国産天然マグロとフカヒレとアワビ・ウニ・イクラが全部そろった料理があったらどうします?しかもそれぞれが殺し合うことなく素晴らしい一皿になってるんですよ?奇跡じゃない??

そんな天才シェフの最高の一皿といえるようなのが本作です。
こんな素晴らしい作品が1冊500円ちょいで味わえるなんて、サービスしすぎじゃあるまいか。

都会の喧騒の裏で連続発生する吸血殺人。ある日、恋愛に疎い大学院生・平つかさは、自分にじっと向けられた男の視線に気づく――。愛と欲望、暴力と献身が交錯するダークファンタジー
(『デビルズライン』花田陵(著)講談社 第1巻紹介文より抜粋)

ということで、古くはゲーテ『コリントの花嫁』やブラム・ストーカー『ドラキュラ』、今ではステファニー・メイヤー『トワイライト』などの吸血鬼ものの一つでもあります。実際、本作は「最強おすすめ漫画ランキングサイト コミラン」の「おすすめ「吸血鬼漫画」ランキング」の1位にも輝きました(ダークファンタジー)。

 
 

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 173〜174P

しかし、舞台は現代日本。単純な吸血鬼(作中では「鬼」として表記)=悪としての描かれ方はされておらず、吸血鬼の葛藤、人間との共存の難しさがリアリティを持って描かれています。吸血鬼への差別=自分と異なる種に対しての拒否反応とも読み解け、現実にも通じるものがあります。(骨太社会派)。

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 65〜66P

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 137P

ストーリーが進むごとに、人間と吸血鬼の問題は個人間のみならず、テロリスト、警察組織、国家などにも踏み込んでいきます。果たして、吸血鬼に絡む一連の事件の黒幕とその真の目的は何なのか。また、刑事・安斎の出生の秘密は何なのか。(ミステリ)。

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 2巻 48P

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 2巻 150P

更に、人間より高度の運動能力を持つとされる吸血鬼のバトルシーンや警察の銃撃、そして不意打ちの暴力シーンは少年誌ではできないほど容赦がなく、ワイヤーアクション+練度の高い殺陣を見ているような素晴らしい迫力です(アクション)。

ほかにも沢山あるのですが、極力ネタバレを控えるためこちらのシーンを抜粋しました。血は容赦なく出ます。血飛沫の参考に名探偵コナンを読む事もあるとか。『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 215P

そして、要所要所で挟まれる安斎とつかさの恋模様。じれじれとしつつ(コタツでまったりしたり)、ときに急展開(ベロチューしたり)してもう見ているこっちがジェットコースター。動機と息切れで救心が必要まったなしで、読んでてニヤニヤしちゃいます。(ラブ)。

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 42P

『デビルズライン』花田陵(著)講談社 1巻 112P

上記の要素は、あくまで私の独断と偏見で抽出したもの。他の方が読んだら、もっと食べどころが見つかると思います(というかもっと要素書きたかったんですが文字数が大変なことになったので削った)(脇役も悪役もすごくステキなんです…)(台詞まわしも本当にしびれるものばかりで…)。

現在は7巻まで刊行。
最新刊が出るたびに「メインディッシュきた!」と思ったら、次の巻が更に面白くなっている素晴らしさ。

次の皿はどうなるんだろう?
わくわくするお話。

オススメです。

(先生、コミックス発売ごとに、すてきな特典をいつもありがとうございます。毎回楽しみにしています。お身体、お大事になさってください)

本作の別レビューはこちら。
己のリビドーと吸血欲と戦うイケメンの姿がたまらん!『デビルズライン』
そう、イケメンがね…外見だけじゃくて中身までイケメンが多いのも本作の特徴でね…

 

デビルズライン(2) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2014-04-23
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デビルズライン(3) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2014-08-22
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デビルズライン(4) (モーニング KC)
作者:花田 陵
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デビルズライン(5) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2015-06-23
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デビルズライン(6) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2015-11-20
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デビルズライン(7) (モーニング KC)
作者:花田 陵
出版社:講談社
発売日:2016-04-22
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