ついに時代が追いついた!アナタの心のデスノートが暴かれる!!『秘密 ―THE TOP SECRET―』

中原 由梨2016年07月30日 印刷向け表示
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  『秘密-THE TOP SECRET-』のキーになる設定、<死んだ人の脳をスキャニングして、記憶を映像で映し出すことが出来る近未来>は、正直、あと数年のうちに現実になるだろうなぁと思ってました。そしたら、現実化の前に映画化決定!ついに時代がナイスなタイミングで清水玲子さんを見つけたー!しかも「るろ剣」の大友監督が見つけたーー!!と小躍りしたのはつい昨日の事。そしたら、もう来週8月6日に公開ですってよ!やばい、観なきゃ!!

 そもそも、原作者の清水玲子さんと言えば、『月の子』 『輝夜姫』などSFと少女漫画(そしてBLも…)を高いレベルで融合してエンタメに昇華させてきた、アラフォー女にとっては巨匠と呼びたい作家さんのひとりです。私は一人こっそり「マイケル・ベ●の某映画は、『輝夜姫』のパクリだ」と信じて疑っておりませんが、ハリウッドにパクられても納得するぐらいスケール感があるマンガを描く方です。

 『秘密-THE TOP SECRET-』は、死んだ人の脳をMRIスキャンで映像化し、解決が困難な殺人事件の捜査に役立てる警察の化学警察研究所、通称<第九>が舞台。主人公の青木は配属された第九で、部署を束ねる薪と出会います。そこで多くの猟奇殺人事件を捜査して…。

清水さんが描き出す物語は常にヘビーです。絵が少女漫画界でもトップクラスに美しいので、すらすら読んじゃいますが、描かれているのは目を背けたくなるような殺人事件です。だけど一番恐ろしい事は、マンガの中でも度々描かれますが、記憶は“感情”というフィルター(例えば、恋人同士だと彼氏が実物より二割増しに脳内変換される、など)を通すため、脳に残る記憶を映像化した時に、自分の感情フィルターまでもが他人に透けて見られてしまう事です。

脳が破壊されないと、本当の意味での<死>は訪れない…

物語では、その見えない「記憶」に振り回される人達も大勢登場します。「記憶」を逆手にとった犯罪も登場します。逆に、秘密を覗いてしまった人間もそれを一生口にできないというプレッシャーに苛まれます。まさに、人間の性(サガ)があぶりだされていきます。

言われたことは真実。でも残酷な真実
 

 

捜査に対して偏見もあります…

だけど。

消したいけど消えない、誤魔化したいけど誤魔化せない。ありのままで醜くて美しい嘘のない、裸の感情。たぶんそれが本当の“秘密”なんだと思います。

 そして、これは完全に私の好みですが、SFは男性作家よりも女性作家さんが描く物の方が好きです。なぜなら、女性作家さんの方が、登場人物の感情を主軸に物語をつむぐので、読んでいて感情移入がしやすいからです。ですので、SFマンガと聞くだけで苦手な印象を持つ方にこそ『秘密 ―THE TOP SECRET―』はオススメしたいです。

ちなみに…私は仕事で辛いことや悔しいことがあったりすると、心のデスノートにその名前を書いてすぐに忘れるので、記憶をみることができる未来がくると、デスノートを暴かれるので大変に!困ります。。。なぜならデスノートに名前を書いたことすら自分が覚えてないからです!!ほんと基本的に寝て忘れるタイプなので、本当はMRIスキャンで記憶を見ることができる未来はできれば来ないでほしい…。

(画像はすべて『秘密-THE TOP SECRET-』/清水玲子より引用)

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