朝食はプロテイン?日曜日は鍋??異端の食卓アンソロジー『漫画家ごはん日誌』

佐藤 茜2016年07月30日 印刷向け表示
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漫画家ごはん日誌 (フィールコミックス)
作者:はらぺこ編集部
出版社:祥伝社
発売日:2015-05-08
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食事に興味がない。
だが、好きな人が好む食事は、とても気になる。
ということで、マンガ家50名分の食卓事情がまとまった本作には、手を出さざるをえなかった。

『漫画家ごはん日誌』は、「フィール・ヤング」で連載されていた「ごはん」にまつわる1Pリレー漫画をまとめたものだ。参加者はなんと、総勢50名!マンガが好き(とくに女性)の方ならば、読んだ事のある作家が並ぶ。なんとも豪華な饗宴だ。

◆執筆陣(50音)◆阿仁谷ユイジ/阿弥陀しずく/安野モヨコ/いがわうみこ/いくえみ綾/池辺葵/伊藤理佐/岩岡ヒサエ/宇仁田ゆみ/えすとえむ/衿沢世衣子/おかざき真里/御徒町鳩/鴨居まさね/カラスヤサトシ/河内遙/楠田夏子/くらもちふさこ/黒娜さかき/小池田マヤ/サメマチオ/信濃川日出雄/四宮しの/志村志保子/志村貴子/ジョージ朝倉/高野雀/谷川史子/堤谷菜央/鳥野しの/西つるみ/二ノ宮知子/ねむようこ/野田彩子/のばらあいこ/長谷川スズ/秀良子/日生マユ/福満しげゆき/ふみふみこ/堀内三佳/町麻衣/三島衛里子/南Q太/都陽子/村上かつら/元町夏央/山崎童々/ヤマシタトモコ/山中ヒコ◆スペシャルインタビュー&対談◆許斐 剛(テニスの王子様)特別インタビュー! 羽海野チカ(3月のライオン)× 鳥野しの(オハナホロホロ)スペシャル対談。

そして、どの食卓もびっくりするほど内容が被らない。

 

  • 食卓の基本は鍋で年間とおして毎日曜日はほぼ鍋(ヤマシタトモコ)
  • 朝食はプロテイン(三島衛里子)
  • 料理しません(といいつつキャベツと豆が好き)(いくえみ綾)
  • くったりした麺が好きなので3分や5分などの待ち時間を守ったことがない(志村貴子)


ちょっとピックアップしただけでこれである。「突撃!隣の晩ごはん」でも毎回「えー!」と思うような展開になるが、それにしたって本作はバリエーションが多すぎるんじゃなかろうか…と思いながら読み込んでしまう。

そして読み進めるうちに、本作は、単純に食事風景が羅列されているわけではないことに気がつく。

育ってきた環境ゆえに求める味も決まった町麻衣(P63)
幼い頃の味に癒される志村志保子(P95)
 
環境の違いで新たな扉が開いた伊藤理佐(P33)
子供の頃の思い出を昇華した山中ヒコ(P43)

日本では、殆どの人間は生まれてから大体毎日3食を食べるのだから、ご飯の歴史=人生の歴史と言っても過言ではない。本作は、各作者の卓越した筆力によって、単なる変わった食事紹介マンガの枠とは一線を画し、マンガ家の方が「どう生きてきた」「こう生きている」までが描かれているエッセイなのだ。そう考えると、まだ知らない作者がいたとしても、本作を通して作風を知り、逆引き的に各作家の作品に手を伸ばせるということも、この本の醍醐味の1つである。

残念ながらAmazonレビューでは、「ちょっと高い」と言われてしまっている。しかし、食という、生きていく上でかかせない要素を多方面から見る機会はそうなく、本作を通すことで食に対しての価値観は間違いなく広がる。人生に影響を与える、という点を鑑みると、決して高すぎるとは思わない。そして、もちろん単純に面白いし、おいしそうだ!

オススメです。

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
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