「人を好きになる」ということの本質が絵描かれているマンガ『やがて君になる』

亀井 真美2016年08月03日 印刷向け表示
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人を好きになるということの本来の意味を私たちは忘れがちです。

時々「彼氏(彼女)が欲しい」という言葉を耳にします。正直、私も中高生の頃は声に出していました。若いですね。そしてなかなかイケメンな彼氏も短い間ですがいました。高校の入学式の翌日、隣の席にそのイケメンくんがいることに気付き、一目惚れをした私は猛アタックをかけました。入学式から1ヶ月も経たないうちに私から告白をし、見事付き合えることになったのですが3ヶ月ほどで別れてしまいました。最後のほうはなぜ付き合っているのか、本当に付き合っているのかが分からなくなっていました。ひどい話です。恋をしていたわけではなく、彼氏のいる自分を一刻も早く手に入れたかっただけだったのでしょう。

思い返すと一目惚れが多く、本当に人を好きになったことがないかもしれません。

仲谷鳰先生の『やがて君になる』も、人に恋する気持ちがわからない女の子の話です。

やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT)
作者:仲谷鳰
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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 高校1年生の主人公、小糸侑は恋する気持ちがわからず、中学の卒業式のあと同級生の男子からされた告白の返事をなかなか返せずにいました。周りが恋愛の話で盛り上がる一方、恋が出来ない自分に焦りを感じる侑。

そんな侑にも1人だけ理解者がいました。高校2年生で生徒会役員の七海燈子です。彼女もまた、誰に告白されても相手のことを好きになれないと言います。

自分と似ている七海燈子に侑は共感を覚えます。

はじめて自分のことを理解してくれる七海燈子から勇気をもらい、侑は同級生の男子の告白を電話口で断りました。

通話中、手を握り横から見守り続けてくれていた七海燈子から驚きの言葉を告げられます。

( ~仲谷鳰 『やがて君になる』1巻~より )

自分と同じだと思っていた七海燈子が侑に恋してしまうのです。

 

「百合好き」ということで軽い気持ちでこの作品を手にしましたが、好きな気持ちを見つめ直させられる深い作品でした。好きになった人が同性というのはなかなか修羅の道ですが、だからこそ本当に好きだということも伝わります。百合もBLも”性別を超えた恋愛”などと言われますが、むしろ性別を超えているのは異性愛のほうで、かつその恋心は錯覚かもしれません。今一度自分の恋心を確認してみてください。

『やがて君になる』は2巻も絶賛発売中です。

やがて君になる (2) (電撃コミックスNEXT)
作者:仲谷鳰
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日:2016-04-26
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 まだまだ2人の物語は続きますので、気になった方はこの機会にぜひ読んでみることをオススメします。

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