妻が立ちション。その時夫は…!? 
クリスタルな洋介「おとこのこ妻」

杉田 千種2016年08月03日 印刷向け表示
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 あまりにサラっと始まっていた衝撃的なウェブ漫画!

 
7月13日にオープンしたばかりの少年サンデーのウェブ漫画サイト「サンデーうぇぶり」
 
 
このサイトにおいて、異彩を放ち、かつ話題沸騰中となっている作品が、クリスタルな洋介『おとこのこ妻』である。
サンデーうぇぶり「おとこのこ妻」トップページより   
 
奥様ユキはおとこのこ、作中では「おとこのこ」というひらがなが使われているが、この文字の示すところは、おそらく「男の娘(おとこのこ)」であろう。そして旦那様のコウはシンプルな(?)男性である。
 
サンデーうぇぶりの作品紹介ページの言葉を、ここに引用したい。
奥さまの名前はユキ。そしてダンナさまの名前はコウ。 ごく普通の二人はごく普通の恋をし、ごく普通の結婚生活を送っております。 でも、ただ一つ違っていたのは…奥さまはおとこのこなのです。
 
同性同士の恋愛は、日本の漫画界においては、どちらかというと、トラディショナルな題材といえる。つまり、それ自体の目新しさはない。しかしこの作品には、間違いなくある新しさがある。
 

立ちションする妻を受け入れる夫。

 
たとえば連載第1回、2ページ目にして、本作は衝撃の展開を迎えるのだ。
 
 
サンデーうぇぶり「おとこのこ妻」より
 
 
↑なんと、ユキはご覧のとおりの立ちション姿を披露。そして、そんな彼女に対する周りの反応への夫の対応がじつに奮っている。これはぜひ本作をお読みいただきたい。
 

恋愛のピークが過ぎた後、人はどうやって愛し合っていくのか。

 
 
作者・クリスタルな洋介氏は本作にこんなコメントを寄せている。
かけがえの無い相手が、たまたま同性だっただけ。という日常漫画です。
 

漫画のなかに描かれるふたりの関係性は、なかなかイチャイチャとしたものだが、その毎日は淡々と進んでいく。
 
ユキとコウはカップルではなく、夫婦という関係性である。2016年8月現在、法律上、日本で同性同士の婚姻は認められていないから、事実婚、ということだろう。けれどふたりはカップルでいることではなく、夫婦でいることを選んでいる。
 
だからイチャついているとはいえ、ふたりにとって、恋愛のピークは過ぎてしまっているものと推察する。おそらくはだからこそ、立ちション姿が描かれた。結婚生活とは、往々にしてそういうものだ。
 
たとえば結婚に向いているのは、元気な時ではなく、具合が悪い時にこそ一緒にいて楽な人だ。何でもない日にどんな食事を作るか。トイレに行くとき、どんな会話をするか。どちらかがマイナスな感情を向けられた時、どうやって応対するか――夫婦の真実は、そういうところに宿る。
 
たまたま大切な相手が同性だったという偶然と綺麗ではないところも含めたふつうの生活。この二つの掛け算が、「おとこのこ妻」の読み口の新鮮さを生み出している。
 
この、不倫にやけに風当たりの強くなった世の中で。時には味気なく淡々と過ぎていく夫婦の日常を愛するヒントが、この漫画に隠されているような気がしてならない。

 ↓クリスタルな洋介さんが現在同時に連載中のもう一つの夫婦のおはなしもオススメです!

お酒は夫婦になってから 1 (ビッグコミックススペシャル)
作者:クリスタルな 洋介
出版社:小学館
発売日:2015-10-09
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