「私の年収低すぎ!」と思って転職しようとしているあなたにささげる、仕事選びに失敗しないための予防薬『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝』

岡田 篤宜2016年08月06日 印刷向け表示
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エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(1) (モーニング KC)
作者:三田 紀房
出版社:講談社
発売日:2008-01-23
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 突然ですがみなさんにお聞きしたいことがあります。みなさんは自分の「仕事」が好きですか?やっている仕事に誇りを持てていますか?組織から十分な評価をもらっていますか?置かれている労働環境に納得していますか?

 「楽しい」とか「充実してる!」と感じる人達がいる一方で、おそらく自分のしている仕事や受けている評価などに今現在、疑問を感じている人もいると思います。また、もしかしたら自分の置かれている労働環境そのものに疑いの目を向けている人もいるでしょう。そういう方たちのなかには、今いる企業で働き続けるよりも、別の企業に移って再スタートを切りたいと考える人もいるはずです。いわゆる「転職活動」をしようと思うのではないでしょうか。

ただし、ここは注意点があります。たとえば、皆さんが転職活動して、その際「キャリアアップ」しようと考えているのなら、その行為がまず「難しいもの」であることを知っておくべきです。なぜなら、日本の転職のシステムがそもそもキャリアアップを想定して出来上がっていないからです。したがって、転職するかよく吟味したうえで本当に行動に移すか考えるべきでしょう。

ですので、これから本気で動こうか悩んでいる方に向けて、ここではまず『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』を読むことをオススメしようと思います。このマンガには転職活動をする上で欠かせない考え方が非常に多く詰まっています。今回はその一部をいくつかご紹介して、今後の活動にぜひ役立ててください。

その前にあらすじを簡単にご紹介します!

龍山高校で英語教師をしていた井野真々子は、教師としての成果を挙げながらも教師でいることに飽きてしまい、転職を決意する。そんな時、桜木が主催するビジネスセミナーの会場で、桜木に"転職代理人"・海老沢康生を紹介される。「人の価値は相場で決まる」「30過ぎたら利息で暮らせ」などの海老沢や桜木のアドバイスを受け、教師を続ける事を決意しかかっていた井野だったが、海老沢の勧めで海老沢が所属している転職サポート会社・ライフパートナーに転職する。
井野は海老沢直属の部下となり、海老沢や桜木が極秘裏に進める「日本支配計画」に巻き込まれながらも、キャリアパートナーとして日々奮闘していくことになる。

1. あなたの価値を決めるのはあなたじゃない。「相場」だ!

 

今すぐにでも転職したい!って考えているそこのあなた!いったん落ち着いてみてください。今のまま外に飛び出して、本当に自分の望む職につけると考えていますか?たとえあなたが転職しようとしても、あなたの価値が相場に認めてくれなければ思うような転職はできません。それは『エンゼルバンク』の海老沢もそう言っています。

 

 

 

「ぼくのやりたい仕事はもっと他にある!」って考えていたり、「今の仕事から学ぶものがなくなっちゃったなあ」と思って衝動的に転職活動を始めても、そうそううまくいきません。まず企業があなたのことを「評価する」とは限らないからです。


たとえば、転職活動をする際、以前の勤め先での年収を聞かれることがよくあります。そして、自分の年収が1千万を超えていれば引く手あまた、500万未満な感じだと応募できる求人に限りがある。そういう「現実」が転職には存在しています。年収をいくらもらっているかというあなたの「相場」を見て、企業があなたのことを判断している一例です。


なので、失敗しない転職活動をするには「評価」をしっかりとしてもらう必要があります。そして評価してもらうには、実績を積まなければなりません。それこそ、今いる企業から「いなくならないでほしい」と言われるくらい、成果を上げ、スキルを身につける。そうすることではじめて「相場」からの評価も得られるのです。結局、今いる場所でしっかりとキャリアを積むことが大事になるのです。
 

2.転職はリセットではない。チューニングだ!

 

よく転職活動をすることを、人生のリセットだと考えている人がいます。前の会社では給与面が不満だったから、次はもっと給与の高いところにしようとか、残業が多すぎて嫌だったから、残業少ないところに移ろうとか、あれもこれもと欲張って、結局今よりすべて好待遇な場所に移ろうと考える。


しかし、そんなことはまず出来ません。なぜなら、日本での転職は、今いる環境と同じかそれ以下の企業に移れないようになっているからです。その理由もずばり「相場」が関係しています。起業をすることやコネを除いて、相場が下した評価にのっとった転職しか、日本のサラリーマンは基本的にできないのです。
 

 

だからこそ、もし転職をする際は何を重視し、何を諦めるかよく考える必要があります。それをよく見極めたうえで、行動に移すことを考えることをオススメします。

 

3. 転職をするなら「32」までにしておけ!

今、実際に人材の会社で働いていて感じるのは「35を過ぎると紹介できる案件が減る」ということです。今取引している企業の担当者の中には「36以上は紹介しないでくれ」と言ってくる企業もあるほどです。年齢というファクターは転職においてかなり大きな要因になっています。
作中でも、海老沢は年齢のことについて触れているシーンが有ります。

 

改めて言いますと、日本の転職活動は「相場」がものを言う活動です。次の会社に移るときは今自分がもらっている年収が転職時の1つの基準になります。したがって、今もらっている年収より高いところに行くよりも、同じくらいのところもしくは低いところに行くことのほうが多くなります。なので、年収および生涯年収は下がることが多くなります。つまり、ただお金が欲しくて働くだけなら、転職なんてしないほうが良いのです。


それでも転職するのなら、若い20代もしくは30代前半にしておくべきです。新しい知識を得ることに抵抗が少なく、環境に順応できる柔軟性を持っている若い世代なら、企業はそれだけで評価してくれます。可能性に期待してくれるのです。チャレンジをしたいと考えている人は早めに準備をして望んだほうがいいですね。
 

転職をする意味

私たちの生活に「仕事」は欠かせないものだと思います。仕事がなければお金を稼ぐ事ができませんし、色々な人たちとつながりを持つことも難しいです。誰かとつながらなければ、自分が暮らしていくために必要なものを手に入れることも難しくなっていきます。だからこそ、仕事は私たちに欠かせないものです。


ただ、そのなかで、本意でない仕事をしながら毎日を過ごしている人もいるでしょう。たとえば、就職活動の時に希望通りの企業へ就職できず、いまなお思いをくすぶらせて生きている人や、「ここだ!」と思って入った企業が全然イメージと違っていてギャップに苦しんでいるような人のことです。こういう人たちは、おそらく今までで一度くらいは「転職」ということについて考えたことがあるのではないでしょうか。


本意でないとわかりつつ、ずっと耐え続けてキャリアを積むのも一つの道です。そのほうが生涯年収も高くなる傾向にあるのは、作中でも語られていることです。ただし、その際は、その人にとって「仕事」とは、「働く」とはなにかを考えた時、そこに居続けることが本当に正解だと思えるのか、自分で考えなければならないと思います。なぜなら、結局のところ「自分」が納得できなければ、仕事はただつらいだけの「作業」になってしまうからです。


自分が納得した仕事をできるようになるには、なかなかどうしてうまくいかないこともあります。そのために転職という選択肢を用いて、自分も見つめなおすのも良い選択ではあるでしょう。ただし、転職は自分の努力してきた証を相対評価され、価値を判断されることでもあります。そこに妥協も容赦もありません。ただ「査定」されるだけの世界です。


転職をすることは全く問題ありません。むしろ、本当に自分に合わない仕事ならば、直ぐにやめてほかを探すべきだと思います。ただ、このとき忘れてはいけないのは、あなたが本当はどこに行きたいかのビジョンを明確に持って望むことではないでしょうか。これがないと結局目的がふわふわした転職活動になり、活動も成功しづらくなってしまいます。転職活動をする際は、自分の未来像を明確に持ち、知識をしっかり蓄えたうえで臨みたいものですね。

(画像はすべて『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝』から引用)

 

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(2) (モーニング KC)
作者:三田 紀房
出版社:講談社
発売日:2008-04-23
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