この世は不公平でいつも孤独だった。いっそあの子になってしまいたい『ぼくは麻理のなか』

KOTONO2016年08月16日 印刷向け表示
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世の中不公平ですよね。特に見た目の優劣で人生って大きく変わると思うんです!
よく言われるんですよ、私の顔は”中の中”って。
私だってミランダカーみたいにかわいくスタイル抜群に生まれたかった!
そしたら学生時代も楽しく、今年だって自信をもって海に行けたのに。。。

 誰しも1度は「生まれ変わったら何になりたい?」とか
「1日からだが入れ替わるとしたら誰になりたい?」とかって想像したことありますよね。

もしみなさんが、ある日目が覚めると自分じゃない誰かになっていたとしたらどうしますか?

ぼくは麻理のなか(1) (アクションコミックス)
作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2012-12-07
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  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
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主人公は小森功(こもりいさお)、大学2年生。

(ぼくは麻里のなかより)

上京したらきっと新しい友達がたくさんできて、
新し街で色んな出会いがあって恋なんかもして・・・
でもそんな彼の予想通りにはいかず、友達すらもできずに
気付いたら学校に行けなくなっていました。

そんな彼の唯一の楽しみといえば、夜のコンビニに行くと
いつも同じ時間にやってくる可愛い女子高生を待ち伏せること。

・・・きた  コンビニの天使・・・

(ぼくは麻里のなかより)

小森は彼女の後を家までつけていくのが日課です。
・・・完全にただのストーカーです。

この日もいつものようにコンビニに行き、女子高生の後をつけていると
突然彼女が振り返り目が合ってしまいました。
次の瞬間意識が遠のき、目が覚めると知らない部屋で寝ていました。
眼鏡がないはずなのによく見える。
というかここはどこだろう。。。?置いてあった鏡を見てみると、

(ぼくは麻里のなかより)

こちらがコンビニの天使こと吉崎麻理(よしざきまり)さん。
確かにかわいいです。

なんと目が覚めるとストーカーまでしてしまうほど思いを寄せている
女子高生本人に自分がなっていたのです!

ここまで読んでいただくと「あ、身体が入れ替わる系のやつねw」
と思われるかもしれないがそれは違うのです!!
「きみの名は。」ではないのです!

入れ替わりストーリーの醍醐味は、入れ替わったもの同士が
お互いどうやったら元に戻れるかを模索しながら絆が深まっていったり、
考え方が変わったり、恋愛に発展したりするところだと思います。

しかし麻理さんになってしまった小森が、自分の体(小森)に会いに行くと
その中に麻理さんはいなかったのです!!!
いったい麻理さんはどこに行ってしまったのか、自分はいったいなんなのか…

最初にも申し上げた通り誰しも1度は考えたことがありますよね。
好きな子に入れ替わってみたいとか、1日芸能人になって生活してみたいとか。
でももし入れ替わった後、元に戻れなかったらどうしますか?

自分がなってみたいと願うような、望んだ相手だったらいいこともあるかもしれないけど
誰だかわからない人だったらこの先どうしていけばいいのか正直考えただけで怖くなります。

小森も最初は自分のつまらない人生から抜け出せた
しかも天使とまで崇拝していた麻理さんになれたことを喜びます。

しかし本物の麻理がどこかに消えてしまった。。。
共有できないことがどれほど孤独かということを思い知ります。
小森自身の孤独、麻理さん自身の孤独。
独特の世界観と現実味のあるキャラクターで描き上げる押見ワールドの虜になる作品です。

誰かとつながりを感じられなくなった時、自分を見失ったとき
そんな世界でもあなたは生き抜くことができますか??


押見さんの作品が大好きで毎回新巻を楽しみにしている私。
とにかく発想が素敵で、作品ひとつひとつのテーマが凄いなと感心させられます。
しかし取り扱う題材があまりにも斬新かつ壮大なので
話がまとまりきらずに終わってしまった作品があったと感じることもありました。
disではありません!もっと読んでいたい!もっと描いてほしかった!
と思わせてくれる作品ばかりなのです。

ぼくは麻理のなかの巻数が進むごとにどんどん引き込まれると同時に
終わってほしくない!っていうかこんな面白いところから終われるの!?
とわくわくが止まりませんでした!

しかしさすが押見さんです!最終巻を読み終わったとき
押見ファンは誰もが思ったでしょう。

”そうキタかーーーーー!!!!(納得)

しっくりくる終わりを迎えるってこんなにも気持ちいいんですね!
いい意味で読者の期待を裏切りつつしっかりとまとめらた内容に拍手しかありませんでした。
欲を言えば麻理の生い立ち編なども詳しく別冊であっても嬉しいです!!
 

ぼくは麻理のなか(2) (アクションコミックス)

作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2013-08-09
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ぼくは麻理のなか(3) (アクションコミックス)
作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2014-06-09
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ぼくは麻理のなか(4) (アクションコミックス)
作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2014-11-28
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ぼくは麻理のなか(5) (アクションコミックス)

作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2015-03-27
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ぼくは麻理のなか(6) (アクションコミックス)
作者:押見修造
出版社:双葉社
発売日:2015-08-10
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ぼくは麻理のなか(7) (アクションコミックス)
作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2015-12-09
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ぼくは麻理のなか(8) (アクションコミックス)

作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2016-05-09
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ぼくは麻理のなか(9) (アクションコミックス)
作者:押見 修造
出版社:双葉社
発売日:2016-09-28
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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