体操・内村航平が小学校時代にむさぼり読んだ体操マンガ『ガンバ!Fly high』 体操競技に学ぶ「"スペシャリスト"と"ジェネラリスト"」

筧 将英2016年08月12日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

体操男子団体・体操個人総合内村選手、金メダルおめでとう!

リアルタイムで見れなかったんですが、ニュースや動画で見て、興奮しました。内村選手すごい。あと白井選手かわいい。これはあのマンガを紹介するしかない!と思いまして、今回紹介するのは体操マンガ『ガンバ!Fly high』です。アニメ化もしていたので、知ってる!懐かしい!という30代も多いはず。

実は、このマンガは内村航平選手のバイブル。

内村は、小学校時代にむさぼり読んだ。「あの漫画に影響されたのが大きい」。共通しているのは、天才的な空中感覚だ。藤巻は、他選手が技を演じている最中の視界を想像できる。内村は「中学の時に、漫画をイメージしてみた」ことで、演じている最中の景色がすべて見えるという。”
(出典:内村バイブルの体操マンガが復活 - スポーツニュース : nikkansports.com)

ガンバ!Fly highの主人公である藤巻駿は選手の演技中の視界が見える才能の持ち主で、内村選手も強い影響を受けたと言う。”
(出典:内村航平 ガンバ 漫画を読んで金メダリストへ)

僕はスラムダンクでバスケ部にはいったクチなんですが、内村選手もマンガに影響を受けていたんですね。

森末さん監修の体操マンガ

原作はロサンゼルスオリンピックの金メダリストである森末慎二さん。昔はテレビ番組に出ていたんですが最近お見かけすることないですね。「くらしあんしんクラシアン」のイメージが強いんですが、本当にすごいお方。

しかも、『ガンバ!Fly high』は森末さんが体操界の人気低迷を危惧して企画して実現したマンガ。そのマンガを読んだ内村選手が金メダルを獲るなんて凄すぎますね。

1994年(平成6年)、連載開始当時の日本の体操界は、具志堅幸司・森末慎二の現役引退後の低迷が体操人気にも大きな影響を与え、競技人口が減っていく悪循環に陥っていた。その事態を危惧した森末が、自らの漫画原作を企画し、芸能界の師匠で所属事務所の大先輩である萩本欽一に相談。萩本と親交の深い編集者の島崎保久が元勤務先である小学館へ引き合わせ、「週刊少年サンデー」での連載が決定した。「漫画を読んで育った少年達から将来のメダリストが産まれてくれればいい」という当初の森末の願いはやがて現実のものとなる。(wikipedia)

森末さん監修のわかりやすい解説

体操選手が監修をしているだけあって、初心者でも体操のことがわかりやすく解説されています。主人公の藤巻駿は素人の状態で体操部に入部するわけですが、逆立ち→バク転→鉄棒とひとつずつ覚えていきますが、その解説も図示されていてわかりやすい。

 逆立ちの解説。お腹を壁に向けて練習するのはこのマンガで知りました。

バク転の解説。指先を内側を向けないと脱臼します。

鉄棒は三角形を意識してまわるらしいです。

自分でやってみることはないと思いますが、テレビなどで、体操の競技を見るときの視点も変わります。
 

"スペシャリスト"か"ジェネラリスト"か

レビューを書くために再度読み直してみましてが、大人になって読んでみると「”スペシャリスト”か”ジェネラリスト”か」ということを考えさせられました。

体操競技では、個人総合というすべての種目の合計で競うものもあれば、鉄棒だけや床だけで競うものもあります。一般的にいえば個人総合に出場するのがオールラウンダーのジェネラリスト、個々の競技に出る人はスペシャリストということなんだと思います。

職業人としての視点としてみると、基本的には、何かの領域のスペシャリストになり、そこから領域を広げていくT型人材が良いとされていますが、その考え方で生じてくる悩みとして、「なかなか得意な領域を見つけられずにスペシャリストにもなれないから、なんとなくジェネラリストになってしまう」ということがあります。

このマンガをその視点で見ると読み方が変わります。ゆかも鉄棒も得意な真田。

筋肉を活かして、ゆかが得意な東。

跳馬が得な内田。

それに対して、キャプテンの新堂はすべての種目をがんばれと言われます。

ジェネラリストとして平均的に得点を取れと言われた新堂キャプテン。ここから苦悩が始まります。

東のような力技は自分にはできないという新堂。

女子部員の才能に嫉妬する新堂。

後輩が新技を身につけて焦る新堂。

焦ってしまった新堂は、不注意で怪我をしてしまいます。

キャプテンとしての自信もなくて、怪我をして大会にも出れなくなり部活をやめようとします。ここでも新堂は心配してくれる女子部員の才能に嫉妬。かっこ悪い。

「あれ、なんか女子部員といい感じじゃん」ということは置いておいて、「スペシャリストばかり存在する体操部の中でジェネラリストである新堂がどのように考えて成長していくのか」ということが、このマンガの違う視点からの読み方です。

最終的に新堂はどうなっていくのか、どう自分のコンプレックスと向き合っていくのかについては、読んで確かめてみてください。

 

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

HONZ会員登録はこちら

人気記事