【夏休み浮かれすぎ注意】ここで、ハメを外して闇堕ちした人々の末路を見てみましょう『新宿スワン』

小禄 卓也2016年08月22日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
新宿スワン(1) (ヤンマガKCスペシャル)
作者:和久井 健
出版社:講談社
発売日:2005-09-06
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • 漫画全巻.com

アングラ系のマンガが好きだ。一度も道を外れることなくすくすくと育った僕にとって、リアルにヤクザや水商売、闇組織とのつながりは一切ないのだが、マンガを通して彼らと人一倍対話してきた自負はある。

マフィアを巻き込んだ抗争があったり、突然部屋に傷だらけの女の子が上がってきたり、僕の穏やかな日常に非日常的な刺激を与えてくれるアングラマンガ。人生で一度は大阪環状線で北浜180(大坂環状線の北浜コーナーを時速180kmで走り切ること)に挑戦してみたかったし(『なにわ友あれ』)、地元最強と言われる孤独で影のある男と河川敷でタイマン張ってみたかった(『クローズ』)。生まれ変わったらヤクザに売り飛ばされそうな女の子を助ける殺し屋になりたい(『ザ・ファブル』)。

そんな、読んだ後にちょっと悪い世界にいる自分をシミュレーションさせてくれる愛すべきアングラマンガたちだが、時々他人事とは思えない場面に出くわすことがある。僕にとって『新宿スワン』は、そういうマンガだ。

『新宿スワン』では、田舎から上京してきた曲がったことが大嫌いな白鳥龍彦(タチュヒコ)が、スカウト会社バーストのスカウトマンとなり裏社会の不条理と闘いながら成長していく。多くはタチュヒコの真っ直ぐな気持ちにほだされて心を入れ替えるのだが、中には後戻りできずそのまま堕ちてしまう人も少なくない。

そこで今回は、「夏休みに羽目をはずしちゃってうっかり裏社会に片足を突っ込んでしまった」なんてことが起きないように、『新宿スワン』で闇堕ちしてバッドエンドを迎えた登場人物たちの末路を闇堕ちBefore/Afterとして紹介したい。こういう人たちにはなりたくないな、と反面教師として参考にして見るも良し、近くに心配な友だちがいないか見るも良し。良い子のみんなは、決してドラッグや違法な商売、怖いお兄さんたちに手を出すなよ!

南ヒデヨシさん(スカウト)の場合

主人公(写真左下)とかつて同級生だったスカウト、南ヒデヨシさんの闇堕ちBefore(写真上)(『新宿スワン』より)

最初に取り上げるのは、主人公のタツヒコと同僚のスカウト南ヒデヨシさん。プライドが高く負けず嫌いな性格で、「20人の女性をスカウトした社員を無条件に幹部昇格させる」という特例が社長から降りてきた際には、なりふり構わず条件をクリア。誰よりも早く幹部昇格を決めるような人間だ。

そんな彼が、スカウト会社の中でタブー視されていたシャブの売買に手を出し、あらゆる悪事を働いた結果、残念な末路をたどります。それが次の写真。

あのギラギラしていた闇堕ちafterヒデヨシさん。悪行がバレてしまいこんな姿に……(『新宿スワン』より)

タチュヒコにボッコボコにされて白目を剥いてしまいます。

そして、電車のホームで線路に突き落とされます。

再起を誓ったその直後……(『新宿スワン』より)

この最期はかわいそうだったが、悪事に手を染めてしまうと取り返しのつかないことになってしまうという良い例である。みなさんも気をつけよう。

アゲハさん(源氏名・風俗嬢)の場合

笑顔がステキなアゲハさん(闇堕ちbefore)には、主人公もメロメロ(『新宿スワン』より)

続いてご紹介するのは、風俗嬢のアゲハさん。笑顔がステキな彼女だが、風俗嬢として知らないオジサンと性的な行為を行う現実から逃れるために覚せい剤に手を出してしまう。そして、その成れの果てがこちら。

包丁で誰か刺しちゃったアゲハさん(闇堕ちafter)。ワケありにも程がある(『新宿スワン』より)

警察のポスターに使えそうな感じになってしまった。クスリ、あかん。というキャッチコピーが似合う程に堕ちてしまったアゲハさん。クスリに頼る前に、周りに頼れる人を作りたいものだ。

牛尾さん(スカウトマン→闇金オーナー)の場合

次はこちら。

闇堕ちBeforeのイケメン牛尾さん(『新宿スワン』より)

主人公と同じスカウト会社の幹部として活躍していた牛尾さん。一度バーストを辞めるも出戻り組として幅を利かせるこの男は、闇金のオーナーとして暗躍していた。異常なまでの金の執着と上昇志向が仇となり、闇に堕ちてしまう。

闇堕ちafterの牛尾さん。これ以上ないくらい悪い顔をしておられる。(『新宿スワン』より)

あっこの人悪い顔してる。そう思わせるのに十分な顔を見せた牛尾さん。これには小日向文世もびっくりである。そしてその直後、彼を悲劇が襲った。

タチュヒコに向けられた卑しさたっぷりの目が印象的な闇堕ちafter牛尾さん(『新宿スワン』より)

タイーホ。完全にアウト。ドンマイ牛尾さん。彼はその後逮捕され、刑務所で改心する。

城田咲さん(ホスト)の場合

お次はこちら。

人気ホストクラブで堂々のナンバーワンを張るのは、闇堕ちBeforeの城田さん(『新宿スワン』より)

城田咲さんは、クラブナンバーワンのホスト。華やかな世界で1年間もナンバーワンをキープし続けてきた彼。テレビに出るほどの人気者だ。

ホストというのは、太客(毎回指名してくれて一晩で大金を落としてくれる顧客のこと)を取ってなんぼの世界。彼には社長令嬢の恵さんが太客でおり、ナンバーワンを支え続けてきた。しかし、実は彼女はお金持ちではなくただの銀行の一般事務で、その銀行のお金を横領していただけだった。城田の期待に応えたい一心で騙し続けてきたが、タチュヒコとの出会いを経て彼女は心を入れ替える。

そして、太客を失った城田さんは闇へ堕ちてしまう。その表情がこちらだ。

ただのヤバいやつになってしまった闇堕ちafter城田さん(『新宿スワン』より)

これはアカン。右手を顔に添えてカッコつけていた城田さんの面影もなくなってしまった……。人間、ちゃんと努力をして正直に行きないとダメだなぁと痛感させられる。

滝マサキさん(スカウト会社社長)の場合

最後はこちら。横浜のスカウト会社ウィザード社長の滝マサキさん。

横浜で敵なしのタキ王国を築き上げる闇堕ちBeforeの滝さん(『新宿スワン』より)

 悪そうというか、強そうというか。個人的に『新宿スワン』でも好きなキャラだった滝さん。いい人なのか極悪人なのか、なかなか食えない人物であったが、大都市横浜の夜の世界を牛耳るためには警察にもヤクザにも迎合する男。目的達成のためにあらゆる悪事を働いてきた滝さんだが、悪いことを続けてきた代償を払う時が来てしまう。

ヤクザにかわいがられ、奥歯が亡くなってしまった闇堕ちafter滝さん(『新宿スワン』より)

奥歯なんてぜーんぶねえ!!このセリフだけで滝さんがここまで上り詰めるためにどれほどの痛みと苦しみを味わってきたのかが伝わってくる。そして最後には……。

下にクシャッとなってるのが闇堕ちafter滝さん(『新宿スワン』より)

苦しみから解放されるかのように、最後は自ら命を断ってしまう。悲しき男の最期であった。

悪いことをしたら必ず相応の代償が返ってくる

世の中、いたるところに闇への入口がある。その闇への扉は、ほんの些細なできごとで開かれる。気づかぬうちに闇の世界に足を踏み入れ、気がつけば後戻りできないほどに侵食されてしまう。

昔のワイドショーなんかでは、「最初はぁ〜 遊びだったんだけどぉ〜」と顔にモザイクがかかった人が音声を変えてしゃべっていたのをよく観たものだ。遊びだろうが軽い気持ちだろうが、悪いことをしたら自分に返ってくるんだと改めて感じさせられた。

夜遊びのために繁華街に繰り出したり、ちょっと遠出したりする人も多い夏の時期。最後に、『新宿スワン』で一番男前な関玄介さんがシャブに手を出した女性に放ったセリフを紹介して終わりたい。

関さんカッコよすぎる(『新宿スワン』より)

以上、悪そうなことは大体マンガから学んだ小禄でした。

新宿スワン(1) (ヤンマガKCスペシャル)
作者:和久井 健
出版社:講談社
発売日:2005-09-06
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • 漫画全巻.com
ザ・ファブル(1) (ヤングマガジンコミックス)
作者:南勝久
出版社:講談社
発売日:2015-03-06
  • Amazon Kindle
なにわ友あれ(1) (ヤングマガジンコミックス)
作者:南勝久
出版社:講談社
発売日:2007-08-06
  • Amazon Kindle

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事