あの巨匠が「ガルパン」イラストを描く!? 池上遼一先生に学ぶ漫画術『池上遼一 ワイルド&ビューティーの描き方』

宮原 沙紀2016年08月28日 印刷向け表示
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漫画家が漫画を描く工程が見られることで人気の「漫勉」。いつも読んでいる身近な漫画でも、その作品が生み出される工程は、全然知らなかったという人は多いと思います。漫画家が漫画を描く仕事場に密着して、紙の上に次々と人物やストーリーが生まれていく様子を追った、大人気テレビシリーズのシーズン3が9月15日から放送されます。

新シーズンの第一回目に登場するのは池上遼一先生!

1961年のデビューから「男組」(原作・雁屋晢)「サンクチュアリ」(原作・史村翔)などのヒット作を次々に生み出し、現在はビックコミックスペリオールに山本英夫先生原作の「アダムとイブ」を連載中という、ずっと漫画界の第一線を走り続けている方です。最新作「アダムとイブ」では原作者の山本英夫先生の作り出す世界観が、華麗で力強い劇画調の池上先生の絵によって、さらに不思議で独特なものになっています。この二人のタッグに最初は驚きました。しかし話が進んでいくにつれ、どんどん引き込まれていきます。池上先生と山本先生が二人で作り上げている唯一無二の作品に興奮中の人は大勢いると思います。

池上先生が描く人物は色気があり、美しく、一度目を合わせると逸らすことができないような吸引力を持っています。そんな池上先生に漫画テクニックを学ぶという夢のような本が刊行されていたのです。

『プロのマンガテクニック 池上遼一 ワイルド&ビューティーの描き方』

 この本には作画のテクニックが詳しく解説されていたり、演出術を公開していたり、漫画を描きたい、うまくなりたいと思っている方にお勧めなのはもちろんなのですが、画集としても楽しめます。ここまで力のある美しい絵をカラーで眺められるのは、池上先生の絵が好きな人、漫画ラバーたちも垂涎なのではないでしょうか。

こんなに細かく技法が解説されている!


先生の描く女性の美しさ、妖艶さは、罪深いほど人を惹きつけます。
生まれ変わったら池上先生が描くような女性になりたい…。


「目」の描き方だけで感情を表し、老若男女を描きわける。
顔のパーツひとつとってもこのこだわりです。

 

そして、池上先生の描く「ガールズ&パンツァー」のイラストもみられます!

池上先生にかかれば萌え絵もこんなにカッコよく!女の子たちの可愛らしさはそのままに、池上タッチで表現されています。

なんでも池上先生は「ガルパン」にはまり、萌え絵の作画テクニックもとりいれ、コラボレーションが実現しました。作中でも他ジャンルに影響を受けることの大事さが書かれています。常に新しいものに触れて、学び、自身もバージョンアップしていく姿勢に、巨匠が巨匠である理由が少しわかった気がしました。

漫画って視覚で楽しむ芸術でもあり、ストーリーを追うエンターテイメントでもあり、平面で見ているのに映画的な要素もあり、様々な要素が絡み合ったものであると改めて感じます。

池上先生の培ってきたテクニックがぎゅっと凝縮されたこの一冊。まえがきでの先生の言葉を借りると漫画を描くのに大切なのは、先人の技法を学ぶこと。映画や小説で感性を磨くこと(いろんなジャンル)。自分の独自のオリジナリティを生み出すことだそうです。漫画に限らず、クリエイティブに関わる全ての人に共通する大切なことですね。そして長くキャリアを積んでいるのに、今もなお常に新しいものをとりいれ挑戦していく姿にはとても感銘をうけます。
 

また池上先生の人柄がわかるエピソードが描かれている漫画もこちらで公開されています。

田中圭一のペンと漫画
第9話 池上遼一と越前ガニ
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/2066

作品はもちろん、仕事への姿勢、人柄などに触れられることも漫画ファンとしては嬉しい機会ですね。

アダムとイブ 1 (ビッグコミックス)
作者:山本 英夫
出版社:小学館
発売日:2016-02-29
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