「古本屋大賞マンガ編2016」『ワンピース』が2位に4倍の差をつけた理由

マンガサロン『トリガー』2016年09月02日 印刷向け表示
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http://www.furu1.net/news/_1023/f_award.html


8月31日にマンガサロン『トリガー』で、「古本屋大賞マンガ編2016」の大賞発表が行われた。

7月から一ヶ月の期間、リアル店舗およびWeb上でも広く投票を募り、実に2万票に近い投票があった(ちなみに、これは近年のジャンプ漫画で上位の人気作品の人気投票で集まる総得票数にも匹敵する膨大な数である)。


『進撃の巨人』や『ドラゴンボール』といった対抗馬を全く寄せ付けず、2位の『キングダム』と何と4倍近い差を付けて、見事『ワンピース』が「古本屋大賞マンガ編2016」を戴冠した。


強い、強すぎる。


なぜここまで圧倒的なのか。


まず、発行部数が異次元だ。

57巻の時に初版300万部を突破。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の290万部という記録を超え、国内の書籍での初版部数1位となった。そして、それから2年足らずで64巻の際には初版400万部を突破。77巻の時に13巻ぶりに400万部を割ったものの、現在もオンリーワンの部数を誇っている。

日本国内で1億冊以上売れているタイトルは11ほどあるが、その中で2億部を超えているのは『ワンピース』と『ゴルゴ13』だけ。そして、3億部を超えているのは『ワンピース』だけである。

ドラゴンボールが国内発行部数1億6000万部程であることと比べてもダブルスコアであり、そもそもとして読んでいる分母が段違いすぎると言えよう。


これは、幅広い層からの支持を受けていることも大きい。2位の『キングダム』は勿論素晴らしく面白い漫画だが、小学校低学年の読者に受けるかと言われれば難しい部分もあるだろう。今回、『ワンピース』に関しては、相当数の子供たちからの投票もあったようだ。


そして、『ワンピース』の一つの特徴として、仲間と共に目標を達成するという構造がある。

『北斗の拳』や『ドラゴンボール』などは、圧倒的に強い主人公がほぼ独力で強敵を倒す展開が多い(元気玉で強制的に力を募るなどはあるが)。一方、ワンピースにおいて勿論ルフィは強いのだが、ルフィ以外の仲間たちがそれぞれの個性を活かして活躍し、苦境を乗り越えるという展開が顕著だ。

普通はバトルものにはあまり興味のない女性であっても、そこに魅力的なキャラクターやドラマがあれば話は別である。ワンピースは数多くのキャラクターが回想によって掘り下げられる。そんなキャラクターたちが手を取り合って一つのゴールを目指すというのは、女性読者にとっても共感・感情移入し易い。バトル自体も多少コミカルな部分もあり、血なまぐささは少ないのでそこでも人を選ぶことはない。


大人も子供もお姉さんも関係なく楽しめる『ワンピース』は、正に国民的な人気を誇る漫画であり、大賞に相応しいと言えよう。

(文=マンガサロン『トリガー』兎来栄寿

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