40年間連載を落とすことなく続いた伝説的マンガ『こち亀』が教えてくれたこと 1記事では書ききれませんが、秋本先生長い間ありがとうございました!

増田 桂己2016年09月04日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

こちら葛飾区亀有公園前派出所 190 (ジャンプコミックス)
作者:秋本 治
出版社:集英社
発売日:2014-06-09
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

 ふとゴロゴロと土曜日を過ごしていたところ、LINEニュースからプッシュ通知がきまして。

『こち亀、40年の連載終了へ 単行本200巻で完結予定』

なんていう衝撃的なニュースだったことでしょう。
こち亀といえば、JUMP600万部の黄金時代はもちろんのこと、それ以前から40年間も現在まで連載されていたものすごい長編マンガなわけです。

あらゆる知識が盛り込まれ、時代の先端情報はこち亀読んでおけばなんとかなるとも言われたほどものすごい膨大な情報と、両さんが生み出す様々なビジネススキームが載っています。もしかしたらいまだに実現すればものすごいベンチャー企業ができるんじゃないかと思うほどです。

ということで、今日はうろ覚えながらこち亀が教えてくれた3つのこと、を書いていきたいと思います。

1.高級車の名前

こち亀といえば、秋本先生の趣味の広さ、博識さが全巻にわたって反映されているわけですが、とりわけ多くその趣味が出ているなと感じるのは、やはり車でしょうか。高級車の名前なんて何一つ知らない小学生時代の自分は、こち亀で名前を知った車もしばしば。

例えばポルシェ。こち亀の中では偽高級車バイヤーが出てくる回があるんですが、ポルシェはその中で『ポルシュ』として売られています。
フェラーリのテスタロッサというブランドがあるのですが、それは『フュラーリ テスタオッサンドナイシテマンネン』という名前で売られています。もはや原型をとどめていません。
マークⅡはマークソーズ(索子:そーずと読み、麻雀用語で2本の線で表現される牌)だし、ベンツはベンシ、もうギリギリのところを攻めまくっているんです。

偽物センスの流れで言うと、車以外にもいろいろと出てきました。

たとえば、SONYは、S.ONY(エスオニー)。こちらは偽物を作っているのが進(すすむのS)のお兄さん、というブランド名ですし、GIジョーというミリタリーフィギュアはCIジョーになったり、皆さまご存知のチョロQはチュロQ、HONDAはH.ONDA(音田弘のイニシャル)だったりと、もう無茶苦茶なのです。

2.視聴率の仕組み

テレビの視聴率を教えてくれたのもこち亀でした。両さんは日本での視聴率の図り方を逆手にとって、その視聴率をテレビ局に売りに行き、システムを悪用してビジネスをしようとします。

ものすごい良いアイデアなんですが、見ている人のテレビ番組を強制的に変える、といった方法をとるため、いつものことではありますが最終的には制裁を食らいます。テレビが少しずつ衰退してきている今、何か新しいビジネスにつながるんじゃないか、とちょっと考えたものの悪質な事しか浮かんでこないので考えるのをやめました。

制裁といえば、大原部長が両さんを制裁にくるシーンも多種多様で面白いです。武者になったり、戦車で突っ込んできたりと様々な制裁パターンがあるので必見ですね。

3.下町の様々な事

こち亀は破天荒なギャグマンガとしてとらえられることが多いのですが、それだけではありません。
「おばけ煙突が消えた日」、「勝どき橋開け」などタイトルで印象的に残っている人情系の話がたまに差し込まれるのがこち亀が愛されてきた理由ではないでしょうか。そこには今は失われてしまった昭和の下町の姿が描かれているんです。勝鬨橋が開橋するってこと、知らない人も多いのではないでしょうか。

下町は関係ないかもしれないのですが、こち亀の中のエピソードでコロッケの食べ方が出てくるんですが、それを思い出すたびにコロッケを食べたくなります。
※食べ方としては、箸でコロッケをつぶして目いっぱいソースをかけてそれでご飯を2杯食べる、というちょっと下品ものなのですが、いまだにたまにやってしまいます。

と、3つと書いたものの書いているうちにあのエピソードも良いなと次から次へと浮かんできます。

革靴を煮ることで食べれるんじゃないかと煮て食べたら合皮だということに気付いて吐いたり、何日も履いたトランクスを裏返してレモン汁をこすりつけてはいて「うーむ、グレイト」って言っていたり、高級すき焼き用の肉を部長からもらって食べようとしたけどドブに落ちてしまってほとんど食べられなくなった話や、寮の部屋にでた大量のゴキブリとのバトルの話など、懐かしくて涙が出てきそうなくらいに大好きなエピソードが盛りだくさんなのです。

余談すぎますが、両さんが腹痛の時にトイレを探し求める話で『便所貸せ!』って言って八百屋か何かに駆け込むシーンがあるのですが、自分もピンチな時は同じような気分で、しかもそのシーンが頭に浮かびながら必死な形相でトイレを探して駆け回っています。

そんなこち亀が200巻、40年で幕を閉じるというニュースは、ノスタルジックで少し悲しい気持ちにさせるには十分なものでした。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、ものすごいギャグマンガでした。NHKでもニュースで放送されていましたが、「はしゅつじょ」をアナウンサーさんが見事に噛んでおりました。

40年、一度も休みなく連載、本当にすごいです。秋本先生、ずっと楽しませてくださってありがとうございました、そして長い間お疲れ様でした。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 1 (ジャンプコミックス)
作者:秋本 治
出版社:集英社
発売日:1977-07
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

 

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事