おいでませ。亜人だらけのコンビニエンスストア『吸血バイト霧島くん』

マンガサロン『トリガー』2016年09月24日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

吸血バイト霧島くん (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:鹿島初
出版社:KADOKAWA/角川書店
発売日:2016-09-01
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

ジョジョが好きな人なら誰もが一度は「欲しいスタンド」を考えるものですが、「なりたい架空の生物」なら僕は断然「ヴァンパイア」です。なぜなら、便利なスキルが盛りだくさんだからです。

・催眠術
・瞬間治癒能力
・変身
・魅了
・怪力
・老けない
・イケメン

どれかひとつだけでも十分って感じの強力スキルばかりです。こう並べ立てるとあたかもヒョロガリ不健康オタク男子が考えた「なりたい自分」みたいですが、中国やヨーロッパで400年くらい語り継がれてきた由緒正しき怪物の設定です。世界中どこでも畏れ、憧れる対象は似たようなもんだという証左にもなりそうですね。

しかし反面、弱点もあります。

・心臓を杭に貫かれたら死ぬ
・銀の弾丸で撃たれたら死ぬ
・日光を浴びたら死ぬ

前の二つは人なら誰でも死ぬのでしょうがないのですが、最後がつらい。日中はおちおち外に出られませんし、骨が弱くなりそうです(日光は骨や歯をつくるのに必要なビタミンDの生成を補助するといいます)。数多くのメリットを享受するなら、多少のデメリットもやむなしというところでしょうか。

しかし昔の人は都合の良いことを考えました。「半分人間なら日光大丈夫なんじゃね?」そうして生まれたのが「ダンピール」(ヴァンパイアと人間の混血)です。
奴らはヴァンパイアのメリットを享受しつつ、お日様の元で生きていくことが可能です。『吸血バイト霧島くん』は、そんな羨ましい設定の主人公をはじめとする亜人たちが、コンビニバイトとして活躍するという作品です。
 

才能の無駄無駄無駄遣い

主人公の霧島くんは、ヴァンパイアと人間のいいとこ取りしたダンピール。しかし彼は現代社会においてその才能を、あろうことかコンビニのアルバイトに活用します。とんだ才能の無駄遣いもあったものです。

クレーマーのおっさんを「魅了」でベタ惚れさせてクレームを回避。

 

鍵が壊れたトイレに「変身」で霧になって侵入。内側からドアを開ける。

あげく、日夜両方活動できるから24時間営業に適していると発言する始末。

 

フィクションに登場するヴァンパイアは、多くの場合その能力を自分のためにつかいます。『ときめきトゥナイト』の蘭世ちゃん的な活用方法なら可愛げありますが、ほとんどが『ジョジョ』のDIO様のようなイメージです。強力スキルを遺憾なく発揮して、世界征服をマジに遂行しようとする輩ばっかりです。

 

でも霧島くんはコンビニバイトのためにその能力を発揮します。いわば世のため人のためにその才能を生かしているのです。自らがもつ能力を、必要とされる場で発揮すること。仕事人として至極まっとうな姿勢です。才能の無駄遣いなんて言っちゃあいけないのかもしれません。

 

他にも『霧島くん』には狼男、ガイノイド、サキュバスといった亜人たちが登場しますが、彼らもその能力をコンビニの売上アップにつかいます。特に美男美女に変身して顧客を魅了し放題のサキュバスさんは絶対にもっと才能を活かせる場所がありそうですが、舞台はあくまでコンビニです。

しかし本作のタイトルは『コンビニバイト霧島くん』ではなく『吸血バイト霧島くん』です。霧島くんが他のアルバイトに手を出す展開も十分考えられます。かわいい新キャラクターの登場が続き、現状も読者を飽きさせない本作ですがこの先にも期待です。

 

ちなみにいまなら全編ヤングエースUPで読めるようです。ぜひ!

 

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事