一人じゃない喜び『るんぱと暮らす』

佐藤 茜2016年09月28日 印刷向け表示
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誰かと一緒に住むようになって一番びっくりしたことは、むちゃくちゃ心が平穏になったことです。

仕事やらなんやからでイライラモヤモヤしながら帰っても、全部リセット!オールクリーン!!特になんの優しい言葉を投げかけてもらったわけでもないのに!顔を見ただけで!いつ浄化装置を実装した?もしくはヤバい薬でも焚いてる?と思ったのですが、平穏な日常が過ごせるのでスルーしてました。

この、「何か突発的事項が起こっても、結果的に日常が上手く運ぶのでスルー→そして幸せになる」現象を描いたのが本作です。

インターネットで家電を購入した、独身アラサーの女子高教師・加藤(かとう)。しかし、家に届いた家電は、どう見ても求めていたものとは違い―!?

『るんぱと暮らす』イシコ (著) マッグガーデン P5

ええ、もうタイトルでなんとなく察していただけると思いますが、某家電と思って買ったやつが、なんか違ったけど、どうする?というお話です。

が、これが無茶苦茶かわえええんじゃ!!!

大きめのホコリは無視して食べないし、寂しがって人型になって追ってくるし、
 

『るんぱと暮らす』イシコ (著) マッグガーデン P10

割と無茶苦茶なんですが、それでもなぜか、読むとるんぱを嫌いになれない。

これは、やはり八百万の神を信じてしまう日本人のなせる技なのでしょうか。いつの間にか、「得体の知れないもの」という位置から「よくわかんないけどかわいいやつ」として認識して懐に入れてしまい、勝手に愛着を持ってしまうんですよね…。もはや自分で自分がわからない。

作中、「るんぱ」が何かは、具体的にまったく明かされないままに物語は収束を迎えます。でもそれでいいんです。だって、一緒に住んでいるものが何かなんてあんまり考えないから。大事なのは、一緒に住んでて心地いいか、どうか。

そう考えると、「るんぱ」ちゃんは、とっても理想的な同居人です。

読むと誰かと一緒に暮らしたくなる作品。
(たとえそれが見た事のない生命体だとしても)

オススメです。
 

 

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