重い思いに包まれる。一生あなただけを好きでいます『あげくの果てのカノン』同年代の作者に度肝を抜かれた作品がこちら

KOTONO2016年11月02日 印刷向け表示
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 今年1番オススメしたいのが

あげくの果てのカノン 1 (ビッグコミックス)
作者:米代 恭
出版社:小学館
発売日:2016-06-10
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世界はエイリアンによって侵略され、地下への移住を余儀なくされた。
エイリアンの影響で雨が降り続け、撃退したときのみ現れるつかの間の太陽。
そんな地上で暮らす数少ない市民の一人が主人公高月カノン

そしてエイリアン撃退部隊で今1番注目されているのが思い人境先輩である。
見た目の良さもさることながら、技術面でも高く評価され,
今や雑誌の表紙になるほど市民の希望の存在である。

高校生の時から片思いで、先輩が卒業するときに告白するも撃沈。
でも見守っていられればそれでいいとほほ笑むカノンにキュンとしたのも最初だけ。
彼女のストーカー体質を知れば引くこと間違いなし。
先輩のスクラップ本(盗撮)をはじめ、先輩が使った箸袋や鼻かみティッシュなどの
コレクションはさすがに恐怖をおぼえた。笑

今のバイト先も、先輩の職場から近いところにした。
地上の店なので地下市民の先輩が来る確率は低いが、甘党だった先輩なら
もしかしたら帰りにケーキを買いに寄るかもしれないとの思いからだった。

あえて確率の低い地上の店を選ぶあたりが彼女の拗らせっぷりを物語る。
職場の近くの道を歩いてみたりと一目見れればいいと地上を歩く彼女は
完全にストーカーである。

そんなカノンの思いが届いたのか、本当にケーキを食べに先輩がやってきた。
実に8年ぶりの再会である。
きっと私なんか覚えられてないと思いながらも、声をかけてきた先輩に頬を赤らめ
挙動不審になるカノンは少し可愛くも見えてくるが忘れるな!彼女はストーカーである!笑

戦闘での負傷を完全に”修繕”(治療)できる世界で、先輩は幾度となく助けられてきた。
しかしその修繕によって食の好みや、人格、習慣などに影響が出てしまうのが
現状の改善点であった。
部隊の中には完全に好みが変わり離婚するものまでいた。

環境や、親、時代のせいで変化するしかなかった私たちを
”修繕”という形で明確に描き上げ表現ているのがこの作品の魅力である。
変わることの良さももちろんあるが、変わってほしくない
変わりたくなかったものもたくさんあるのではないだろうか。

「修繕のせいで」という言葉が幾度となく出てくるが
自分が気付かずして変わってしまった部分を表しており、
自分が望んで変わった訳ではないのに、そこに向けられる視線に
境先輩は疲れていたのだと思う。

そんな時カノンと再会した。
あの頃と変わらず不器用で、あの頃にも増して好意の眼差しを向ける彼女に
安堵を覚えたのではないか。
彼女が好きでいてくれる限り自分は自分であると確認できる、
カノンはそんな存在なのだ。

修繕のせいで軽薄になった先輩でも、
肉が食べられるようになった先輩でも、
例え自分に話しかけてくれたのは次の修繕が行われるまでの気まぐれだったとしても
私は一生先輩しか好きにならない自信があると彼女は思っているのだ。

ここまでくるとメンヘラっぷりも愛に思えてくる。

時代はどんどん進み、変わり、新しいものが優位である今の世の中
変わらないものの大切さと本当の愛を思い出させてくれる作品である。

(『あげくの果てのカノン』1巻より)

とはいえ彼女はいき過ぎている!!

あげくの果てのカノン 2 (ビッグコミックス)
作者:米代 恭
出版社:小学館
発売日:2016-10-12
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出版社:中央公論新社
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