『ききりんご紀行』-編集者の自腹ワンコイン広告

版元の編集者の皆様2016年11月12日 印刷向け表示
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ききりんご紀行
作者:谷村 志穂
出版社:集英社
発売日:2016-11-04
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突然ですが、りんごの種類、いくつ言えますか?

ぶどうなら、巨峰・デラウェア・シャインマスカット……3つくらいすぐ出てきて見分けもつくのに、りんごとなると、黄色いのは王林、赤いのはふじ、つがる……名前は知っているけれど、区別がつかない。たいていの人は(青森や長野出身の人はのぞいて)そんな感じではないでしょうか。

りんごはスーパーでほぼ1年中手に入るし、「わーい、メロン!」「いちご、大粒だ~」的な高揚感には欠けますね。嫌いって人は少なさそうだけど、好きな果物NO.1にりんごを挙げる人も少なそう。体にいいと言われているから、冬の間はよく食べる、そんな人も多いのではないでしょうか。

小説家・谷村志穂さん、実は北海道大学農学部出身のリケジョです。谷村さんが半年間ほぼ毎日りんごを食べ比べ(ききりんご)をして、驚きや気づきを綴ったのが『ききりんご紀行』です。

現在国内で流通しているりんごは約40種類。谷村さんが食べたのは、そのうち30種類以上! 紅の夢、スイートメロディ、涼香の季節……なんて珍しい名前のりんごも含まれます。食べながらどんどんハマっていき、「ふじでも、作り手によって味がまったく違う」「りんごの密はストレスでできる」など、どんどん深堀りしていく一冊です。

(左)青森で一番早い7月末収穫の「夏緑」 (右)中まで赤い!新品種「紅(くれない)の夢」

この本が誕生するきっかけは、1年前にさかのぼります。10月上旬、打合せで谷村家へ伺うと、コーヒーと一緒に谷村さん手作りの、あつあつアップルパイが。

「毎年、紅玉の季節に作るんです、よかったらどうぞ」
担当編集の私は青森出身ですが、りんごは食べるなら生、アップルパイやジャムなど加工品は邪道だと思っていたので、正直に言いました。
「私、煮たりんご苦手なんです」
「え~、なんで?」

あの瞬間、谷村さんの探究心に火がついたのだと思います。あれから1年、取材を続け、この本が完成したという訳です。谷村さんと一緒に、私も半年間毎日りんごを食べました。いざ食べはじめたら、毎日でも飽きるどころか、どんどん好きになっていく。お通じも順調。今では、煮たりんごやジャムも大歓迎だし、新しいアップルパイの店ができたと聞くと買いに行くほどの変わりようです。去年まで、りんごは実家から送ってもらうので充分だったのに、今では全然足りず、通販でおとりよせしています。

何種類かのりんごを食べて、どれがどれかを言い当てる、“きき酒”ならぬ、“ききりんご”。りんごの旬(何月頃にどの品種が出回るか)をおさえておけば、ある程度は可能かと思います。たとえば、10月に酸味の少ないりんごが出されたら「トキだな」とか。

また、トキの親品種は「ふじ×王林」なんてふうに、りんごのお父さん・お母さん品種を調べてみると、自分好みのりんごをはずさず探せますよ。実際、居酒屋の“きき酒セット”みたいに、りんご何種類かを少量ずつ詰め合わせて送ってくれる通販サイトも増えてきています。冬になると蜜入りサンふじが売場の大半を占めますが、谷村さんのおすすめは「冬恋」。黄色い新種りんごで、びっくりするほど甘いです。

弘前市りんご公園には、りんごポストが

りんご王国・青森人もびっくり情報満載の、マニアックでハッピーな『ききりんご紀行』、ぜひのぞいてみてください!            

山本 智恵子 集英社 学芸編集部
芸能・女性漫画・文庫編集を経て、2014年より学芸編集部。
『ブラジャーで勲章をもらった男』『今すぐ会社をやめても困らないお金の管理術』『出世酒場』などを手がける。 
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
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出版社:中央公論新社
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