フレンチとイタリアンの区別が付かなくても、秒速で「得意料理はフレンチです」と言えるようになる『三つ星シェフの味付けの魔法』 ミシュラン三つ星シェフ直伝のレシピを盗めちゃうマンガ

宮﨑 雄2016年11月22日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
突然ですが、「フレンチ」と「イタリアン」の区別ってつきますか?

イタリアンなら、学生時代にお世話になったサイゼリアのおかげで、「ピザ!」「パスタ!」とスラスラ出てきます。あるいはジョジョ4部の「イタリア料理を食べにいこう」の影響も大きいかもしれません。名前を聞けばすぐに、これがイタリアンだとわかります。自分で作ることもあります。

でもフレンチはコレってものがすぐ出てきません。調べたら「テリーヌ」とか「ガレット」が出てきました。見れば「これか」と分かりますが、字面だけではいまいち想像しづらいです。だから2択で両者を区別するとしたら、「これは知らないからフレンチ」という消極的な方法を採ることになりそうです。

こう考えると、その料理に親しみが持てるか否かは、自分でそれが作れそうかどうかに大きく影響される気がします(実際に作るかどうかはともかく)。少なくとも僕は休日の昼に「今日はパスタ茹でるか~」とは思えても、「テリーヌ焼くか~」とはなりません。 だからフレンチには、距離を感じてしまうのかもしれません。

でも読めばそんな距離感を一気にゼロにして、「得意料理はフレンチです」と言い張れるという超スゴいマンガを見つけてしまいました。

それが『三つ星シェフの味付けの魔法』です。

三つ星シェフの味付けの魔法
作者:クリストフ・ブラン 翻訳:内坂 芳美
出版社:エクスナレッジ
発売日:2016-07-03
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

初めて出会った、本当に料理したくなる料理マンガ

『三つ星シェフの味付けの魔法』の主人公は、フランスにあるミシュラン三つ星レストラン「アルページュ」のオーナーシェフ、アラン。Wikipediaがあるくらいの有名シェフです。 物語は漫画家のクリストフ・ブランがアランやその周囲の人に取材して、レストランのウラ話を聞くという流れを描きます。素晴らしいのは、その過程で挿入されるアラン直伝のフレンチのレシピです。

見開き左にレシピの簡単なテキスト、見開き右にアランがそれを楽しげに調理する様子が描かれています。 これは、僕がいままで出会ってきた料理マンガにはなかった描かれ方です。

このページでは半ページ以上にわたってアランが野菜を愛でる様子が描かれています。調理の描写はその下半分だけ。

料理マンガに出てくるレシピはおよそ2パターンに分かれると思います。1つ目が登場人物が実際に調理するもの。セリフで分量を説明してくれることもあります。2つ目が1ページまるまるレシピを掲載するものです。 実際にそれらで作ったこともありますし、美味しく作れるのですが、難点は自分が実際に作る様子が想像できなかったことです。これが意外と盲点でした。

「おいしそう!」「すごい!」と思わせてくれるだけではなかなか作る気にはなりません。ですが『三つ星シェフの味付けの魔法』は「これつくるの楽しそう!」というところまで僕の気持ちを動かしてくれたのです。しかもフレンチで。

実際にフレンチをつくってみた

というわけでこの作品を読み終わった僕はいてもたってもいられなくなり、近所のスーパーで材料を買い込み、アランが調理していた「じゃがいものパイヤッス」づくりに取り掛かりました。パイヤッスとは、じゃがいもをガレット(せんべい)状に焼いたものです。

材料はこちら。じゃがいもとバターだけです。あとはスライサーとまないたと包丁とフライパンだけで作れます。

まずジャガイモをスライサーで薄切りにして、短冊状に切ります。

 

バターを敷いたフライパンに、切ったジャガイモを投入、薄く広げます。 弱火でじっくり焼くと、いい感じに固まってきます。 アランがさりげなく「デンプンの多いじゃがいもがいるな」と言っているのですが実はそれが結構重要で、デンプンが多くないとここでうまく固まってくれません。だからじゃがいもは切った後、水洗いしてはいけません。

 

そして固まってきたら、ひっくり返してできあがり。そのままだとさびしいので、さらし玉ねぎとバジルをかけました。

 

言うまでもなく、超「ンま~い!」仕上がりです。また、見てお分かりの通りミスりそうな工程がないので、材料があれば誰でもできます。

というわけで今日から僕の得意料理は「パイヤッス」です。そして今日から僕は「フレンチを作れる男」です。ありがとう、ムッシュー。

世に「おいしそう」なレシピは数あれど、「楽しそう」なレシピはなかなかありません。そして『三つ星シェフの味付けの魔法』は明らかに後者です。料理とご飯を楽しみたい方はぜひ。デザインもおしゃれなので、料理好きなお友達へのプレゼントにもおすすめですよ。

マンガの画像はクリストフ・ブラン『三つ星シェフの味付けの魔法』(X-Knowledge)より引用しました。

三つ星シェフの味付けの魔法
作者:クリストフ・ブラン 翻訳:内坂 芳美
出版社:エクスナレッジ
発売日:2016-07-03
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

フレンチの王道 シェ・イノの流儀 (文春新書)
作者:井上 旭
出版社:文藝春秋
発売日:2016-06-20
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

 こちらは日本のフレンチの名店シェフの一冊。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事