ルノアールで釜飯を食べたことありますか?『木崎少年のほろにが喫茶巡礼』

マンガサロン『トリガー』2017年01月13日 印刷向け表示
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木崎少年のほろにが喫茶巡礼 1 (BUNCH COMICS)
作者:左東 武之
出版社:新潮社
発売日:2016-12-09
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辛党でもありますが、甘党でもありスイーツ大好きなマンガサロン『トリガー』店長兎来です。

一時期は、美味しいスイーツを求めて方方のカフェやパティスリーを行脚していました。美味しいケーキや紅茶や珈琲のお店の情報は常に募集中です。

そんな私にとって、非常に共感を覚える作品が登場しました。

それが今回紹介する『木崎少年のほろにが喫茶巡礼』です。

 

喫茶店好き男子高生は背伸びしたいお年頃

主人公はカフェ巡りが趣味の高校一年生・木崎亮史。

一見すると、目元の涼しいクールな美少年です。しかし、実際には渋い大人に憧れながら子供っぽさが抜けないという絶妙にかわいい男の子です。表情もころころ変わります。

木崎少年の性格をよく表しているのが、彼が喫茶店に持ち込む本です。池波正太郎、江戸川乱歩、村上春樹……少し気取りたい年頃に読むのに実にそれっぽいタイトル群! 私も中学時代、夕暮れ時の屋上で『ツァラトゥストラはかく語りき』の文庫本を広げているような少年だったので、このラインナップには何とも名状し難い感覚を伴う理解を示します。

とはいえ、背伸びしたくなる、あるいはいち早く大人になりたいという気持ち自体は、多くの人にあったものでしょう。しかし、そうは思っていながらも、配膳されたコーヒーを思わずフーフーと冷ましてしまったり、リスのようにほっぺたを膨らませて物を頬張ったり……一つ一つの所作や反応が好奇心旺盛な子供そのもののような木崎少年。

そこがいいのですけど。

それでも、木崎少年の喫茶店やコーヒー、茶器や店内装飾などへのこだわりや愛は本物。様々なお店の内装に、サービスに、そして美味しい飲食物に感嘆する彼の姿を、微笑ましくも気持ち良く眺めることができます。

 

美味しそうな喫茶店の数々にリアル巡礼に行ける!

又、本作の特徴の一つとして、登場するお店は全て実在店という部分が挙げられます。つまり、作中に登場する美味しそうなクランブルケーキも、ハンバーグサンドも、バナナジュースも、その気になれば食べに行くことができるのです! コミックスの巻末には、作中で登場したお店の情報も丁寧にまとめられているので、聖地巡礼もはかどります。チェリーパフェなど、実際に食べてみたくて仕方ないです。

第一巻に収録されているお店の中でも、特筆すべきはルノアール大塚店でしょう。喫茶室ルノアールは、ミヤマやNEWYORKER'S Cafeなどとも同じ系列。都内近郊に住んでいる方にはお馴染みであろう、少しお高めな分落ち着いた雰囲気と客層の喫茶店です。

ただ、このルノアールは通常のチェーン店であるところもあれば、作中に紹介されているようにボランタリーチェーンという、直営でなく別の経営者が営んでいる店舗もあるのです。大塚ルノアールはまさにそのボランタリーチェーン店の一つ。それ故、そこにしかない独特のメニューも多数存在するという訳です。その一つが、本格的な釜飯。

釜ごとテーブルに運ばれて来て、炊き上がるのを20分待って食べるそうです。「ルノアールで釜飯」という、パワフルな体験も一度してみたいですね。

同じ喫茶巡りを生業にする謎の人気ブロガー・白兎紳士や、ギャル風なのに自分より喫茶店に詳しそうな同級生・川居寿理など、サイドに魅力的な登場人物も配置されて物語は進行して行きます。巻末の番外編では、意外な人物たちの登場も……!?

美少年、学ラン、喫茶店、グルメ。これらが好きな方にはとことんツボにハマるのではないかという一冊です。ぜひ喫茶店に持っていって、熱いコーヒー片手に読んでみてはいかがでしょうか。

 

文章:マンガサロン『トリガー』兎来栄寿

 

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