終わることで物語は永遠の作品になる。曽田正人の『テンプリズム』最終巻 発売

佐渡島 庸平2017年02月27日 印刷向け表示
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※今回の記事はネタバレ注意です。

編集者という職業をしていると、新企画の打ち合わせをたくさんする。
「なんか面白いことなーい?」と新しい企画を探している人は,世の中に無数にいる。

僕は15年間、編集者をしているが、作品の終わりに立ち会うことはほとんどない。実は、『ドラゴン桜』『エンゼルバンク』『テンプリズム』の3作品だけだ。感覚的なものなので、伝え方が難しいのだが、小説などの単行本の終わりと、連載ものの終わりは、難易度が全く違う。だから、小説はカウントしてない。


連載物をどう終らせるかは、本当に難しい。
面白い企画を立ち上げるよりも、終らせる方がずっと難しい。

読者の多くは1話目には注目するけど、最終回には注目しないので、終らせ方がうまいことが評価されることは少ない。
作品をいいタイミングで終らせるには、自分の作品作りの能力への圧倒的な信頼感がないとできない。軌道に乗った作品の1話を書くことと新しい1話目に挑戦するのでは、そのために必要なエネルギー量が全く違う。

何度も作品を終らせている人は、何度も新作に挑戦しているのだ。
(圧倒的なのは手塚治虫だ。メディアドゥという電子取次のベンチャーの会議室には、手塚治虫の全巻セットが飾ってあるのだが、その質量には圧倒される)


そして、僕が担当している二人の作家、三田紀房と曽田正人は、漫画業界の中でも作品の終らせ方が圧倒的にうまい二人だ。

曽田正人の『テンプリズム』の最終12巻が、2月28日に発売となる。
最終話が掲載された時に、このようなブログを書いた。
https://note.mu/sady/n/n49cffa6bbb36?magazine_key=mabd15da39e5a

曽田さんは、今までどんな風に作品を終らせているのか?
(下記、ネタバレがあるので、曽田作品をまだ読んでない人は注意!!)

『シャカリキ!』『め組の大吾』『capeta』の最後は、こんな感じだった。
曽田さんの他作品のラストをみて、『テンプリズム』の終り方はどんなものか、想像してから、読んでみてほしい。
 

『シャカリキ!』
 
『め組の大吾』
『capeta』

 

テンプリズム[オールカラー版]12【電子特典付き】
作者:曽田正人
出版社:コルク
発売日:2017-02-28
  • Amazon Kindle
[まとめ買い] シャカリキ!〔ワイド〕
作者:曽田 正人
出版社:小学館
[まとめ買い] め組の大吾
作者:曽田 正人
出版社:小学館
[まとめ買い] capeta
作者:曽田 正人
出版社:講談社
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