切り裂きジャックの真犯人を◯ャーロックが追い詰める、ミステリー好きにはタマラン展開!!『オーク探偵オーロック』  新ジャンル「知的な脳筋」。こんなオーク見たことない!?

マンガサロン『トリガー』2017年04月06日 印刷向け表示
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オーク探偵オーロック (1) (角川コミックス・エース)
作者:碓井 ツカサ
出版社:KADOKAWA
発売日:2017-03-04
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オークと言ったら姫騎士。オークと言ったら「くっ殺」。近年ではそんなイメージも付いていますが、知能は低いものの力は強く野蛮で人間と敵対する種族というのがおよそ一般的なオークというものに対するイメージではないでしょうか。しかし、そんな従来のオークのイメージとは大きく違った理知的でジェントルなオークが活躍する物語があります。それこそが、今回紹介する『オーク探偵オーロック』です。

時は1888年のロンドン。王立賢人協会(ワーズワースワークス)所属のユナ・ナンシー・オーエンは、"無尽蔵書(ブックエンド)"と呼ばれ、一度見たものを決して忘れないという能力を持っているがために英国国教会の施設の中に幽閉されていました。しかし、ある日ユナは謎のオークに施設からさらわれてしまいます。そのオークは聡明で且つすべて彼の発した言葉は真実になる"無謬の推理(アブダクション)"という能力を持っていました。ただし、その能力には多くの代償も……。

かつて無二の名探偵であったオークは、その身体も名前も相棒も失ってしまっていました。ユナはオークをオーロックと呼んで新たな助手となり、ロンドンの話題を席巻する切り裂きジャック事件を始めとする様々な事件に二人で挑んでいくことになります。

ユナの能力は、現実にも瞬間記憶能力(カメラアイ)として一定数の人間が持っているもの。自分がその能力を持っていたら、あるいは早く電脳化して凡人でもあらゆる知識を光の速さで検索・伝達できるようになったら、と試験の前などには思っていたものです。

一方で、オーロックの持つ自分の言葉が(それに不都合な事実をすべて塗り替えて)真実になるという能力は、強力すぎるが故に使い方が難しそうに思えます。しかし、このオーロックはかつて自分自身もこの能力で酷い目に遭っているにも関わらず、「え、そんな所で使うの!?」という場面でもこの能力を使っていきます。

またオークの体になってしまったことが影響しているのか、元々の思想なのかはわかりませんが、「この世のおおよその問題は筋肉で解決できる」と高らかに言い放ち、自慢の肉体を日々鍛えることに余念のないオーロック。ユナを幽閉された塔からさらった時の方法など、頭が良いはずなのに筋肉に依拠しすぎており「聡明な脳筋」という新たなジャンルを開拓していっています。

この奇妙な人間臭さや、格闘術にも長けている所などは、元の姿であるXXXXXX・XXXX(なぜか発音できない)を髣髴とさせます。元々かの探偵は女性嫌いであったはずですが、その辺りの嗜好や性向も若干変化しているのかもしれません。

イギリス各地で起こる様々な事件には、曲者あり、イケメンあり、かわいいロリあり・ショタあり……(個人的には美形執事がすこぶる好みですし、実際に作画にも力が入っていた気がするのですが気のせいでしょうか)。その中で起こるユナの心の動き、「ただ知っているだけ」の自分に対する葛藤と、それを乗り越えていく部分もまた見所となっています。

奇妙な二人のコンビによる探偵稼業は今後どうなって行くのか。数々の事件の裏には奥深い闇が潜んでいるようで、この先も楽しみです。  

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