あの頃、僕たちは誰しもがこんな「初交尾」を夢見ていた。ありがとう『パラレルパラダイス』よ…ありがとう…。

北島 歩2017年08月11日 印刷向け表示
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80年代以降

「パラダイス」といえばどう足掻いても『パラダイス学園(作者:川原正敏)』一択だった
いわゆる「一般漫画エロ部門」において

2017年

ついに次代の「パラダイス」を担う怪物作品が爆誕いたしました。

 

パラレルパラダイス(1) (ヤンマガKCスペシャル)
作者:岡本 倫
出版社:講談社
発売日:2017-08-04
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 「男」が伝説上の生き物と化し、未成熟な少女だけしか存在し得ない異世界に
突如迷い込んだ男子高生・太多陽太。童貞。

無条件で自身に発情し、股間から通称「欲情の泉」を滴らせる美少女たちとの
「本番」ギリギリ手前の邂逅を経て、その世界のある悲劇的な「有り様」を知り
そして立ち向かおうと決意する。

までが、先日発売されたばかりの第一巻までのストーリーです。

中盤。あらかたの実情を理解したうえで

「俺はいったい…この世界でなにをすればいい?」

「やっぱ交尾しかないんじゃないのか…?」

と、結論付ける陽太。

ちょ、ちょっと待てボーイ!!

なんて短絡的で、独善的で、ナルシスティックな結論。

うおぉ…超童貞だこいつ。

あとコトの最中になんか包み込むようなセリフ言おうとするとことか

超童貞!

あと変にサディスティックであろうとするとことか

もう超童貞!

つまり超共感!

いわゆる「異世界ハーレムもの」の体をなす本作ではありますが
最大の壁である「主人公を好きになれるかどうか問題」を
いとも容易く乗り越えさせてくれる、この執拗なまでの童貞描写。

王道設定だと思いきやの「倫たん節」を堪能するうえで
ノイズをキレイさっぱりと除去してくれるばかりでなく
むしろ、今作のメインテーマこそがこの「童貞」そのものなのではと
勝手ながら解釈してしまう程。

あるヒロインとのまぐわいの最中
陽太がふと漏らす決定的なひとこと。

「おい、全然見えないぞ〇〇←コンプラ」
「汁出し過ぎだっての」

ヒロインから過剰に溢れ出る「欲情の泉」が障壁となり
その奥に秘めたる待望の局部が、読者はもちろん
主人公でさえ視認出来ていないという描写なわけですが。

中学生時代。

毎夜、淫夢に現れる女性の裸体。
なんとなーくのおっぱいと。なんとなーくのおしりと。
そして、白い空間と化したまったく具体性のない局部。

だって、あの頃の僕たちは
そこは本当に「ただ無い」と思っていたわけで。

劇中、女性のあらゆる部位・恥部を非常に直接的なワードで連呼し続けるにもかかわらず
何故か唯一ファンタジックな言葉に言い換えられた「欲情の泉」という現象。
そしてその奥にはまだ見ぬ究極の童貞不可侵領域。

ヒロインたちの局部を通して「びゅるびゅる」と無限に湧き出る「欲情の泉」とは
すなわち「たたり神」のごとく具現化された「童貞たちの際限なき妄想」の奔流であり
この世界を「交尾が出来ない世界」にしてしまった「呪い」の根元なのでは!?

あれ?ラスボスは童貞男子?

予想はさておき。

「ギルガメッシュナイト」の音量を必死に調節していたあの頃…
自転車を飛ばして隣町の本屋まで「色」を漁りに行ったあの頃…
授業終わりに立ちすぎてて立てなかったあの頃…

今作には、オス諸君であれば
誰しもがこうありたいと願った
理想のファーストエロコンタクトが

朝方こっそり洗濯機に放り込んだ
じゅくじゅくのブリーフたちの枚数分

ぎっっしりと詰め込まれております。

ぜひご覧ください!
 

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