「コージィ城倉」といまは亡き「ちばあきお」がチームワークした『プレイボール2』

佐渡島 庸平2017年08月28日 印刷向け表示
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 どんどん新しい作品が生まれていると、何を読めばいいのかがわからなくなる。そもそも、その問題を解決するために、マンガHONZでこのようなレビューを書き、見つける手助けをしようとしている。僕がやっているマンバというサービスの目的も同じだ。マンバは、みんなのクチコミで次に読むマンガを見つけられるようにしている。
見つけるのが難しいと、新しい作品に挑戦せず、過去の名作を楽しむようになる。コルクに所属する羽賀翔一は、今まで2冊のマンガを出していたが、売り上げは苦戦していた。今回『君たちはどう生きるか』という名作中の名作を漫画化したところ、様々なところで話題になり、なんとAmazonの本全体のランキングでも10位になった。

 

糸井さんがツイッターで熱く語ってくれたり、最所さんがブログを書いてくれたりした。

糸井さん(@itoi_shigesato)のツイッター

他にやることあったけど、ぐいぐい引き込まれて読み終えました。いまは亡き著者と、これをいま出版しようと考えた編集者と、この本に正面からぶつかろうと思った漫画家に、カーテンコールのように拍手を続けています。

最所さんのブログ

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『君たちはどう生きるか』への世間の反応をみながら、名作を現代的にリメイクするのは、これからどんどん需要が増していくと改めて感じた。
『君の名は』や『打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか』も、そのような流れの中で受け入れられているということもできるかもしれない。

最近のリメイクの中で、僕がもっとも興奮したのは、『プレイボール2』だ。以前『キャプテン』についてのレビューを書いたが、僕が中学時代よりもっとも読み返している大好きな作品だ。非常に悲しい形で未完になってしまっているために、ファンの人は誰もが読めるものなら続きを読みたいと切望していたはずだ。
現代版にリメイクするのではなく、自分の絵柄を捨てて、ちばあきおさんそっくりな絵を描き、続きを描くという決断をしたコージィ城倉さんが男前すぎる。『キャプテン』『プレイボール』というのは、チームワークがテーマの作品だけど、コージィ城倉さんの行動はちばあきおさんとの時代を超えたチームプレイのように僕は感じる。チームとしての結果を優先するために、自己犠牲をできる人は、本当にかっこいい。今は誰もが、自分が主人公になるのを楽しむ時代だ。そんな時代に、ちばあきおをより引き立てることを最優先する姿勢が逆にかっこいい。
僕はグランドジャンプに載った一話目がどうしても読みたくて、久しぶりに雑誌を買ってしまった。そして、それ以降は単行本が出るのを待ちに待っていた。1巻は期待を裏切らない出来だった。
僕は『キャプテン』が、前回のレビューで経営の教科書になるということを書いた。今回、1巻を読んでも、全く同じような感想をもった。感想が似ているということは作品の空気感も再現できているという証拠だ。
谷口の様子をみながら、やはりリーダー自身が、やりすぎて、まきこまないとチームは変わっていかないのだということを考えた。

谷口のリーダーとしての凄さがわかる一ページ

 

また、谷口のやりすぎに丸井が呼応してくれている。組織は、一番に踊る人よりも二番目に誰がどう踊るのかも重要だ。コルクを経営しながら、日々、悩み考えていることに思いを馳せながら読んだ。
この後の続刊が楽しみで仕方がない。この企画を発案した編集者、企画を引き受け最高の形で世に送り出してくれるコージィ城倉さんに感謝したい。

プレイボール2 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
作者:コージィ城倉
出版社:集英社
発売日:2017-08-18
  • Amazon Kindle
漫画 君たちはどう生きるか
作者:吉野源三郎
出版社:マガジンハウス
発売日:2017-08-24
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  • HonyzClub
キャプテン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
作者:ちばあきお
出版社:集英社
発売日:1995-08-18
  • Amazon Kindle

  

 

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