スタートアップ3社目の僕が『大東京トイボックス』を読んで再確認するのは、ベンチャー企業の面白さと、才能より大事なチーム力。

小室 元気2017年08月30日 印刷向け表示
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大東京トイボックス(1) (バーズコミックス)
作者:うめ
出版社:幻冬舎コミックス
発売日:2007-03-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
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大学に入って、
ものすごく頭がいいのになぜかめちゃくちゃ劣等感を感じている友人たちに疑問を覚えた僕

は、その時から「自分にしかできないことをしよう!」
ベネッ●のマンガの主人公がお母さんに言われるみたいなことを考え始めてしまい、
新卒で立ち上がったばかりのスタートアップベンチャーに就職。
その後もさらにスタートアップに転職し、また今年の6月にスタートアップ企業に転職。
現在3社目のスタートアップで働いております。起業もしないで。
いわゆるプロのサラリーマンスタートアッパー(造語)です。

スタートアップというのは、最低でも一人、
「君ら今まで一体どこに生息してたんや!?」
という、ずば抜けて能力が高い人が在籍しているもの。
多くの場合はそれが社長(もしくは創業者)ですが、
そんな才能や能力に間近で触れたくて、
スタートアップベンチャーで働くことをやめられないのです。

こんなことを言うと、
絶対にそういうずば抜けた能力を持っている起業家たちに怒られるんですが、
僕はそんな人たちの近くで仕事をしてきて、


ああ、絶対に起業家にはなれないな、、、


と思っています。これは今でも同じく思っています。

僕はやっぱり、彼らの近くにいればいるほど、
自分の才能のなさや視野の狭さを痛感してしまい、
どうしても尻込みしてしまうのです……。

こういう考え方をあらためるべく
HONZレビュワーとしてもおなじみの堀江さんのすばらしい著書全般を読んで自分を鼓舞しているところでもありますが、そんな僕に
「やっぱりスタートアップでサラリーマンをするのは起業と同じぐらい、面白い!」
とあらためて感じさせてくれた作品が、この『大東京トイボックス』です。

大東京トイボックス(1) (バーズコミックス)
作者:うめ
出版社:幻冬舎コミックス
発売日:2007-03-24
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“ゲームクリエーターを目指す元気な関西娘・百田モモ。かろうじてゲーム制作会社スタジオG3の企画見習いとなる。しかし、待っていたのは夢と現実の違いを痛感させられる、リアルな修行の日々だった! 面白いゲームのことしかアタマにない天川太陽、キャリアだが隠れた趣味を持つ月山星乃ほか、個性豊かなアイツらが、今日もアキバの片隅でゲーム魂を燃やす! 熱いゲーム業界物語、ここに再起動!!"(amazon内容紹介より)

このマンガで最も心動かされたのは、
天才ゲームプランナー天川太陽の成長です。

彼は典型的な孤高のクリエイターで、自分が作りたいようにゲームを作るために、小さなゲーム開発会社を立ち上げました。

前職「ソリダスワークス」在職時の天川氏は、
チームメンバーにこんな↓ことを言ったり

こんな↑セリフを堂々と吐き続けた結果、

こんな↓ことになります。 

そんな彼が、間違えて採用してしまった破天荒な主人公「百田モモ」をはじめとする周りのスタッフの働きかけによって、少しずつ「チーム」を意識していき、チームで成し遂げることに主軸をおいていく、というのが物語の骨子です。

 (その過程で、かつて独裁者とも言われた天川は、↑こんなことになったりします)

自分に才能があったり、はっきりとやりたいことがあれば、
誰しもそれを120%引き出し、実現したい。
自分の言う通りにしていれば、
明るい未来ははっきりと見えているのに。
それが実現できないのは、環境のせいではないか?

こう考える起業家や仕事のできる人は多いはずですし、
この考えは、筋が通っています。

しかし、それだけでは上手くいかなくて、
何が必要かというと「チームの力」、
そして才能ある人が「チームの力」を認めることなのです。

 

ええ、これは言葉にすると非常に陳腐ですね。
わたしの文章力がないせいでもありますね。ええ。
こういうところです。

 

しかし!この『大東京トイボックス』はその言葉の意味を、
全編通して高解像度で表現しています。
スタートアップでずば抜けた能力を持つ人材に接した経験や、
圧倒的に人的リソースが足りない環境に置かれた経験がある僕は、
共感とともに、リアルすぎて左胸を痛くしながらも
一気に読み進んでしまいました。

ゲーム開発、という少し特殊な舞台設定なのですが、
キャラクターが発する言葉の一つ一つにリアリティがあり、
随所でどきっとさせられます。

すべてのスタートアップベンチャーで働く人が共感必至の作品。
連載当時に多くの起業家が支持したのも頷けます。

マンガトリガーで今すぐ一部無料で読めるこの作品、
まだ触れたことのない方はぜひ!

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