今の若手がオジさんになったらこうなる『最強伝説 黒沢』にみる日本のオジさん像 欲しいっ・・・!人望が欲しいっ・・・!キャンペーン1本目

荒井 健太郎2017年09月19日 印刷向け表示
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今週は人望が欲しいキャンペーンと称して、5日間に渡って『最強伝説 黒沢』について紹介していきます!レビューワーの色々な視点から『最強伝説 黒沢』を楽しんで貰えますと幸いです。

 

最強伝説黒沢 1 (ビッグコミックス)
作者:福本 伸行
出版社:小学館
発売日:2003-06-30
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 さて、三連休が明けたが次の日曜日あなたは何をするだろうか。友人と観光地にいく?はたまた家族でアウトレットでショッピング?好きなアーティストのライブだろうか?

かく言う私は残念ながら、予定は埋まっていない。直近1年を見てみても休日に予定が入っていたことを数えるほどしかない。主人公の黒沢が、日曜日に途方に暮れて、公園で本を読んでいるのだが、あれ、これ俺じゃね?と共感しかしなかった。

 

 

(『最強伝説 黒沢』 1巻より引用)

そう、このコマのように、休日は途方に暮れる。安心して欲しい、何もすることがない休日を考えるとゾッとするあなたも、そんなこと考えたことないあなたもちょっと、下のグラフを見てみて欲しい。休日に家に引きこもっているのは20代だと40%以上だ、未婚の場合その数字はなんと50%近くに及ぶ。



 
(「20代のオフの過ごし方に関する調査2016」より引用)

 

予定の入っていない休日を迎えるとどうしようもない焦燥感に駆られるのだが、これはまだまだ序の口だ。黒沢は建設現場で出世もしないが、リストラもされずにずっと現場で働いている冴えない中年のオジさん、痛いことに自分で会社のカレンダーに名前を書いたりするも、自分の誕生日を誰にも祝って貰えない。そして、ふと…感じるのだ。

 

 

 

(『最強伝説 黒沢』 1巻より引用)



焦燥、痛み、腐敗、喪失、徒労…という感情を強烈に感じているこの背景には死に対しての恐怖が大きく影響しているのではないだろうか。生物的な死以上に辛いのは、社会的な死だ。黒沢は「人望が欲しい」という発言を繰り返すが、社会的な死に対しての恐怖が他の人よりも強く感じる。黒沢の生い立ちについては語られていないので、黒沢がどうしてこうなったのかが個人的に一番気になるポイントだ。そして、このまま人望が集められなかった場合の黒沢は、生物的にも社会的にも孤独死を迎えることになる可能性が高い。参考までに、東京での孤独死のデータを見てみよう。


 

(「統計データからみる孤独死の原因とその防止策とは?」遺品整理ドットコム より引用)



東京で3000人程度?少ないと思ったかもしれない。ただ、これは自宅で1人で亡くなった方を孤独死として定義した場合だ。病院などで身寄りもなく、死んでいく社会的な孤独死になる方はもっと多いだろう。『最強伝説 黒沢』では独り身のオジさんがこの苦しみから抜け出すことが、テーマじゃないかと勝手に思っている。そのために、黒沢は人望を求めて思いつく限りの行動に出る。アジフライを購入して弁当にいれたり、ビールを現場で購入したり、工事現場の人形に抱きついたり、中学生との恋愛を妄想したり…その有志はぜひ、漫画の本編で読んでみて欲しい。『最強伝説 黒沢』はネタとされることが多いがこれは紛れもなくリアルな日本のオジさんの姿であり、一歩間違えばあなたもこうなりかねないだろう。


今回紹介した『最強伝説 黒沢』はマンガトリガーで一部無料で読むことができます!

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※本記事は、マンガトリガー編集部にて画像使用の承諾をいただいております。
(画像: ©福本伸行/highstone, Inc.)

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