生物・自然
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『津波―暴威の歴史と防災の科学』国際語「Tunami」の歴史と減災を知る好著!
2024年4月22日「Tunami」は英語の辞書にも載っている数少ない日本語起源の国際語である。本書は津波に関する歴史的な逸話を、最先端の研究成果をもと…more
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『世界から青空がなくなる日』 自然のコントロールをコントロールする
2024年3月12日著者のエリザベス・コルバートは、前著『6度目の大絶滅』(NHK出版)でピュリッツアー賞も受賞した実力派のライターである。そんな彼女が…more
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『47都道府県・地質景観/ジオサイト百科』日本列島は美しい地質景観の宝庫だ!
2024年2月23日いま日本で「地学」がブームになっている。日本列島の地質は世界的に見てもユニークなものが多い。プレート境界で火山が集中し地震も活発な島…more
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昆虫のいない世界、それはディストピア 『昆虫絶滅』
2024年1月27日『昆虫絶滅』、なんとも刺激的なタイトルだ。まずはプロローグで、「昆虫のいない世界」がいかなるディストピアであるかが描かれる。 昆虫が…more
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『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』競馬業界のタブーに挑む衝撃のルポルタージュ
2023年の有馬記念を制したのは前年の日本ダービー馬「ドゥデュース」だった。騎乗の武豊に「千両役者ここにあり」とアナウンサーが叫ぶほ…more
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2023年のイチオシ本=関東大震災100周年を忘れるな! 『関東大震災がつくった東京』
2023年12月30日今年も日本各地で地震が頻発する1年だった。地球科学を専門とする私には、ある意味で予測されていることでもある。 というのは12年前の東…more
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『八ヶ岳南麓から』山暮らしのリアル
2023年12月7日これまでたくさんの本やエッセイを書いてきた著者だが、意外にもプライベートな暮らしについては、ほとんど書いたことがないという。本書はこ…more
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『富士山噴火に備える』「噴火スタンバイ状態」の富士山はどうなっているのか?
2023年11月14日万葉集が編まれた頃、富士山の頂上から噴気がなびいていた。つまり、当時の人々は富士山が「生きている」ことを知っていたのである。その後は…more
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『宗教の起源──私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ダンバー数、エンドルフィン、共同体の結束
ここで非常に興味深いのが、議論の出発点がダンバー数となることである。冒頭で述べたように、安定的な社会的関係を維持できるヒトの集団サイ…more
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『世界がわかる資源の話』世界の地政学のベースに「資源」がある!
2023年9月11日資源は私たちの生活に欠かせないものである。エネルギーや有用な元素を供給してくれる鉱産資源は、46億年に及ぶ地球の歴史のなかで培われて…more
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『ロバのスーコと旅をする』相棒ありの放浪
うんと幼い頃、ロバのパン屋さんという行商があった。記憶は遠く、かすかに覚えているのはロバの瞳だ。大きな目の中の全部が黒くてまつ毛が長…more
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『イラク水滸伝』謎の湿地帯をめぐる圧巻のノンフィクション!
本書を手に取った人は幸せである。なにしろ世界初の報告をいち早く日本語で読むことができるのだから。それも公的機関がまとめたような無味乾…more
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地球と生命が「共進化」する壮大な歴史を見よ! 『超圧縮地球生物全史』
2023年4月9日地球は今から46億年前に誕生したが、生命はそのうち後半80%もの長い時間に存在している。また40億年前には海が誕生したので、それ以降…more
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え~っ、二本足で走るネコ!?『タカシ 大丈夫な猫』
2023年3月27日二本足で立って走る猫がいるという話をネットで知った。ウソやろ…。即座に思い浮かんだのはもちろんあの猫である。往年の名作『じゃりン子チ…more
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いまは過去を振り返っている場合じゃない! 『揺れる大地を賢く生きる』
2023年3月3日日本の大学では恒例行事として、定年を迎えた教員が「最終講義」を一般公開する習わしがある。本書は2021年3月10日に、私が京都大学で…more