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サッカー経済学 『「ジャパン」はなぜ負けるのか?-経済学が解明するサッカーの不条理』

村上 浩2010年4月26日

スポーツ経済学者(こんな肩書き初めて聞いたぞ!)のステファン・シマンスキーとジャーナリストのサイモン・クーパーがサッカーについて徹底的に計量経済学的手法を用いて分析しまくる。Freakonomics以来の計量経済学の面白本。

「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理 「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理
(2010/03/24)
サイモン・クーパーステファン・シマンスキー

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メジャーリーグの中でもお金のない弱小球団を、統計の力でワールドシリーズへ導いた「マネーボール」のサッカー版である。クラブチーム、ナショナルチームを勝利へ導く要素(数字)は何か?膨大なデータを基に検証していく。

著者によると、ナショナルチームの勝率は、�人口�一人当たりGDP�サッカーの経験(@欧州)で8割以上説明できる。

サッカーに興味はないが、本書を読めば日本サッカー協会の取るべき施策は唯一つ。大枚はたいて、ヒディングを雇えばいいのだ。「複雑な問題に単純な答えはない」と池田信夫氏は重ね重ね言っているが、日本代表強化に関する課題は単純な問題なのかもしれない。本当に複雑な問題は、様々な利権が渦巻く協会の中で、この「単純」な回答をいかに

実行するかということなのかもしれない。

ちなみに、マネーボールは未読・・・

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