北条民雄『いのちの初夜』
純文学だが事実を基にして書かれている作品。小学6年で読んで一晩寝られなかったほどの衝撃を受けた。らい病について初めて知った本。
山崎朋子『サンダカン八番娼館』
初めて読んだノンフィクションじゃないだろうか?あまりにも衝撃が強くて、後年サンダカンまで行ってしまった。
坂口弘『あさま山荘1972』上下
一番多感なときにあったあさま山荘事件。当時下宿屋をしていた実家で、学生さんたちといろいろな話をした。今でも謎だらけだ。
千葉敦子『乳ガンなんかに敗けられない』
ジャーナリストがすべてをさらけ出した闘病記。この本を最初に亡くなるまで書き続けた。いつも息をこらして読んでいた。
高野秀行『幻獣ムベンベを追え』
『深夜特急』にも『何でも見てやろう』にもはまらなかったのに、この珍奇な冒険ものにはすっかりやられた。1988年の初版から15年後に文庫化。まさか、こんなに売れっ子作家になるとは思わなかった。
A・R・ウォーレス『マレー諸島』
もちろんダーウィンも好きなのだが、身近なアジアの進化を扱った本書が上。わざわざインドネシアに行って、蝶の違いを確認したほど。
網野善彦『異形の王権』
北方謙三さんの秘書になって小説の下調べをしていたころ、初の時代小説を南北朝に取り、網野先生へ教えを請いに行った。日本という国について初めて真剣に考えた本。
スティーヴン・ジェイ・グールド『ワンダフルライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』
グールドの科学エッセイはみんな好きだが、本書が代表作。カナダで見つかった5億年前の不思議な生物について図表をふんだんに使っている。
ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)
池田晶子・陸田真志『死と生きる』
哲学者と死刑囚の獄中書簡。もともと明晰な頭脳を持つ陸田が池田の言葉によって覚醒していく様子はスリリング。
山際素男『破天』
インドでカーストに苦しむ人々を大挙して改宗し、仏教復興運動を進めている日本人僧侶・佐々井秀嶺の一代記。新書になっていたのは知らなかった。