現実と空想の間(あわい)にあるような物や出来事が好きだ。絶対にないとはいえない輪廻転生、地球人以外の生き物、未だ証明されない人間の能力、などの本はいつの間にか手が出てしまう。というわけで、私のマニアックな3冊のテーマは「いるのかいないのか未確認生物」である。
最近書店を歩いていて呼び止められた本がある。棚ざしの片隅が光っているように見えたのだ。それがこれ。
ぞっとするほどよく出来ている。著者のプロフィールを見ると筑波大学大学院修士課程芸術研究課修了。銅版画とリトグラフを制作したのち、幻想のイキモノの「標本」作品の製作を始めたそうだ。哺乳類、爬虫類、竜族(!)、両生類、魚類、菌類に別れ、生態に関する記述も見事だ。写真だけなら「幻想標本博物館」で見ることが出来るが、変ないきものマニアなら本は欲しいところ。
こういう「いい本」に出合った日は当たりである。
他にもそんな本が見つかる可能性が多いのだ。そして、やっぱり見つかった。
文庫化されていたのを全く知らなかったが20年ほど前、高価な本を買った覚えがある。書庫を探すと出てきた。図版や写真が大きい分、これはハードカバーのほうがいい。
「世界各地に生息する珍獣・幻獣を多数採取し、膨大な観察記録を残したのち謎の失踪を遂げた動物学者、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の資料が発見された」(Wikipediaより)この資料を著者ふたりが監修してまとめたもの、となっている。多足のヘビや空を飛ぶゾウ、ツノウサギなどが実際の写真やレントゲン、スケッチなどとともに詳細に紹介される。博士と友好関係になった半猿半獣のケンタウルスは、人類の科学発展のため、自ら犠牲を申し出るのだ!
このペーター・アーマイゼンハウフェン博士の盟友がドイツ人博物学者ハラルト・シュテュンプケ氏である。
かの有名なこの本の著者だ。
この生物は1957年まで南太平洋に存在するハイアイアイ群島に生息していたが、核実験による地殻変動で島ごと消滅してしまったのだ。隔絶した島で独自の進化を遂げた生物を、総体的に研究した本書は、1987年の発売当時、大きな反響を呼んだ。学術書としても優れており「鼻行」の推移も理解できる。
最終的にこの3冊は「創作」であることを認めているが、地球上にはまだまだ未知の生き物が残っているのだ。こちらもオススメ。
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この2冊は人類滅亡後の想定で書かれている。
UMAを探す冒険といえば高野秀行
こんなものが好きになったルーツ