7月といいますと、まだ梅雨が続きます。じめじめして雨ばかり降って洗濯物が乾かない。普通なら好きではない季節なのでしょうけれど、私は結構好きな季節だったりします。
とは申しましても、正直、じめっとした中で食欲が減少してしまうときもあります。本は、本当に必要な人の元へと寄り添う。そう!寄り添うのです。
どなたか私の願いを聞いていただけますか?実は、私・・・「立ちそば食べたことありません!」なので、「一度でいいから立ちそばを華麗に食べてみたい」のです。駅にある立ちそばやの香りに鼻孔はそそられ、お仕事帰りの男の人がずずっとスープを飲み干す様は見ていてとても憧れます。
この本は、「えぇ・・立ちそばなんて男の人ばっかりだし、一人で行ったら寂しい子みたいに思われるからやだぁ。」なんて思っている女子必見!おそばやさんでのマナーとか、コツとか、タイミングとか、教えてくれます。麺をずずっと出来ない私でも、コシのあるおそばやさんに行けば、皆もぐもぐしているから大丈夫なはずだと考えています。奥が深いんだなと読み終わって思いました。あぁ、行きたい立ちそばやさん。一人ってハードル高いですよね?
(※レビューはこちら)
眺めているだけで、憧れはどんどん強くなっていきますね。私の地元にある中学校から社会人になってからも、ずっと通り続けた商店街に存在し続けたおそばやさんが載っているとは・・・。今度誰か連れていこうと思います。各地の絶品立ちそばやが特集されています。写真が大きく、美味しそうです。そして何より、「ビジネスマンよ、スマホよりこの一冊を持ち歩け!」というキャッチコピーが素晴らしいと思いました。安くて栄養もとれて満腹感を得られるおそばやさんの紹介本。買うでしょうこれは。目指せ!立ちそばガール!
食事を食べるためにはお金を稼がなくてはならず、私は書店員としてお給料をいただいています。その書店員だからこそ、紹介したい一冊があります。
私が何を言っても伝わらないかもしれない。しかしながら、本書を紙に携わる全ての人に、生活の中で本に触れている人に届けたいと思いました。今まで、本には「作家さんの想いや編集さんや営業さんの想いが込められているから、こんなに輝くんだ」と思っていました。
確かにそういう部分もあるのだと思います。ただ、『紙』を必死で作っている人の存在が本当に申し訳ないくらいに頭から抜け落ちていました。読み終わって、頭を壁に打ち付けたくなるほど、「何で?何で?」と恥じ入った程でした。これだけ必死にこれだけ命をかけて伝えてくれていることに、何故気付かなかったのだと自問自答を繰り返しました。入荷が少ないとか本が売れないとか言っていた自分が滑稽に思え、本自体がなくなることに目がいかなかったのです。
読了し、しばらく心の中で整理整頓をしていました。そして、今、私に出来る事は一冊一冊をもっと大切にもっとたくさん売ることなのだと思えました。何も知らない状態から現状を知ることが出来たのだから。このタイミングで出会えたことは、意味のあることだから。届かないなら意味がない。
だから届けることが仕事なのだと再認識したのです。心から心へのタスキを、自分なりに考えて繋いでいける一人でありたいと思いました。装丁の写真を見ただけなのに、魂が揺さぶられました。真剣に向き合い続けていくべき一冊だと思いました。「私たち書店員が繋がなくてどうする!」これは読了後、一人部屋で吠えた言葉です。(※成毛眞のレビューはこちら。野坂美帆のレビューはこちら。麻木久仁子のレビューはこちら。)
無知だからとシャットダウンせずに、貪欲に吸収し続けたい。そして、今出来ることを探し実行していける人でありたいと強く思っている日々です。前進あるのみ!
HONZで文章を書くようになって一年が経ちました。読んだ方に感想をいただけたりすると、自分の中で反省したり幸せになったりしています。拙い文章ではありますが、今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。
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