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将来のためじゃない、面白いから好きになる『算数好きな子に育つたのしいお話365』

野坂 美帆2016年3月27日

問題です。縦3ブロック、横4ブロックの板チョコがあります。このチョコレートを何回割れば12個の小さいブロックに分けることが出来るでしょうか。ただし、重ねて割ってはいけません。

ゲームです。
① 1から9の数の中から1つの数を選んでください。
② 選んだ数を2倍にしてください。
③ その2倍した数に6を足してください。
④ ③で出た数を2で割ってください。
⑤ ④で出た数から、①で選んだ数を引いてください。
⑥ いくつになりましたか?

画用紙に円をかいて切り取り、真ん中に小さな穴をあけます。そこにえんぴつを入れて、箱に沿って転がしてみます。箱の外側に描く線と、内側に描く線はどのようなものになるでしょうか。

問題です。1枚の紙を何回折ると月に届くでしょう。月までの距離は約38万km、使う紙の厚さは約0.08mmです。

ゲームです。
123456789 =100
このうち、1~9までの数字を区切り、そこに+か-の記号を入れて答えが100になる式を作りましょう。

ハトをたくさん飼っている、ある人のお話です。この飼い主は、毎日、飼育小屋に自分のハトがちゃんといるかどうか確かめていました。確かめる方法は、四方から見てそれぞれ9羽ずついるかどうか、という方法です。飼育小屋は縦3マス、横3マス、全体で9マスあり、真ん中の1マスはハトが入らないようになっています。
問題①ハトが4羽逃げました。しかし、飼い主は気付きませんでした。そのときハトは飼育小屋のそれぞれのマスに何羽いたのでしょうか。
問題②逃げたハトが別のハトを4羽連れて帰ってきました。しかし、飼い主は元の数より4羽増えたことに気付きませんでした。そのときハトは飼育小屋のそれぞれの部屋に何羽いたのでしょうか。

問題です。ABCDEの子どもが1列に並んでいます。
・全部で5人が並んでいます。
・Eは一番前ではありません。
・AはCのすぐ後ろです。
・DとEの間には2人います。
・BはEのすぐ後ろです。
子どもはどのように並んでいるでしょうか。

問題です。コインが8枚あります。この中で1枚だけ本物のコインよりも重い偽物があります。天秤を使って偽物を見つけたいのですが、何回天秤を使えばよいでしょうか。ただし、使うものは、コインと天秤のみです。

上記の問題は、すべて『算数好きな子に育つたのしいお話365』を参考にしたものだ。本書は、「子供の科学」という小・中学生向けの総合科学雑誌が編集し、執筆者は日本数学教育学会研究部に所属する、第一線の教師たち。1日1話、365日分の数学に関係する話が集められている。

問題やクイズばかりを書き出したが、本書中には「メビウスの輪のふしぎ」「サッカーボールをつくってみよう」など、実際に工作することで算数のふしぎを体感するページ、「ニュートンを肩に乗せた巨人ケプラー」「決闘で命を落とした天才数学者ガロア」など、数学に関係する偉人の逸話、「お客さんの数はぴったり5万人?」「自動車のタイヤのお話」など、実際の生活に関わる算数の話など、数字や問題が前面に出てくると気後れしてしまう子どもにも、興味を持ってもらえるような話が絶妙に配置されている。全ページカラー刷り、イラストや図表が多用され、1日分は基本1ページなので、1日1話無理なく読み進めることができる。

素晴らしいのは、「わかった!」「解けた!」「できた!」ではなく、「なんで?」「ふしぎ!」がベースにあること。どうしてそうなるのか、それはどうすれば証明できるのか、考えてみたくなってしまう。しかし、1話は1ページなので、そのお話の背景は詳しく語られないのだ。子どもは限られたヒントの中で、自ら考察するようになる。

数学の公式を覚えるのは苦手だったという人でも、面白いクイズや算数の歴史、トリビアは、抵抗なく楽しむことができる。ぜひ、お子さんと一緒に読んでみてほしい。本体価格2300円、1話約6.3円、安い!お得すぎる!この値段ではもったいないと感じてしまう面白さとボリュームだ。進級、入学、卒業のプレゼントにお勧めの1冊。
 

・先に発売された理科版も合わせてお勧め。