併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2020年12月

古幡 瑞穂2020年11月19日

『鬼滅の刃』効果が続き書店店頭の賑わいも続いています。読書の秋、長くなってきた夜に重厚な本を読むにも良い季節です。ではこの後はどんな本が発売されてくるのでしょうか?

ノンフィクションの予約ランキングから見ていきます。2020年11月18日時点の予約受注実績から12月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)

トップに躍り出たのは『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』です。

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

作者:オードリー・タン
出版社:プレジデント社
発売日:2020-12-01
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オードリー・タンはこれまでも雑誌にも多く取り上げられ、本も増えてきます。この本の最大の特徴は自著であること。自らの言葉でコロナ対策成功の秘密、デジタルと民主主義、デジタルと教育、AIと社会・イノベーション、そして日本へのメッセージなどを語っています。

この他、全体的には渋沢栄一の関連書の発売が増えてきています。来年のNHK大河ドラマの主役となることが決まっていますが、ドラマスタート前に大きなうねりが来そうです。

出版社 商品名 著者名 発売予定
年月日
プレジデント社 『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』 オードリー・タン 20201201
文藝春秋 『三国志名臣列伝 後漢篇』 宮城谷 昌光 20201208
SBクリエイティブ 『知ってはいけない日本近現代史の正体』 馬渕 睦夫 20210407
講談社 『フィボナッチの数学』 中村 滋 20211014
KADOKAWA 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 731部隊の真実』 NHKスペシャル取材班 20210430
PHP研究所 『直感力』 羽生 善治 20201203
海竜社 『池上彰の今さら聞けない日本のこと』 池上 彰 20201212
飛鳥新社 『韓国の反日工作』 篠原常一郎 20210122
誠文堂新光社 『藤井 旭の天文年鑑 2021年版』 藤井 旭 20201209
文藝春秋 『街場の天皇論』 内田 樹 20201208

予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!

0番目の患者 逆説の医学史

作者:リュック ペリノ
出版社:柏書房
発売日:2020-12-15
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コロナウイルス感染者へのバッシングは大きな社会問題となりました。この本がテーマにしたのが、医学の発展に寄与した患者の存在です。腸チフスのメアリーはすでに話題の人となっていますが、この他にも自らの身をさらしてきた様々な患者の犠牲と貢献が語られています。

この本がフランスで発売されたのはロックダウン宣言の直前とのこと。今こそ読んでみたい作品です。
 

なんでも「はじめて」大全: 人類と発明の物語

作者:スチュワート・ロス
出版社:東洋経済新報社
発売日:2020-12-11
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「人類がはじめて靴を履いたのはいつのこと?」という問いかけに答えられる人はどれくらいいるでしょう。そんな人類の「はじめて」に注目した歴史本です。もちろん地球のはじまりであるビッグバンから始まって、言葉や歩行なんていうものの「はじめて」も網羅。憲法や民主主義といったものの「はじめて」も語られているそうです。人類の歴史を初体験から読み解く興味深い1冊。
 

アナキズムの歴史: 支配に抗する思想と運動

作者:ルース・キンナ
出版社:河出書房新社
発売日:2020-11-28
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アナキスト本をよむ

作者:栗原 康
出版社:新評論
発売日:2020-12-16
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 民主主義について考える、国家のあり方について考える。そういった本が増えてきています。ポストコロナの世の中がどうなっていくのか、興味が高まっていることが大きな要因でしょう。アナキズムに焦点をあて、この歴史をたどったのが『アナキズムの歴史』。12月にはアナキズムの研究者である栗原康さんの書評集『アナキスト本をよむ』も発売が予定されています。
 

囚われし者たちの国──世界の刑務所に正義を訪ねて(仮)

作者:バズ・ドライシンガー
出版社:紀伊國屋書店
発売日:2020-12-25
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再犯率が6割を超えるアメリカの刑務所制度に疑問を持った著者が世界の刑務所を見て歩いたルポルタージュ。例えば、オーストラリアでは刑務所が民間に委託されていたり、タイでは社会復帰に向けた支援が行われていたり、様々な特色がありました。世界9カ国を訪ね歩きながら、刑務所が果たすべき役割とは何なのかを考えます。
 

ダーウィンが愛した犬たち: 進化論を支えた陰の主役

作者:エマ・タウンゼンド
出版社:勁草書房
発売日:2020-12-10
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ダーウィンと聞くとゾウガメをイメージするのですが、生涯の友としたのは犬だったのだそうです。付き合いの長い相棒の愛犬たちからはダーヴィンは多くの発想を得ていたようです。愛犬の視点から、『種の起源』の裏側を描いたのがこちら。

新型コロナウイルスが再燃時期に入りました。しばらくはまた巣ごもり時間を過ごすことになるかもしれません。注目本も続々発売されていますので、おうち時間のお供選びをお楽しみください。