併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2021年10月

古幡 瑞穂2021年9月24日

読書の秋到来!先月ここで紹介した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』が発売されベストセラーとなっているほか、注目の本が続々発売されています。これからはどんな本が発売されてくるのでしょう。これから出る注目ノンフィクションを紹介していきます。

2021年9月21日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)

大ベストセラーとなった『LIFE SHIFT』の最新版となる『LIFE SHIFT2:100年時代の行動戦略』が予約順位を上げてきています。今回は実践編として、100年に1度の変革期をどう生き抜くかというその知恵が書かれています。前作発売時には、定年後の生き方について考える本のブームも起きました、今回はどのような動きが見られることになるのでしょう。

LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略

作者:アンドリュー・スコット ,リンダ・グラットン
出版社:東洋経済新報社
発売日:2021-10-29
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出版社 商品名 著者名 発売予定
年月日
小学館 『逆説の日本史24 明治躍進編
  帝国憲法と日清開戦の謎』
井沢 元彦 20211006
講談社 『フィボナッチの数学』 中村 滋 20211014
マガジンハウス 『ひろゆきのシン・未来予測』 ひろゆき 20210929
KADOKAWA 『主人公思考』 坂上 陽三 20211028
KADOKAWA 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3
   731部隊の真実』
NHKスペシャル取材班 20211202
新潮社 『時代小説の戦後史(仮)』 縄田 一男 20211224
NHK出版 『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』 中村 哲 20211025
筑摩書房 『人類5000年史4』 出口 治明 20211209
東洋経済新報社 『LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略』 アンドリュー・スコット
リンダ・グラットン
20211029
講談社 『日本の古式捕鯨』 太地 五郎作 20211014

これから出る本リストから注目作品を紹介していきます。

世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論

作者:カルロ・ロヴェッリ
出版社:NHK出版
発売日:2021-10-29
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カルロ・ロヴェッリは前作の『時間は存在しない』で話題となった天才物理学者。すでにイタリアでは12万部を売上ており、本作も世界各国での刊行が決定しています。量子論という謎の多いテーマを私たち読者に伝え、世界の本当の姿に迫るという1冊。科学が遠い存在ではないことを思える作品です。
 

ULTRAS ウルトラス 世界のゴール裏に巣くう過激派たちの実態

作者:ジェームズ・モンタギュー
出版社:カンゼン
発売日:2021-10-18
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スポーツ関連作品も豊作です。こちらは、英国人ジャーナリストによる、「ウルトラス」と呼ばれるフットボールクラブの過激サポーターたちの実態を暴き出したノンフィクション。「過激派サポーター」といっても、その実態は様々で、犯罪組織と密着していたり、人種差別的な行動を繰り広げる集団であったりその姿は様々。一方で、歴史的にクラブそのものとの密な関係があることも事実です。世界15カ国のウルトラスの実態が白日の下に。
 

FCバイエルンの軌跡:ナチズムと戦ったサッカー文化

作者:ディートリヒ・シュルツェ=マルメリング
出版社:白水社
発売日:2021-10-22
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サッカーノンフィクションでは『FCバイエルンの軌跡』にも注目です。ドイツを代表するクラブであるFCバイエルンはユダヤ人との関わり合いが深かったことで、ナチスドイツ下で様々な冷遇や迫害を受けています。ナチス時代のサッカー界の実情を描き、サッカー界の歴史を掘り下げています。 
 

「木」から辿る人類史: ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る

作者:ローランド・エノス
出版社:NHK出版
発売日:2021-09-28
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「ウッドショック」という言葉があちらこちらで目につくようになりました。世界的に木材価格が高騰している今こそ、「木」に注目してみるのはどうでしょう。この本では、人の進化や文明の発展の陰にはじつは「木」があったと説いています。石・青銅・鉄に隠れがちな木の活躍と人類との700万年にわたる関係をつぶさに描いた歴史&サイエンスノンフィクションです。
 

WILDHOOD(ワイルドフッド) 野生の青年期——人間も動物も波乱を乗り越えおとなになる

作者:バーバラ・N・ホロウィッツ ,キャスリン・バウアーズ
出版社:白揚社
発売日:2021-10-16
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ユヴァル・ノア・ハラリの推薦を受けたこちらは、野生動物の「青年期」について描いたノンフィクション。人間と同様、動物にも青年期があり、彼ら動物も様々な課題を乗り越えて大人になっているのだと言います。恋をしたり、親離れに苦労したり、いじめがあったり、そして時には危険に飛び込むことも。波乱を乗り越えて大人になるということは人間も動物も同じ。動物の青年期の謎に迫ります。
 

コロナ時代の選挙漫遊記

作者:畠山 理仁
出版社:集英社
発売日:2021-10-05
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開高健ノンフィクション賞の受賞歴がある著者は、選挙取材歴20年以上という選挙の猛者。こんな時に選挙?という声もありますが、コロナ禍下でも選挙は止りません。この時期行われた全国15の選挙に密着し、そこでどんな事が起こっていたかをつぶさに描いた選挙ルポです。後々で、この時代を振り返るためにも読んでおきたい資料価値もある1冊。
 

最後の角川春樹

作者:伊藤 彰彦
出版社:毎日新聞出版
発売日:2021-11-01
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メディアミックスという手法を生み出し、数々の伝説を残し続ける角川春樹氏。まだ本の詳細情報は明らかになってきていません。ただ、出版業界人にとっては必読の作品になるでしょう。

コロナ禍後に向けて世界が大きく動き出しています。この先にどんなことが起きるのか、ヒントは本の中からも見つかりそうです。素敵な本との出会いがありますように。