併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2021年12月

古幡 瑞穂2021年11月24日

今年もそろそろ2021年のベストセラーが発表される時期になりました。各ジャンルの今年の1冊も選ばれぐっと年末ムードが高まってきます。年末年始は重厚な本をじっくり読むのにいい季節です。これから、どんな本が発売されてくるのでしょう。これから出る注目ノンフィクションを紹介していきます。

2021年11月18日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)

今回注目したいのは『拝謁記』

2019年8月。NHKのスクープで初代宮内庁長官、田島道治の日記、そして昭和天皇との会話の詳細な記録が公開されました。

現代史を読み解くための超一級の資料として大きな反響を呼び、研究者の手によって研究されていた貴重な資料が編纂され、12月より刊行開始となります(全7巻)

歴史に興味がある方のみならず、今後の日本を占う意味でも必読の本と言えるでしょう。

出版社 商品名 著者名 発売予定日
廣済堂出版 『大谷翔平』 小関順二 20211213
新潮社 『問答無用』 櫻井 よしこ 20211127
小学館 『ママがもうこの世界にいなくても』 遠藤 和 20211201
ワニブックス 『世界のニュースを日本人は何も知らない3 
 -大変革期にやりたい放題の海外事情-』
谷本 真由美 20211208
河出書房新社 『イベルメクチン』 大村 智 20211202
KADOKAWA 『 NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 
    731部隊の真実』
NHKスペシャル
取材班
20220302
新潮社 『時代小説の戦後史』 縄田 一男 20211216
筑摩書房 『人類5000年史4』 出口 治明 20220107
イースト・プレス 『スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック』 伏見 瞬 20211217
岩波書店 『拝謁記1 昭和24年2月~25年9月』 田島 道治 20211203

これから出る本リストから注目作品を紹介していきます。

時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙

作者:ブライアン・グリーン
出版社:講談社
発売日:2021-12-03
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大ベストセラー『エレガントな宇宙』の著者の最新作は、ビッグバンから時空の終焉までを描き出す壮大な作品となりました。現代物理学の最新知見をもとに、時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりとなる宇宙の終焉までを描き出します。この冬最も注目したいサイエンスノンフィクション!
 

NOISE 上: 組織はなぜ判断を誤るのか?

作者:ダニエル・カーネマン ,オリヴィエ・シボニー ,キャス・R・サンスティーン
出版社:早川書房
発売日:2021-12-02
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原著は今年5月に発売されたもの。約半年での邦訳登場となりました。ダニエル・カーネマ、オリヴィエ・シボニー 、キャス・R・サンスティーンという3人の著者はそれぞれが行動経済学者。ダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞も受賞した日本でも話題の研究者です。均一な判断を下すことが前提とされる組織において判断のばらつきが生じるのはなぜかというテーマに、真に合理的な意思決定のあり方を考えます。
 

ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

作者:リチャード スノー
出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日:2021-12-10
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 今では、夢の国として当たり前のように私たちに幸せを与えてくれているディズニーランド。でもその開業までの道のりは想像を超える困難との闘いだったようです。世界で最も有名になった遊園地に携わった人々の歴史、そして彼らがどう夢を描いたのかが克明に描かれる、まさにディズニーランドの歴史。

ディズニーファン必読の1冊でしょう。
 

船の食事の歴史物語:丸木舟、ガレー船、戦艦から豪華客船まで

作者:サイモン・スポルディング
出版社:原書房
発売日:2021-12-16
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船で遠くに行くためには、いかに堅牢な船になっているかということが大事です。さらに必要なのが食料。船の形が変わることで、食材の貯蔵方法が変わり、調理方法も変わってきます。そして、食糧補給の場所もこれまた重要。昔からの寄港地は美味しいものが多いイメージ。

この本では人間の海洋進出の歴史を”食”目線で振り返ります。レシピもついているそうなので、船の食事も試せそう。
 

ばらまき 河井夫妻大規模買収事件 全記録

作者:中国新聞「決別金権政治」取材班
出版社:集英社
発売日:2021-12-15
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政治家夫妻が自ら現金を配って回ったという衝撃の買収事件。100人に2800万円を配ったという点でも衝撃的なまでに大規模な事件でした。

この事件を買収の舞台となった地元、広島の中国新聞が総力を挙げて取材したものがこちら。取材チームは広島県だけでなく全国各地での執念の取材でこの報道を続けました。その全貌が綴られた1冊です。

コロナ後を見据えた本、1月からのNHK大河ドラマ放映にあわせて、北条家関係の本の出版予定が目立ちました。書店にとっても売り上げ最盛期となる12月はどんな本が売れていくのでしょう。