おすすめ本レビュー 足立 真穂
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こんな本を待っていた! 『取材・執筆・推敲〜書く人の教科書』
2021年04月14日こんな本を待っていた! そんな一冊に挙げられそうな、あの超絶ベストセラー『嫌われる勇気』の古賀史健さんの新刊だ。3年間かかりっきりだったとも聞く内容は、タイトル通りの「取材」「執筆」「推敲」という対象に、真正面から取り組んでいて、圧倒される。……more
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色覚サイエンスの最先端を知ると、「日本」まで見えてくる――『「色のふしぎ」と不思議な社会』
2021年01月14日「この赤はリンゴの赤だね」と言うとき、どんな赤色を見ているかは、実は人それぞれだ。そもそもヒトがどんな色を視ているかを科学的に考えたことがあまりない。ところがその色覚について、「正常」と「異常」に線引きする時代もあった――それなら色覚とはいっ……more
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なんだか疲れてきちゃったあなたに。0円で『自分の薬をつくる』
2020年08月13日自分の携帯番号を公開し、悩める誰からの電話でも受け止める人物がいる。その「いのっちの電話」で2万人の声を耳にしながら、「坂口医院0円診察室」を開設! 「0円ハウス」の次はこう来たか。コロナ禍でどうも気落ちしがちなあなたへの応援歌になるやも。読……more
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身近な食べ物ってすごいのだ。→『育ちすぎたタケノコでメンマを作ってみた。』
2020年05月13日小学生男子的な好奇心のままに、日常にある目の前の身近な食べ物を掘り下げる不思議な人がいる。「これなに?」と思ったら猪突猛進、栽培したり採集したりして、食す! 食べることに旺盛な人は楽しく生きている気がするぞ。よくわからないタイトルなのだけれど……more
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舞妓さんの秘密――『花街と舞妓・芸妓の世界』
2020年03月18日舞妓さん? 京都で歩いているのを見たことがあるかな。そう、多くの人にとっては、観光の景色のひとつか、映画の世界だろう。そこになんと、リアルな舞妓さんの世界を京都5ヶ所、東京7カ所、ほか全国各地を含め合計25カ所の花街で追究し、写真満載で紹介す……more
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これが実話だなんて!『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』
2019年09月14日ロンドンの王立学院に通う20歳の音大生が、あの大英自然史博物館から、死んだ鳥の羽を盗んだ――なぜ、前途有望な若者が300羽近い鳥の美しい羽根を? 世にも不可思議な盗難事件の顛末を追った犯罪ルポ。ページをめくる手が止まらない、思いがけない快作登……more
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究極のリサーチ!『アフリカの難民キャンプで暮らす』
2019年06月21日「難民」というと、ヨーロッパへと海を越えていく怒涛のごとき難民の写真や映像に驚いた記憶も生々しいが、実際は、9割がアフリカや中東など当事者の国の近隣国にいる。しかも、長期化が甚だしく、その年数の平均はなんと26年! 世界の難民の数は2500万……more
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ご近所助け合いをする『樹木たちの知られざる生活』
2019年03月13日仲間内で互いに助け合うこともあれば、コミュニケーションもとっている――ドイツの森林管理のプロが長年見てきた樹木の驚愕の生態がここに! 最新のサイエンスの知見で、樹木の持つ驚くべきコミュニケーション能力や社会性を解き明かす。知らないことだらけの……more
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ちばてつやの見た中国 『ひねもすのたり日記』
2019年02月13日ちばてつや。そう、あの『あしたのジョー』などの傑作を描いた、漫画家だ。最近はどうされているのかと思いきや、「18年ぶりの最新作」とうたっての自伝が刊行されていた。文字が多めの漫画、という風で、往時が生き生きと蘇る。描かれているのは、少年時代の……more
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ナニワの病理学教授の本! 『(あまり)病気をしない暮らし』
2018年12月13日『こわいもの知らずの病理学講義』が7万2千部に! ということでウハウハだという大阪のおっさんこと、ナニワのレビュワー仲野徹先生の新刊登場! 「2匹目のドジョウを狙う」と公言する今回は、ダイエットフェチとしての極意から、お酒との賢い付き合い方、……more
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知らなかった東京裏面史、『ふたつのオリンピック』
2018年11月13日分厚いのに一気に読んでしまった! 迫力の一冊。著者は誰かって? そう、あの『東京アンダーワールド』のロバート・ホワイティングだ。60年代初頭、アメリカの軍の仕事で19歳で来日。いつしか日本に住み着くようになって、野球と相撲を語る現在に到るまで……more
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悶絶かわいい! 『子どもの着物大全』
2018年08月13日かわいくてたまらん出版賞受賞決定! と勝手に叫びたくなる「かわいい」のオンパレード。七五三のあの初々しさ、節句の飾りの華やかさ、と日本の子どもの可愛らしさが凝縮されている、昔ながらの子ども着物。年中行事や年齢に応じた装い、文様、結び方など「日……more
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『秘録イスラエル特殊部隊〜中東戦記1948〜2014』でイスラエルの裏面史が見えてくる
2018年04月13日1948年の独立以来、イスラエルの特殊部隊が関わった作戦の数々を時系列で微細に入り伝えるノンフィクション。空港での人質奪還、中東戦争、エルサレム包囲戦、レバノン戦争、「テロリスト」の暗殺、原子炉空爆、ハマスとの闘い……その背景を知ることで、イ……more
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古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』
2018年03月14日「自家焙煎はやっぱり違う」「豆はエチオピアでね……」なんぞと最近、コーヒーをめぐる話は細かいことになっている。そもそも「こんなに苦いものをなぜ?」と最初に飲んだ時に思った人も多いのではなかろうか。コーヒーがこれほど愛されるようになった背景を知……more
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360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜
2018年02月25日360年続く稀有で貴重な出版社に乗り込んだHONZ! 大火に見舞われながらも続いてきた版元、その名は「檜書店」。能の謡本を出し続けてきた。江戸時代の大、大、大ベストセラーとなった「謡本」とはどんなものなのか。檜書店の内部にさらに迫ってみよう。……more