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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。今週はメルセデス新井の代打で登場です。

「こどもが病院に運ばれ、今週メルマガの当番なんですが、来週で良いですか」とHONZ関係者が見られるFacebookグループ上にメルセデス新井の書き込みが今朝あり、「メルセデス、大変だな。大丈夫かな」と心配しつつも、他人事のように書き込みを放っておいたら、「穴埋めるの、俺しかいないじゃん」と正午近くになり認識し、焦っている次第でございます。

とはいえ、いつも、当日の朝というか昼に、無い知恵を絞りながら書いているので、状況は大して変わらないと言えば変わらないのですが。

さて、昨晩、だらだらとツイッターを眺めていたら、仲野徹が、自分がレビューした『路地の子』がおもろい~、アマゾンでめっちゃ順位あがっている~といった主旨の文章を書き込んでいました。確かに確認してみたら、41位まで上昇しているではないですか。部落関連の硬派なノンフィクションとしては非常に立派な数字ではないでしょうか。

で、今日も、ぐだぐだとツイッターを見ていたら、また、仲野徹が、『路地の子』、アマゾンの在庫復活~とつぶやいていました。なんだか、仲野徹が『路地の子』を書いたんじゃないのかと思うくらいのPRっぷりです。どんだけ、推すんでしょうか。てか、どんだけ、私、仲野徹のツイッターをチェックしているんでしょうか。

と、書きながらも、この本、私もめっちゃ面白く、レビューを書こうと思ったら仲野徹に先駆けされてしまい、悔しくてこんなことをかいていたりするわけですが。

未読の方は是非!

今週もメルマガスタートです。

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家計簿つけたら、ヤセました!
作者:川下 和彦
出版社:あさ出版
発売日:2017-06-15

『家計簿つけたら、ヤセました!!』――このタイトルを初めて聞くと、誰もが「プッ」と吹きだす。

日本人ばかりでない。このあいだソウルブックフェアに行ったときも、韓国人が吹きだしていた。かくいう私も、著者の川下 和彦さんからこの話を聞いたとき、「はぁ?」という感じであった。

本書は川下さんの実話がベースになっている。

人一倍意志が弱く、お酒が大好き。誘われたら「NO」と言えず、飲み歩く毎日。新卒で入社後、みるみる体重が増加し、身長175㎝で体重80kg超えに。

「これではイケナイ!!」と、藁をもつかむ思いでスマホをつかみ、家計簿をつけ始めたところ、わずか3週間でマイナス5kg、3ヵ月後には18kgのダイエットに成功。

食事制限をしたわけでも、ハードな運動をしたわけでもなく。ジーンズのウエストは、34インチから29インチに。それから2年近く経った今でもリバウンドしていない。

その理由、“風が吹けば桶屋が儲かる"を地でいく「連鎖式習慣法」を本書では徹底解説。しかもヤセるだけではなく、お金が貯まり、モテる方法を大公開! これであなたも、「貯まる→ヤセる→モテる」!! というお話。

そして、実は本書、さまざまな偶然&ご縁に恵まれてできあがった。

昨年末のこと。ある方の出版記念セミナーで某書店さんに伺った。場所柄、パリッとしたスーツ姿の男性が9割を占め、数少ない女性もやはりパリッとした恰好。

いつも通りの、どカジュアルな恰好をした人は私ぐらいしかいない……と思っていたら、もうお一人カジュアルな格好をされた方がおり。それが川下さんだった(本当にスミマセン!!)。

セミナー終了後、ご挨拶をし、駅まで一緒に歩いたのだが、明らかにシュッとされている。
FBでは、そのお姿を目にしていたが、本当にほっそりとなされており。
「すごいですね、そんなにシュッとなされて」と言ったところ、「家計簿をつけたら、やせたんです」と。

「はぁ?(えっ、何をおっしゃってるのかしら???)」「いえ、こんな理由で……」とその理由を聞いたとき、このタイトルがパッと頭に浮かんだ。
『家計簿つけたら、ヤセました!!』

そして、本の構成も浮かび、こう思ったのである。
「イラストは、高田 真弓さんだわ!」
川下さんからすれば、あそこで私に会わなければ、もっといい版元さん&もっといい編集者さんと組めたに違いなく。
「ここで会ったが、百年目」を地でいく展開。おかわいそうに……。

次の日出社した私は、上司に早速報告。
「おはようございます! 昨日のセミナーの件ですが……」
「おはようございます。どうでしたか?」
「ええと、『家計簿つけたら、ヤセました!!』という本をやりたいのですが。イラストは高田真弓さんで!」
「……。(セミナーの話はどこにいったという顔)」
「これいけますよ! 絶対、楽しいですし!!」
「……。なぜ、あのセミナーに行って、そういう話になったんですか?」
「あっ、ええとですね~(昨日についての説明)」
「では、企画書出してみてください」
「企画書? 何書けばいいんですか? もうタイトルもイラストレーターさんも決まってますし! あっ、カバーデザインは吉村朋子さんで!!」
「……(違う、そうではないという顔)。いつも通りに書けばいいんですよ」
「うーん。いつも通りですか?(企画書をほとんど、書いたことがない)」
「第一、小川さん。著者の方にどう依頼するのですか? まだ、お話していないでしょう。社長の決裁も」
「あっ! そうですね!! 社長、社長~!(弊社代表めがけて、叫びながら突進)」
「小川さん!!」

社員数の少ない弊社。風通しのいい弊社。ほとんどのことは自由にやらせてくれる弊社。いつも通りの口頭説明&押しきり&勢いで決裁をもぎとり、川下さんにご相談。すでに川下さんは、ご自分の身に何がおこりどうしてヤセることができたのか、きちんとまとめられており(!)、出版社に持ち込もうとされていた。それをかっさらった私。

本書は、カバー、冒頭のマンガ、本文など、あらゆるところでペンギンが登場する。実はこのペンギンがダイエットも含む習慣術をモノにするうえで、かなり重要な鍵を握っているのだが……その種明かしは読んでみてのお楽しみ。

これで、私も、無理なく、シュッとヤセられるはず……!! 未来の私に期待したい。

小川 彩子  あさ出版編集部
『ほんとうの贅沢』(吉沢久子)、『図解 経済学入門』(髙橋洋一)、『「男の色気」のつくり方』(潮凪洋介)、『1日3食をやめなさい!』(内海聡)、『ゼロから1人で韓国語』(阪堂千津子)など、柔らかいものから固いものまで、バラバラのジャンルの本を興味がおもむくままにつくっている。

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