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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。
年の瀬に相応しい前文を久々に書けそうな『エロ語呂世界史年号』(社会評論社、HONZメンバーのハマザキカク編集)という本を読み直していたのですが、珍しく本日、仕事が詰まっており、編集担当の遠藤陽子に送る時間がギリギリになりそうな24日13時15分現在です。

「前日に書けよ、馬鹿」とまっとうな指摘が飛んできそうですが、祝日に子どもを膝に乗せながら「1928年 張作霖爆殺事件→ いないんじゃ(1928)誰も?超サックリ(張作霖)やっちゃおうよ?」などと書いているところを妻に見つかったら、張作霖よりも悲惨な年始を迎えそうなので断念した次第です。

忙しいと書いておきながら、結局、書けない理由をグダグダと前文として綴っており、我ながら見苦しい極みですが。年明けに相応しくない前文として次回に充てます。

何はともあれ、一年間お世話になりました。「年末年始はゆっくり休ませていただきます」と一方的に通告してきた遠藤陽子の独断により、メルマガ発行は今週が最後です。来年も宜しくお願いします。年末年始のお供にする本をhonメルマガで是非探してみて下さい。ではではでは。

今週のニュース

【出口治明さん × HONZ × d-labo × Book Lover's Day】大盛況のうちに終了いたしました。

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 東 えりか

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 麻木 久仁子

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2005年、著者は経産省から外務省に出向し、在ブルネイ日本大使館の二等書記官となる。ブルネイは石油と天然ガスにめぐまれ、東アジアでもっとも裕福な国だ。ブルネイ王室は、世界一裕福な王族であり、その資産は4兆円といわれる。「ポルシェ、フェラーリ… more


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これだけ交通手段も発達し、情報化が進んだとはいえ、まだまだ世界は広い。宗教、科学、歴史、戦争、様々な分野において、限られた人間しか立ち入れない驚きのスポットが数多く存在している。そして須らく行けない場所にはワケがあるのだ。 more


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ジョン・ブロックマンは、毎年1つの質問を知のトップランナーたちに投げかけている。本書は、2012年の質問に対する149人分の回答をまとめたものだ。 ”あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか?” スティーブン・ピ… more


 村上 浩

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「ヒラノ教授、あんたの時代はよかった」。工学部ヒラノ教授シリーズを読んだ現役教授たちは、私とおなじようにつぶやくだろう。ご本人は、どこがよかったのか、とおっしゃるかもしれない。しかし、20年ほど前、いろいろと不自由や不条理はあったけれど、国… more


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驚くほど憲法がよく分かると評判の『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』。著者の谷口真由美さんはヒョウ柄とアメちゃんをこよなく愛し、「全日本おばちゃん党」代表代行も務めるという由緒正しき大阪のおばちゃん。そんな本書の前書きを、HONZにて特別公開… more


 文藝春秋

『人と企業はどこで間違えるのか?』ウォーレン・バフェットからビル・ゲイツに渡された最高のビジネス書とは

今年の夏、ビル・ゲイツはブログで1冊の本を紹介した。20年以上前にウォーレン・バフェットから推薦されたもので、以来「最高のビジネス書」として愛読し続けているという。世界的にも大きな注目を集めた本書の魅力と概要を、翻訳者の須川綾子氏に解説して… more


 ダイヤモンド社書籍オンライン

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作家の故丸谷才一さんは、書評を書くとき「最初の3行で読む気にさせる」ことを目指したそうです。私のものはまだ書評という芸域に達してませんが、ついつい皆さまに「読んでいただく」ことを忘れ、冒頭部分をダラダラと書いてしまいます。 more


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今週のいただきもの(12月第3週)

今週、会社の忘年会がありました。 そんなに飲んだ覚えはないのですが(というか、そもそも記憶が無い)、捕獲された火星人さながら、同僚ふたりに両脇を抱えられ家まで送還されたことを考えると、相当ひどい状態だったようです。 more


 遠藤 陽子

PRえ!?あなたまだ青汁ですか?

青汁は、野菜不足を補うだけですが、ユーグレナには魚の持つDHAやEPAも。
59種類の栄養で、野菜・肉・魚の持つ栄養をバランスよく補います。
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『ラスト・ワン』 編集者の自腹ワンコイン広告

ラスト・ワン
作者:金子 達仁
出版社:日本実業出版社
発売日:2014-11-28


中西麻耶というアスリートをご存じだろうか。

彼女は2006年、テニスで国体を目指す最中、勤務先での事故で右膝から下を失う大けがを負う。だが退院後、障害者陸上に転向するや、瞬く間に日本 記録を塗り替え、事故からわずか2年で北京に、そしてその4年後のロンドン・パラリンピックにも出場を果たした短距離のトップランナーである。

2014年12月現在、障害者陸上競技のT44(片下腿切断/全廃)クラスで100m走、200m走、400m走、そして走り幅跳びの日本記録をもつ。走り幅跳びの記録はそのままアジア記録でもあり、来たるリオ・パラリンピックではメダルの最有力候補と目されている。

そんな素晴らしい実力の持ち主だが、彼女はある“秘密”を抱えていた。それを一人で抱え込んだまま、そこから目をそむけるかのように自らの肉体を極限まで痛めつけて陸上競技に打ち込んできた。だが、彼女の心に刺さった棘は、少しずつ彼女の心を蝕んでいく。

障害者スポーツの世界は決して恵まれた環境にあるとはいえないのが実情だ。活動資金難に悩んだ彼女は、自身のセミヌード写真を載せたカレンダーを出 版する。そのことが世間からの手酷いバッシングを引き起こす。「障害を売り物にしやがって」「いいよなあ、女は身体を売ることができて」──そんな誹謗中 傷の言葉が幻聴として耳から離れなくなり、ついに彼女はうつ病を発症してしまう……。

本書は、類まれな才能をもった、だがそれゆえに不器用な生き方しかできない障害者アスリートが、心の病を発症し、そしてそれを克服して再起するまで の軌跡を描いている。著者は、雑誌の取材で偶然、彼女のことを知り、そして周囲の勧めもあって単行本化することにはなったものの、最初から彼女が抱えた心 の闇について知っていたわけでも、それを書こうとしていたわけでもなかった。取材を重ねるうちに、「この人になら“本当のこと”を話せるかもしれない」と 信頼され、打ち明けられたのである。

著者は彼女が隠し黙っていた事実に、ものすごい衝撃を受ける。その告白を聞かされた夜は、一睡もできなかったほどに。そして、それを活字にしてよい ものか悩んだ末に、書くことを決意する。書くことで彼女が新たなバッシングを受ける可能性をも意識しつつ、書くことで彼女の心に刺さった棘を抜いてあげら れることを期待して。

こうして生まれた本書『ラスト・ワン』──。スポーツ・ノンフィクションの体裁をとってはいるものの、そこに描かれているのは、陸上競技やスポーツという枠を越えた、一人の女性の壮絶な生きざまであり、読む者すべての心を打って止まないヒューマン・ストーリーである。

本稿で“秘密”の内容について明かすことはできないが、ぜひ、一人でも多くの方々に手に取って、ご自身の眼でお読みいただきたいと願う次第である。

杉本 淳一  日本実業出版社 取締役編集担当
書籍、ムック、雑誌編集部などを経て、2013年より現職。編集の現場をしばらく離れていたが、『ラスト・ワン』では原稿の熱さ、魅力に惚れ込み、久しぶりに取材や撮影、PRなどの実務も担当した。

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