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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。3年間、孤立無援でメルマガ前文を担当してきましたが、先週はついにメルセデス新井が登場。これまでは何も考えずに、前文を勤労意欲全開で毎週書いていましたが、一週空いたら「おい、メルセデス、今週もやれよ」と思ってしまうあたり、生来の怠け癖を痛感しました。それにしても、メルセデス新井、なぜ「メルセデス」なのかを明かさずじまいに前文を終わらせていましたが、語る日は来るのでしょうか。

さて、一週空きましたが最近の私、電車の中でも病院の待合室でも所構わず鼻血が出続けています。正直、メルマガどころではなく、二人制になり、助かりました。「おまえ、そのネタ前回も書いただろ」とメルセデス新井に突っ込まれそうですが、大変、忸怩たる思いです。本メルマガ前文、一部では「2年目以降は毎週、同じ」、「もはや酒日記」などと事実に反して揶揄されていますが、定期的に本の紹介を挟むなどマイナーチェンジを施してきました。一見、似ているようで中身は違うのです。「HONZメルマガは毎週同じ」という指摘は、顔やシルエットが似ているからと言って、桐谷健太を高知東生や永井大と一括りにするのと同じくらいの暴挙でございます。

で、鼻血に戻りますが(戻るのか)、原因不明のため、何だか大好きなお酒も飲めず。先日、飲み屋でレモンサワーを頼んだのですが、いつでるかわからない鼻血テロを恐れ、びびって口もつけられず、コップの中の氷が溶けて水かさが増すという不思議な体験をしました。酒界からの引退の二文字を非常に強く意識しました。

そんなわけで、これを機に節酒しようと、酒の害を叫ぶ書籍を大量に読み込んだのですが、一番効果があったのは、大正時代の作家の葛西善蔵の自伝ノンフィクションでした。

生涯を通じて大変寡作だったのですが、特に晩年は酒の飲み過ぎで口述筆記に頼り、ほとんど書けませんでした。二枚も書けたときは、狭い室内を真っ裸になって四つん這いでワンワン吠えながら駆け回ったとか。

「ああ、酒好きの人生は厳しいな」と氷結ストロングをがぶ飲みしながら思う、週明けの夕暮れです。ごきげんよう。今週もメルマガスタートです。

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