>> 正常に表示されない場合はこちらから

HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。

4日に近畿を通過した台風21号が各地に大きな被害をもたらしていますが、みなさまお元気でしょうか。関東在住の私も、テレビ越しに映し出されるシンゴジラが街を通過した後みたいな状況に衝撃を覚えております。

多くの人が同じ気持ちだったのでしょう。私、昨夜はビールを一杯飲んだだけで、珍しくまっとうな状態で午後10時過ぎには帰宅したのですが、関東人も警戒してか、地下鉄は普段と一変してガラガラでした。

こういうときは家で読書するに限るのかもしれません。

ちなみに私が昨夜、地下鉄で読んだ本は『シャブ屋の懺悔 西成密売四十年 』

前科12犯、服役年数計30年の著者が覚せい剤密売の総本山の大阪・西成に更正組織を立ち上げるという「えっ、そこにわざわざ攻め込んでいく?」という壮大なお話しです。自らの半生と、更生した元乱用者たちのエピソードで構成されており、読んでいるとフジテレビの『ザ・ノンフィクション』のBGM( 生きてる~、 生きている~)が頭の中で流れまくることは必至です。とはいえ、単なるお涙頂戴物ではなく、「薬を打ちたくなったら酒を呑め」とか、それはそれで違うリスクがあるんじゃないのかと思われるも、現実的でスリリングな文言が散りばめられている刺激的な一冊です。

今週もメルマガスタートです。

最新記事

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』

全世界で800万部を超えるベストセラーとなっている前作では、主にサピエンス(著者は他の人類種と区別するために、現生人類であるホモ・サピエンスをしばしば「サピエンス」と呼ぶ)の来し方を顧みたのに対して、本作ではその行く末を見据える。『サピエン… more


 河出書房新社

「時間」そのものに興味がある人すべてにオススメしたい──『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』

というわけで本書は、「タイムマシン」や「タイムトラベル」という概念がなぜそれ以前には生まれなかったのか、またそれ以前の「時間」の捉え方はどういうものだったのか。タイムマシンが生み出された時、人々はどのような反応を持って受け入れ、その後時間観… more


 冬木 糸一

『硯の中の地球を歩く』1億年前の原石に命を吹き込む無名の名工の誇りと決意

端正な本だ。カバーと帯を取りはずすと、表紙には原寸大に近い一面の硯が刷られている。装丁だけでなく、紙質や印刷も素晴らしい。ゆっくりと味わうように読んだ。著者は書道道具店の四代目。浅草の店では定番の筆や墨なども取り扱っているが、高級な硯は代々… more


 成毛 眞

『偽りの薬 降圧剤ディオバン臨床試験疑惑を追う』

製薬企業と大学医学部などの医療機関がカネで癒着して、特定の薬の効果を証明する臨床試験のデータを改ざんあるいは捏造して、実際にはない効果を「ある」とする報告(論文)を公表し、企業は論文を利用して大々的に宣伝、医師はどんどん患者に投薬したら何が… more


 新潮文庫

『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』

本書はデイビッド・モントゴメリー著“Growing a Revolution”の全訳であり、『土の文明史』『土と内臓』(ともに築地書館)に続く三部作の完結編である。三作はいずれも、人間社会とそれを包括する文明と環境を、「土」という共通の切り… more


 築地書館

『GAFA 4騎士が創り変えた世界』GAFA以降のゲームのルールにどう立ち向かうのか

本書『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、Google、Apple、Facebook、Amazon(GAFA)という巨大テクノロジー企業4社を、それぞれが地上の4分の1を支配し、剣、飢饉、悪疫、獣によって「地上の人間を殺… more


 堀内 勉

今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


送信専用メールアドレスから配信されています。
このメールにご返信いただいても内容の確認・回答はできません。
お問い合わせ、ご不明な点は info@honz.jpまでご連絡ください。配信解除はこちらからお願いいたします。

ノンフィクションはこれを読め!http://honz.jp/
Copyright © HONZ All Rights Reserved.