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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。先週、金曜日にNHKを見ていたら、『あさイチ』に棋士の「ひふみん」こと加藤一二三九段が出ていました。

奇人変人として知られる「ひふみん」。そのため、「ひふみん」伝説は列挙するときりがないのですが、「ひふみん」って誰だよという人もいると思いますので、対局中の行動だけを簡単に紹介します。正座しても、ネクタイが畳に着くくらい長く、対局中に前後ゆらゆら、駒をパシパシ空打ち。滝の音がうるさいと止めてしまったり、ヒーターを相手に向けて「暑い」と怒らせてしまったり、リモコンで温度を上げようと思って、部屋の明かりを消してしまたり。奇人が多い将棋界でも奇人枠だったのですが、ここ数年、バラエティやらインターネットの動画サービスやらメディアに引っ張りだこのようで、昔からのひふみんファンとしては嬉しい限りです。

そんな大人気の「ひふみん」について最近、なぜか原稿を書くことになり、Amazonで関連本を漁っていたら、掲載誌の幅広さに改めて驚きました。なぜか自衛隊の広報誌「MAMOR」や女性誌「FRAU」にまで出ているようです。両方とも、思わずポチりました。

それにしても、女性誌にひふみん。女性誌とは縁遠そうな将棋界だけに、おそらく、林葉直子とのどろどろの不倫で女性誌を賑わした中原誠十六世名人以来の快挙ではないでしょうか。

まだ実物が届いていませんが、FRAUのインターネット上のページには将棋棋士九段 加藤一二三さんも絶賛!「うなぎ名店リスト」なる記事が。「40余年にわたり対局中の昼食夕食休憩時に鰻重を食べ続けているレジェンド!」と紹介されています。「ウナギばかり食べてる」とネタのように扱われ、対局中もむしゃむしゃ食べるために相手に「においがきつい」とクレームをつけられても、食い続ける「ひふみん」。その日々の積み重ねが女性誌でおしゃれにうなぎの名店を紹介するようになるとは。人生どう転ぶかわかりません。

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