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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。もはや皆さんおなじみのHONZの新コーナー「今週のSOLD OUT」。楽しんでいただけていますか。編集長の内藤順が毎週、新技を繰り返し、何とか企画を成立させようとするその気概と文章構成に身内ながら感服しております。

一部からは「ルールが謎過ぎる」、「先行きが心配」などの声も届いているようですが、この無茶な企画、「ネットになければリアル書店に」という出版界全体を底上げしたい編集長らしいけれども、内藤順らしからぬ高邁な理想が背景にあるのです。今後ますます脱線するのは不可避と思われますが、暖かく見守ってください。

そんな内藤順の新企画の影響か、私も書店に行く回数が増えており、ネットでは注文しないだろうなと思われる本を買うことも少なくありません。

先日も『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』(井上達夫、毎日新聞出版)を衝動買いしてしまうはめに。6月に発売された本で、雑誌の書評などで見かけていたものの、ポチるには至りませんでしたが、書店で斜め読みしたところ、購入意欲が非常に刺激されてしまいました。

タイトルが元AKBの前田敦子の総選挙におけるスピーチをもじっており、「AKBとリベラルが関係あるのかよ」と思わせながら、本文は前田敦子もAKBも全くかすらないという素晴らしい展開。AKBファンならば激怒して、「握手券をよこせ」と出版社前でデモでも起こすのでは心配になりましたが、本書は法律や哲学のコーナーに並んでおり、AKBファンの大多数との親和性は高くなさそう。

デモは杞憂に終わりそうですが、むしろ、「このコーナーで、この軽すぎるタイトルはむしろマイナスなのでは」と妄想が巡りに巡ってしまい、出版業界を下支えしたいHONZメンバーとしては「俺が買わなきゃ誰が買う」と思わず買ってしまいました。

書店に実際に出向くと、思わぬ本との出会いがあるとはよく言いいますが、同じ対象に対してもモニター越しとは違う感情が沸くのだと思った次第です。今週もメルマガスタートです。

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