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むっちゃだるく、熱っぽく。これはもしかして今、噂の病なんだろうか。こんにちは、栗下直也です。
この2週間ほどを振り返ると、ほとんど普段は乗らない朝の満員電車に乗り、年に数度しか訪れない映画館に行き、新幹線にも乗った。ああ、罹患していてもしかたがない。ああ、だるい、咳もゴホゴホ、止まらない。
テレビを付けると感染経路がどうこう言っているし、これは細かく行動履歴を確認されるんだろうか。いや、されるんだろう。「この日、歌舞伎町行ったの?行かなかったの?パスモの履歴では新宿で降りているんだけど」とか聞かれるんだろうか。嫌すぎる。
そんなことに備えて、ここ数週間は、いかがわしいと世間でされるお店には出入りしていない。誰とも濃厚過ぎる接触はしていない。スマートフォンも解析されるのかなとも思い、こちらもいかがわしいサイトの検索をやめるにとどまらず、スマホをあえて持ち運ばず、会社や家に置きっぱなしにする時もある。『ゴルゴ13』を幼少の頃から読んできた経験がこんなところでいきるとは。ありがとう、さいとう・たかを先生。というよりも、一体、私は何をしたいんだろうか。死に行く者の身辺整理、終活っぽい。
いかに死ぬかということで、最近、『明日なき身』(岡田睦、講談社学芸文庫)を読み見直した。岡田睦と聞いても、誰それって感じだろう。
1932年生まれで1960年に「夏休みの配当」で芥川賞候補になる。私小説を書き続けるも、3度目の妻との離婚以降、生活保護を受けながら、居所を転々とし2010年3月号「群像」に短編小説「灯」を発表、以降消息不明。
略歴からして、ダメな感じが凄いが、本書を読むと、なんだか生きる気力が湧いてくる。コロナでもインフルエンザでもどうにかなる気がする。安倍ちゃんも読んだらいい。
著者は三度目の離婚の時に、元妻に家を追い出される。生活保護を受けながら暮らしていたが自殺未遂するわ、カネがなく暖房器具もないから、コンロでティッシュを燃やしたら火事になるわで、不運不幸が相次ぐ。結局、そこにもいられなくなり、刑務所のような施設に送られ、その後、略歴にあるように消息不明となる。
元気があれば何でもできる、とはよくいうが、元気がなくてもなんとかなる気がしてくる私小説だが、消息不明は嫌だなと思いながら、体温計がピピピとなったので確認したら、36度1分しかありませんでした。
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